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芝生の上に停められたポップアップルーフ付きのベージュ系軽キャンパー
編集=伴 隆之

15年以上売れ続ける"ド定番"軽キャンピングカー3選! ロングセラーの秘密とは!?

“定番”と呼ばれるにはワケがある! ミニチュアクルーズ・テントむし・ラクネル、人気軽キャンパー3台のこだわりに迫る
伴 隆之

人気の軽キャンパーの中から、15年以上愛され続ける定番ロングセラー3モデルを紹介。「ミニチュアクルーズ」「テントむし」「ラクネル」の誕生秘話や進化の歴史、ビルダーのこだわり、現行モデルの特徴など、その魅力を徹底解説します。

目次

元祖・軽キャンピングカーは1991年に誕生

キャンピングカーのなかで「軽キャンピングカー」は、軽規格のボディサイズや排気量と引き換えに、税金や保険、高速道路の料金などが普通車に比べて優遇されており、気軽にキャンピングカーライフが始められるとあって人気のジャンル。

現在、日本RV協会会員のキャンピングカービルダーが製造・販売している軽キャンピングカーはなんと約200モデルもあり、まさに百花繚乱。会員以外のビルダーも含めると市場は大きなものとなっています。

ポップアップルーフを広げた軽トラックベースのキャンピングカーとキャンプギア

元祖軽キャンパーであるフィールドライフの「トライキャンパー」。誕生秘話はまた別の機会に

そんな軽キャンピングカーの元祖とも言えるのが、1991年にフィールドライフから発売された「トライキャンパー」。スバルの名車とも言えるサンバーをベースにポップアップルーフを架装。ここから軽キャンピングカーというものが各ビルダーから続々と誕生していきました。

今回は、定番と呼ばれる軽キャンピングカーを3モデル紹介します。なぜ定番と呼ばれるのか? 歴史を含めて、各車両の魅力を見ていこうと思います。

岡モータース ミニチュアクルーズ・ネオ

ライトグリーンの軽ワゴン車両外観

OKA MOTORS Miniature Cruise Neo/全長3395×全幅1475×全高1895mm(エブリイベース)/乗車定員2〜4人(選択可能)/就寝定員2人

軽バンの空間に、質が高く高級感が感じられるインテリアを実現

「ミニチュアクルーズ」のデビューは2011年。ベース車は先代のスズキ・DA64型エブリイで、外部シャワーとしても使えるシャワーヘッド付きのコンパクトシンクを備えるほか、高品質の家具類や寝心地にこだわったリクライニング機構付きのベッドなど、軽キャンピングカーの中でも本格的な装備やクオリティで大きな話題を集めました。

バックドアを開けタープとテーブル&チェアを展開した軽バンコン写真とシックな軽バンコンのフルフラットベッド展開写真

写真は初代モデルで、すでに軽自動車ベースのキャンピングカーとしても洗練されたインテリアを実現。照明やベッドマットなど細部まで作りの良さが認められ人気となった

当時はまだ軽キャンピングカーは「値段が安い」とか「ただ寝るだけ」というようなモデルが多かったなか、快適さに加えてモダンで高級感のある作りが斬新でした。

車内モニターや収納キャビネットを備えた軽キャンパーのインテリア

2代目は初代よりも家具の作り込みがさらにアップしただけでなく、LEDライン照明やモダンなスポットライトなど、装備もブラッシュアップされ軽とは思えないほど

2015年にエブリイがDA64型から現行のDA17型へと進化するのに合わせ、ミニチュアクルーズもモデルチェンジ。「遍路」や「デニム」「コージー」「SV」などの派生モデルも登場。その後、よりリーズナブルな「ミニチュアボックス」シリーズも誕生しました。

対面シートとセンターテーブルが配置された軽バンコンの車内

2人が足を下ろして対面してくつろげるリビングモード

2025年末に15年続くミニチュアクルーズはモデルチェンジを敢行し、モデル名も「ミニチュアクルーズ・ネオ」になりました。コンセプトなどの基本思想は初代から踏襲しつつも、素材や装備をはじめ製造工程など現代に合わせて大きくアップデートされています。

ベース車についてもエブリイだけでなく、ダイハツ・アトレーの選択も可能に。また、乗車定員も4人を基本にしつつ、セカンドシートを片側もしくは両側レスにした乗車定員3人または2人モデルも用意。旅のスタイルに合わせて選べるようになっています。

グレーのシートクッションを敷き詰めた軽キャンピングカーのダイネット空間

リビングはL字ソファへと組み替えることも可能。キャビネット内には車載クーラーも標準装備し夏場も快適

テーブルに料理やワイングラスを並べた車内での食事風景

スウィングアームにより好みの位置にセットできるマルチウェイテーブルが秀逸

今回のフルモデルチェンジでこれまでのベッドモード以外に、足をフロアに付いてくつろげるリビングモードも搭載。さらに、マルチウェイテーブルの利便性の高さなど、今まで以上に大きな進化を遂げています。

それらに加えて、車載クーラーや200Ahリチウムイオンサブバッテリーに1500Wインバーターなど、最新装備も標準で装備。見た目・使い勝手・快適さと三拍子そろったモデルになっています。

小型シンクと蛇口が設置された軽キャンパーのギャレー

洗顔や歯磨き、コップなどを洗うのにちょうどいいシャワーヘッド付きのコンパクトシンクを装備

ミラー付きの開閉式壁面キャビネット

右キャビネットにはプルダウンフリーBOXが備わるが、オプションで写真のように3面鏡に変更も可能

車内全体を広々としたベッド空間にアレンジした軽バンコンの内観

ベッドは長さ1820×幅1240(最小1010)mmを確保し、2人でも就寝しやすいサイズ

■標準装備 
車載用DC12Vクーラー/1500Wインバーター/10L給水タンク/10L排水タンク/シャワー付きフォーセット/200Ahリチウムイオンサブバッテリーなど
■価格
386万7600円〜(エブリイベース)/421万8500円〜(アトレーベース)
岡モータースウェブサイト

バンショップミカミ テントむしS ECパッケージ

ポップアップルーフを展開したベージュカラーの軽トラキャンパー

VANSHOP MIKAMI TENTMUSHI S Type EC Package/全長3390×全幅1470×全高1980mm/乗車定員4人/就寝定員4人

軽トラックをベースにした元祖“軽キャブコン”

トミカのミニカーや漫画などにも登場したりと、軽キャンピングカーの代表的なモデルが「テントむし」。その前身は2001年に発売された「やどかり」。こちらは、軽トラックの荷台にシェルを載せた、いまでいう「トラキャン」のスタイルで誕生しました。

白い軽トラックの荷台にシェルを積載した軽トラキャンパー

25年もの前に誕生した「やどかり」(写真)は、現在のトラキャンと同じ積載物としてのシェルを搭載

発表後に大きな話題を集めましたが、就寝定員が2名なことに加え、2mを超えてしまう全高や車検ごとにシェルの着脱が必要になるなどの課題も浮上。そこで、これらをクリアして新たに誕生したのが「テントむし」でした。

オレンジのアクセントカラーが映えるキャブコンタイプの軽キャンピングカー

初代テントむしのベースはキャリイトラック。エントランスドアの丸窓など、個性的なデザインは今なお引き継がれている

2005年に発表されたテントむしはトラキャンではなくキャブコンスタイル。アルミのサイドパネルに加え、ポップアップルーフを搭載するなど、斬新かつスタイリッシュ。さらに愛嬌のあるデザインでやどかり以上の注目を集めることになりました。

明るいファブリックシートと木製テーブルを備えたキャブコン車内写真とポップアップルーフ内のルーフベッド写真

キュートなルックスだけでなく、ポップアップルーフによる開放的な室内空間など、軽キャブコンとしての地位を確立

現在、デビューからすでに21年を超えたテントむし。ベース車はダイハツのハイゼットトラックで、キャンピングカー装備や材料など、時代とともに絶え間なくブラッシュアップを重ねて進化しています。

現在はセカンドシートにキャンピングカー専用シートの2人掛けFASPシートを採用し、後部のベッドマットと対面リビング展開ができるファミリー仕様向けの「Fタイプ」と、1人掛けFASPシートを搭載した乗車定員3人仕様の「F1タイプ」、ソロやカップル向けの横向きシートを採用した「Sタイプ」の3つのレイアウトを用意。

対面ソファとミニキッチンを備えた軽キャブコンのゆったりした車内インテリア

初代からの良いところは残しつつ、常に進化が感じられるインテリア

また、人気のDC12V車載クーラーやFFヒーターに加え、4枚の100Wソーラーパネル、1000Wインバーター、100Ahリチウムイオンサブバッテリー2個など、電装システムを強化したパッケージオプションである「ECパッケージ」も用意。

ブラウン×ベージュのマットが敷かれた車中泊用ベッド

L字ソファのリビングはベッド展開もでき、長さ1840×幅1100mmを確保

ルーフ内のベッドは長さ1830×幅1100mmで2人が就寝できる

取材車はSタイプのECパッケージで、さらにオプションの強化型電装を搭載した最強モデル。リチウムイオンサブバッテリーが200Ah×2個に2000Wインバーターなどが搭載され、より快適性が高められています。

今後も最新技術を取り入れつつ、軽キャブコンシーンをけん引してくれることでしょう。

蓋付き上開き冷蔵庫とステンレスシンクが並ぶ車内キッチン

カウンターキャビネット内には洗面や調理などに最適な水まわりと18L冷蔵庫を装備

シート下や床下に格納されたサブバッテリーやインバーターなどの電装システム

ECパッケージの強化型電装は100Wソーラーパネル4枚に400Ahリチウムイオンサブバッテリー、2000Wインバーターに加え、車載クーラーとFFヒーターも装備

■標準装備 
10L給排水タンク/200Ahリチウムイオンサブバッテリー/400Wソーラーパネル/車載クーラー/FFヒーター18L冷蔵庫ほか
■価格
545万6000円〜
バンショップミカミウェブサイト

メティオ ラクネル・バンツアー・アトレーver.

テーブルを広げてデイキャンプを楽しむオレンジの軽キャンパー

METIO Rakuneru VAN TOUR ATRAI ver./全長3395×全幅1475×全高1890mm/乗車定員4人/就寝定員2人

家具やベッドフレームにアルミのチャンネル材を採用

1997年創業のメティオはそもそもソフトウェアやシステム開発を行う企業で、2009年4月よりキャンピングカー製造事業をスタート。

システム事業のなかでロボットの開発に携わる際、その筐体にアルミフレームを採用しているのを目にし、軽量かつ剛性の高さをキャンピングカーに応用できないかと考えたそう。

トライ&エラーを繰り返し、理想である「リクライニングシートの上に完全なフルフラットベッドを展開する」ためのシステムを構築できたのが、キャンピングカー製造事業参入のきっかけ。もちろん、同社代表の能見幸平さんがキャンピングカーのヘビーユーザーだったのも参入理由のひとつです。

シルバーのコンパクトミニバン(ベース車両)の斜め前外観写真と2列目以降を倒して専用マットを敷き詰めたフルフラットシート写真

写真は開発1号車のトヨタ・ラウム。ボディに穴開けなどの加工をすることなく、ほぼ全面にベッド展開をすることに成功

キャンピングカーに使用される家具の多くは木製ですが、同社ではそんな概念を覆した独自の3Dのアルミフレーム構造を採用しているのが特徴。

軽キャンパーの車内ラゲッジの写真

2009年のキャンピングカーショーに出展された、軽キャンパー「ラクネル」

開発第1号車はトヨタのラウムがベースでしたが、2009年10月のお台場キャンピングカーショーでエブリイをベースにした軽キャンパー「ラクネル」をリリースするや大きな話題を集め、現在に至っています。

アルミフレームで組まれた高床式のベッドキットと床下収納スペース

アルミチャンネル材なので軽く持ち上げられ、セットも簡単。荷室右後方に電装システムを集約

紹介する「ラクネル・バンツアー・アトレーver.」も、ラクネルシリーズ同様に床から木製家具を立ち上げて作っていくのではなく、アルミフレームをベースに家具を装着していくという独自の手法。その利点は軽量化と強度の両立に加え、精度や量産性の高さにあります。

車内後部に木製カウンターテーブルと収納棚を配置したレイアウト

対面でくつろげるリビングモード。テーブルは荷室右壁面にあるスライド式バーにより設置が可能

フラットなベッドマットを全面に設置した軽バンの後部空間

寝返りを打っても安心のアルミフレーム。ベッドサイズは1950×1200(最大)mmで高身長の人にも安心

実用新案取得済みのアルミチャンネル材を使ったフレームを組み上げ、そこに家具を装備する特殊な架装により、対面リビングやベッドモード、片側のみのベッド展開といった、多彩なシートアレンジを可能にしており、さらにフレームの下を収納スペースとして利用できるようにもなっています。

変形可能なカウンターテーブルとベッドマットの組み合わせレイアウト

バックドア側には脱着式テーブルを搭載し、就寝時などちょっとした荷物置きとしても利用できる

これらフレームはベース車に穴を開けたりする必要もなく装着できる設計。昨今のニーズに合わせ、クーラーパッケージも用意しており、車載クーラーの装着も可能となっています。

車内上部に設置されたオーバーヘッドキャビネット

荷室両サイドには上部キャビネットを配置し、スライドドアとバックドア上部にも収納棚を装備。天井にはLEDライトも備わる

床下や家具に埋め込まれた上開きタイプの小型車載冷蔵庫

荷室左カウンター内には上開き式の18L冷蔵庫を内蔵。スリムで使いやすい

■標準装備 
AGM 100Ahサブバッテリー/18L冷蔵庫/走行充電システム/床・天井断熱ほか
■価格
320万円〜
メティオウェブサイト

3台の軽キャンパーが長年愛され続ける理由

芝生の上に停められたポップアップルーフ付きのベージュ系軽キャンパー

今回は定番中の定番・軽キャンパー3モデルを厳選しましたが、紹介できなかったモデルが数多くあるのも正直なところ。

どのキャンピングカービルダーも部材にはじまり、作り方やこだわりまで大きく異なります。ただ、今回の3モデルはそれぞれの歴史や製造方法、製品性能が、軽キャンパーシーンにおいてビルダー・ユーザー問わず影響を与えたからこそロングセラーとなっています。

今後も、作り手それぞれのこだわりが感じられる軽キャンピングカーが、数多く登場してくるのが楽しみでなりません。

伴 隆之

ばん たかゆき 自動車専門誌の編集者を経て、その後独立。2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。旅やキャンピングカーを中心にライフスタイル誌などに執筆している。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタに加え、日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。現在はキャンピングカー専門誌にて全国のRVパークを紹介する連載も担当中。

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