【1964年5月5日】ダットサン・ベビイ誕生!|Today's memoriesあの日の記憶
「こどもの国」開園50周年を機に再生したダットサン・ベビイ
文=津島 孝

“本物のクルマ”が遊園地を走った! ダットサン・ベビイが切り開いた日本の交通安全教育

急増する交通事故に対応。「こどもの国」から始まった日産の革新的プロジェクトとは?

ダットサン・ベビイは、子供が運転しながら交通ルールを学べる本格的な教育用ミニ自動車。1964年の児童厚生施設「こどもの国」の一部開園に合わせて日産から100台が寄贈され、専用コースでの走行が大人気となる。交通事故増加を背景に誕生し、交通安全教育に大きな影響を与えた。

【1964年5月5日】
子供に大人気の「ダットサン・ベビイ」登場!

1960年代前半、日本は高度経済成長の勢いとともに自動車が急速に普及し、交通事故が深刻な社会問題となっていた。特に子供が被害に遭うことが多かったことから、交通安全教育の必要性が高まり、日産は「子供が実際に運転しながら交通ルールを学べるクルマ」を構想する。こうして誕生したのが、1963年に発表された教育用ミニ自動車「ダットサン・ベビイ」である。

このクルマが本格的に活躍する舞台となったのは、皇太子明仁親王殿下(現:上皇陛下)のご成婚記念事業として建設された「こどもの国」。1964年5月5日の同園の一部開園に合わせ、同社は100台のダットサン・ベビイを寄贈した。

搭載エンジンは199ccの空冷単気筒で、最高速度は時速30kmに制限。時速20kmを超えると警報ブザーが鳴り、時速30kmに達するとエンジンが自動停止する装置も備えていた。園内には専用コースと交通訓練センターが整備され、子供は座学と実技を経て“こども免許証”を取得できた。

ダットサン・ベビイは約8年間にわたり人気アトラクションとして活躍し、交通安全教育の先駆的モデルとなる。「遊びながら学ぶ」という新しい教育の形を提示したこの取り組みは、社会的にも大きな意義を持つものだった。

こどもの国で子供たちに人気となったダットサン・ベビイ

ダットサン・ベビイのベースとなったのは愛知機械工業の軽商用車「コニー・グッピー」。前輪ダブルウィッシュボーン、後輪トレーリングアームの四輪独立懸架、国産初期のトルクコンバーター採用など、構造は“本物のクルマ”そのものだった

【1964年AF8N型 ダットサン・ベビイ】
●全長×全幅×全高:2960×1420×1245mm(全長、全幅はバンパーガード含む) ●ホイールベース:1670mm ●車両重量:430kg ●搭載エンジン:AE82N型(199㏄ 空冷2サイクル単気筒)

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