監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

カーナビ代わりにスマホを使用するため、スマホをホルダーで三角窓に固定したら、違反?

あなたの行動、ひょっとしたら違反かも

今回は、カーナビとして使っているスマートフォン(以下「スマホ」)を、視線移動を少なくするためにフロントガラス脇の三角窓に固定する行為が違反にあたるのかどうか、というクイズをお届け。運転歴が長くなると、違反かどうかを気にしないまま運転してしまいがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

スマホのカーナビアプリを運転時に使用しています。画面を見るために視線を大きくずらすのは危険だと思い、フロントガラス脇にある三角窓の部分に吸盤を使ったホルダーでスマホを取り付け、運転しました。
この行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:1. 三角窓にスマホを取り付けて運転したので違反

最近、スマホのナビアプリをカーナビ代わりにしているドライバーも増えているようです。スマホをカーナビとして使用すること自体は違法ではありませんが、取り付け方には注意が必要です。

道路交通法第62条は、車両等の装置の整備に責任がある使用者や運転者に対して、整備不良車両を運転させ、又は運転することを禁止しています。

整備不良かどうかの判断は、道路運送車両の保安基準(以下「保安基準」)で厳しく定められており、自動車の窓ガラスについては保安基準第29条に規定があります。保安基準第29条3項では、前面ガラス(フロントガラス)及び側面ガラス(三角窓や運転席・助手席ガラス)に装着、貼り付け等することが許されるものとして、整備命令標章、検査標章等のほか、「運転者の視野の確保に支障がないものとして告示で定めるもの」、「国土交通大臣又は地方運輸局長が指定したもの」が示されています。

ルームミラーやETCのアンテナ、テレビやラジオなどのアンテナ、ドライブレコーダーなどを前面や側面のガラスに装着、貼り付けることは保安基準の細目を定める告示(リンク参照)で許されていますが(告示第39条)、スマホやそれを取り付けるホルダーは、そこで許されたものに含まれていません。そのため、たとえ前方視界に影響しにくい場所であっても前面や側面のガラスに装着すると整備不良車両となり、そのような状態の自動車を運転することは道交法第62条の違反になるのです。

従って正解は、1の「三角窓にスマホを取り付けて運転したので違反」です。

同様の理由で、初心者マークや高齢者マーク、さらにはお守りやキャラクターをフロントガラスや三角窓などに貼ることも整備不良車両の運転禁止違反に問われますから注意しましょう。

ダッシュボードにスマホ取り付ける場合も、視界に影響がある場合に装着することはできません。また事故の際、エアバッグが展開することでダッシュボードに装着したスマホが凶器になることもあるので注意しましょう。

整備不良とはならない場合であっても、透明な吸盤を取り付けると虫メガネのように太陽の光を一点に集める働きがあり、車内での火災の原因になることがあります。初心者マークなどをリアガラスに吸盤で取り付ける際は、透明な吸盤を使わないようにすることや、太陽光が当たらない場所に設置するなど注意が必要です。


道路交通法
(整備不良車両の運転の禁止)
第62条 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章若しくはこれに基づく命令の規定(同法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第114条第二項の規定による防衛大臣の定め。以下同じ。)又は軌道法第14条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第1項及び第71条の4の2第2項第2号において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。

道路運送車両の保安基準
第29条
(窓ガラス)
(略)
4 前項に規定する窓ガラスには、次に掲げるもの以外のものが装着され、貼り付けられ、塗装され、又は刻印されていてはならない。
一 整備命令標章
一の二 臨時検査合格標章
二 検査標章
二の二 保安基準適合標章(中央点線のところから二つ折りとしたものに限る。)
三 自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)第9条の2第1項(同法第9条の4において準用する場合を含む。)又は第10条の2第1項の保険標章、共済標章又は保険・共済除外標章
四 道路交通法第63条第4項の標章
五 削除
六 前各号に掲げるもののほか、運転者の視野の確保に支障がないものとして告示で定めるもの
七 前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣又は地方運輸局長が指定したもの

  • 2024年3月21日現在

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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