これから運転免許を取得する人が知っておきたい! 快適設備で変化した、最新の自動車教習所事情
昔の教習所とは別物? 令和の若者が通う現在の教習所の実態と、親世代が抱く教習所のイメージとのギャップ昔の教習所といえば「教官が怖い」、「設備が古い」、「予約がとれない」、「とにかく大変」、そんな印象を持つ親世代も少なくない。しかし、現在の教習所ではそんなイメージと打って変わり、令和の若者が通いやすい教習所へと変化している。
開放的なロビーやスタディルーム、キッズサービスなど、令和のニーズに合わせて進化した「思わず通いたくなる教習所」の様子を、東京都・神奈川県に5校の自動車教習所を展開するコヤマドライビングスクールを例に紹介する。
これが教習所? まるでカフェのような居心地
ロビー&カフェテリア
校舎に入ってすぐのロビー。昔ながらの校舎とはまるで異なる。大窓から光が差し込み、開放的なロビーだ。学校というよりはコミュニティースペースのような空間(写真はコヤマドライビングスクール石神井校)
落ち着きのある木目調のカウンターが受付だ。スタッフがにこやかに案内してくれる
カフェテリア。教習の合間に軽食をとりながらくつろげる
トイレ
女子トイレ。丸鏡の後ろから漏れ出す照明がおしゃれ。トイレがきれいだと長居も苦ではない
スタディルーム
デスクに設置されたタブレットで、学科の問題を解くことができる。効果測定もここで受ける
デスクに設置されたタブレットで、学科の問題を解くことができる。効果測定もここで受ける
スケジュールによっては、一日に間を空けて複数の教習を受けることもある。教習生にとって、清潔感と落ち着きのある「まるでカフェのような居心地」の校舎は、快適に教習を受けるために外せないポイントだ。
親しみやすい雰囲気で、通って楽しい教習所
30年ほど前は、男性の教習生の割合が高かったが、現在では女性の教習生も増え、男女比率はほぼ半々。そのため教習所の指導員やスタッフも同様に、女性が多く在籍しているという。
かつてはタバコを片手に指導をすることもあったというように、「態度が悪い」という印象を持たれがちだった教習所の指導員だが、今では教習生が安心して教習を受けられるよう、指導員のマナーは大きく向上している。
教習所によってはマナー講習を実施している事例もある。運転という人の命に関わることを教える以上、しっかりとした指導はそのままに、親しみやすい雰囲気の教習所づくりが目指されている。とりわけ親世代が経験した、いかにも「教官」といったイメージの厳しい指導員は、いまや少なくなってきているようだ。
教習所の指導員に向けたマナーマニュアル本(NPO法人自動車学校マナー推進協議会)
ディスカッション教習を控える教習生と指導員(左奥)。和やかな雰囲気(写真は教習イメージです)
教習車に試乗した。親しみやすい指導員と安心して教習を受けられそうだ(写真は教習イメージです)
【コラム】JAF Mate Online読者に聞いた! 昭和世代の教習所体験談
JAF Mate Onlineで読者の教習所体験のアンケートを行ったところ、2万件以上の回答が。その一部を紹介する。
- 厳しい教官が多く、毎回胃が痛くなっていた。(60代前半・男性)
- 昭和だったので厳しかった。緊張と萎縮で、坂道発進時にエンストしたりして、なかなか合格できなかった。(50代後半・男性)
- 「バカ」と言われたことは覚えています。(70代前半・男性)
- 横柄な態度で終始不機嫌、悪い言葉遣い、舌打ち連発など、ひどい教官がいました。その時はいやな気分でなんとか耐えましたが、何があっても平常心で運転する訓練(圧迫教習?)だったのかもと思い返しています。(60代前半・男性)
- 教習中、ブレーキのかけ方について「もっと静かに止まれないのか」と大声で言われた。その時が初めての運転で、これから徐々に覚えていくものだと思うが、「教習所とはそういうところなのか」と思った。(50代前半・男性)
- 教官の口が悪く「そんなのもわからんのか!」など言われました。(40代後半・男性)
- 運転を誤ると、足をたたかれた。(60代前半・男性)
- 泥が付いた靴で運転席に座ったところ、助手席の教官に蹴っ飛ばされましたね。(70代前半・男性)
- こちらは一生懸命やっているつもりなのに、「この前教えたことができないなんて論外だ! もう乗らなくていい!」と怒鳴られ、2時間何も指導してもらえなかったことがある。自腹で補講を受けた。(50代前半・女性)
- めちゃめちゃ怖い教官がいた。最近子供が免許を取ったが優しい教官ばかりらしい。(40代後半・男性)
オンライン予約で便利に通える!
教習所でのデジタル技術の活用
インターネット予約画面(画像はサンプル)
LINEと紐づけてサービスを提供(画像はサンプル)
オンラインで利用できる学科学習システム(画像はサンプル)
デジタル在校生証(画像はサンプル)
教習所での快適な環境整備のほかに、効率的に教習を受けるための仕組みも整備されている。昔は朝から教習所に足を運び、キャンセルが出るまで待ち続けるという経験をした人も多いのではないだろうか。今ではオンラインで学科タイムテーブルの確認や、教習予約が行える、便利な時代になっている。
特に、オンラインで教習予約ができれば、そのためだけに朝早くから教習所に出向くといった苦労はなくなる。さらに指導員の指名や学科の学習システムもオンラインで行うことができるなど、教習所に足を運ばなくても円滑に教習を進められる環境が整えられている。
ほかにもまだまだある! オンライン学科教習の仕組み
さらに今ではオンライン教習の導入も全国的に進んでいる。動画を視聴することで学科を受けることができるというものだ。地方などでは遠方から教習所に通う教習生も多い。そうした人にとって、学科教習を1コマだけ受講して帰る移動の労力が省けるため、オンライン学科教習はとても便利だ。
学科動画は主にオンデマンド形式。デバイスのカメラ機能を用いて、教習生がきちんと動画を視聴しているかを判断するシステムもあるという。たとえば動画視聴中にうっかり寝てしまうとか、その場を離れたと判断されると、再受講が必須になる。
デジタル原簿やAI教習車ってなに?
教習生一人ひとりが学科教習や技能教習をどこまで終えたのかを記録する教習原簿。これまで紙で管理されていた教習原簿をデジタル化し、ペーパーレス化を図る教習所も増えてきている。ひとつの教習をクリアしたら、指導員がその都度紙にハンコを押し、次の教習に回すといった作業がシステム上で完結するので、教える側にとって非常に便利な仕組みだ。
また、センサーを搭載した「AI教習車」というのもある。走行ルートや正しい位置取りをAIに学習させることで、教習生ごとに運転のズレや弱点をAIが教えてくれるという。
通うのは若者だけじゃない
多様性のある教習所へ
教習所は学生に限らず、育児中の人、高齢者、海外から来た人など、運転免許が必要な人のさまざまなニーズに応えるため、幅広くサービスを展開している。教習所は、まさに多様な人が利用する場所になっている。
ペーパードライバー教習
運転免許は持っているが、運転に自信がない人のための教習だ。主に社会人や主婦に人気がある。身分証明書のためだとか、親に勧められたといった理由で、学生時代に免許を取ったはいいものの、その後運転する機会がなく、運転の仕方を忘れてしまうパターンがよくある。
ところが「仕事で運転が必要になった」、「子供に何かあったときにクルマを運転したい」というように、ライフステージの変化により、再びクルマを運転する必要が生じる人が多いようだ。
高齢者講習
70歳以上の人が免許更新のために受けなければならない教習で、道路交通法によってその受講が義務付けられている。教習所ではそうした高齢者のための教習コースや、高齢者に対して動体視力や視野を検査する機器を用意している。また、高齢者の方にとっても過ごしやすい場となるよう、「高齢者待ち合いスペース」を設けた教習所もあるようだ。
外国語教習
外国にルーツを持ち、日本語を話せないという人に向けた教習で、外国語での教習を実施している。コヤマドライビングスクールでは英語・中国語に対応している。外国語による教習は1999年に日本で初めて開始されたというが、そこから受講者は年々増え続けているそうだ。
日本初の外国語教習を実施した同校では、たとえば、2005年に通年323人だったところ、20年後の2025年には1,001人が外国語教習を卒業した。社会のグローバル化や、外国免許切り替えの厳格化に伴い、外国人に向けた教習整備の需要が高まってきているようだ。
障がい者講習
社会にはさまざまな障がいを持った人がいるが、そういった人たちへ向けた教習も拡充されている。聴覚に障がいのある人のための手話講習や、身体的な不自由を抱えた人のため、それぞれに必要となる環境を用意している。また、発達障がいを持った人に対して、障がいに応じた教習をプランニングし、個別に対応するといった取り組みも行われている。
キッズサービス
子供がまだ小さく、目が離せないという人のために、保育ルームを設置し、保育士資格のある託児スタッフを配置している教習所もある。また、授乳室など育児に欠かせない設備も充実させ、小さな子供を抱えている人にもやさしい環境づくりが行われている。
動体視力検査機器。迫り来る輪の切れ目の方向を答える
英語版の教本。教本に収録される二次元コードを読み取ると、学習用の動画を見ることができる
下半身が不自由な方のためのクルマ。アクセルとブレーキは左手のレバーで行い、ハンドル上部右側のスティックでハンドル操作を行う
教習所内に用意された保育ルーム。小さなお子さん連れでも安心して教習を受けられる
車いすでの利用や赤ちゃんのおむつ替えなど、多様な方が利用できる多目的トイレ
コヤマドライビングスクールの小山社長に聞いた
これから教習所へ通う人へのアドバイス
これから運転免許を取ろうとしている人に向けて、教習所へ通うときのポイントを、コヤマドライビングスクールの小山社長に聞いた。
「通いやすい時期を狙うなら、学生のスケジュールとずらしたほうがいいですね」
やはり学生の教習生が多いため、教習所の混み具合は学生のスケジュールに左右される。「教習所は混んでいて大変だ」と思う人は、5月・6月、10月・11月が比較的通いやすいという。
「(就職前などに)慌てて教習されるよりは、ゆとりを持って教習を進めてもらったほうがいいかなと思います。そのほうが運転も楽しめますし。せっかく頑張って免許を取っても、就職してなかなか運転する機会がないという話も聞きます。もっとクルマを活用して生活をちょっと豊かにしてもらえたらありがたいですよね」
実際、就職前の大学3~4年になってから急いで通う人も多いとのこと。通うなら早めの入校がおすすめだ。
取材協力=コヤマドライビングスクール石神井校
「誰でも通える教習所」を目指すと語る、コヤマドライビングスクールの小山社長
令和の教習所で豊かなカーライフの第一歩を!
居心地のいい校舎や親しみやすい指導員たち、そして効率的な学びを支えるデジタルツールなど、新しい設備とサポートの充実により、今の教習所はかつてのイメージを大きく超え、多くの方が安心して通える快適な学びの場として進化している。
教習所は安全で豊かなクルマ社会を支える存在でもあり、運転を学ぶことは、日常の移動や選択肢を大きく広げるステップになる。運転免許のない人は、ぜひ前向きな一歩として免許取得に挑んでみてはいかがだろうか。
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