監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

西日が暑かったので、運転中に助手席の窓にサンシェードを取り付けたら、違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

日差しを遮るため、運転中に助手席の窓にサンシェードを取り付けることは問題ないのでしょうか?

道路を通行するにあたっては、守らなければならない交通ルールがあります。しかし、長く運転しているうちに違反かどうかを気にしなくなってしまうことも。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

海辺をドライブしているとき、ちょうど日が傾く時間になり、助手席側から西日が差し込んできました。夏の西日は強烈です。助手席の家族が日焼けしたくないというので、助手席の窓にだけ内側からサンシェードを取り付けることにしました。海沿いの道路をゆったりドライブするだけで、前方の見通しは良く、運転席側ではないので問題ないかと思いました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:1.運転中の助手席の窓にサンシェードを取り付けるのは、違反

クルマのガラス越しであっても、厳しい夏の日差しは避けたくなるもの。しかし、道路交通法は、運転者の視野を妨げたり、ハンドルなどの操作を妨げたりするものの積載を禁止しています(道交法第55条2項)。
運転席や助手席の窓ガラスにサンシェードを取り付けることは、ドライバーの視界を妨げることになるため、そのまま走行すると違反となって、反則金が6,000円、違反点数1点が科されます。

従って、正解は1 の「運転中の助手席の窓にサンシェードを取り付けるのは、違反 」となります。

自動車が備えるべき性能等について定める保安基準では、窓ガラスの性能も決められており(道路運送車両の保安基準第29条3項)、たとえばカーフィルムを貼った場合だと、車の前面ガラス、運転席・助手席の窓ガラスの可視光線透過率(光を通す割合)が70%以上であることが必要だとされています。

運転席や助手席の窓にサンシェードやカーテンを取り付けたり、透過率70%未満の濃いカーフィルムを貼り付けることは、ドライバーの視野を妨げることになりますから、その状態で自動車を走らせると違反になるのです。

ちなみに、後部座席の窓ガラスにはサンシェードやカーフィルムを取りつけることは禁止されていません。ただし、振り返って後方確認をする際などに、それらがドライバーの視界を一定の割合で妨げることになりますから、後部座席に同乗者がいない場合には、運転中はサンシェードを取り外すことが望ましいでしょう。

サンシェードで日差しを遮ると、ドライバーの視野が妨げられて十分な安全確認ができず、思わぬ交通事故につながる恐れもあります。同乗者には、アームカバーやストールなど、サンシェード以外の日よけ対策をしてもらい、安全運転に協力してもらいましょう。


道路交通法
(乗車又は積載の方法)
第55条
(前略)
2 車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。

道路運送車両の保安基準
(窓ガラス)
第29条
(前略)
3 自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除
く。)は、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示
で定める基準に適合するものでなければならない。
(以下略)

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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