酒気を帯びて自転車に乗ったら、違反?
あなたの行動、ひょっとしたら違反かも酒気を帯びた状態で、自転車に乗る行為は、違反? 自転車に乗る際、違反かどうかを気にしないまま走行していませんか? どこが違反に当たる行為なのかをクイズで再確認しましょう。
自宅から駅まで、通勤に自転車を使用しています。先日の仕事帰り、駅で友人に会い、一緒に夕食をとることになりました。食事だけのつもりでしたがやはり酒を飲みたくなり、ビールを中ジョッキ2杯ほど楽しく飲みました。駅からの道は街灯も明るく、人通りが少ない時間帯で歩行者と接触する可能性も少なく、飲酒はしてもまったく酔っていないと思ったので、自転車に乗って帰宅しました。
この行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?
- 1.自転車であっても、酒気帯び運転をしたので、違反
- 2.酒酔い運転をしていないので、違反ではない
- 3.自転車なので、酒気帯び運転をしても違反ではない
-
答え:1. 自転車であっても、酒気帯び運転をしたので、違反
これまでも、自転車の飲酒運転は、飲酒の程度にかかわらず禁止されていましたが(道交法65条1項)、罰則があるのは「酒酔い運転」のみでした。
酒酔い運転とは、「アルコールの影響によって、正常な運転ができないおそれがある状態 」で運転することですから(道交法117条の2第1項)、その状態になっていないと、自転車には罰則が適用されていなかったのです。
2024年11月1日施行の改正道路交通法は、自転車の酒気帯び運転についても罰則の対象とし、重罰化しました。
改正道交法で設けられた酒気帯び運転の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
酒気帯びとは、通常の状態で身体に保有する程度以上にアルコールを保有していることをいい、政令では「血液1mLにつき0.3mg以上、または呼気1Lにつき0.15mg以上のアルコールを身体に保有する状態」(道交法施行令44条の3)とされています。その状態で運転すると、酒気帯び運転となり、正常な運転ができるかどうかは問題とされません。
ビールの中ジョッキ2杯を飲んだ状態は、通常は酒気帯び状態となっていると考えられます。
従って、正解は1の「自転車であっても、酒気帯び運転をしたので、違反」となります。
自動車やバイクを運転する際は飲酒を控えていても、自転車だとあまり気にしないという人は多いのではないでしょうか? 飲酒は自転車であっても運転に影響を及ぼし、重大な事故を招く可能性が大きく高まります。
飲酒をしたら、自転車を置いて帰る、自転車には乗らずに押して帰るなど、自分で行動を決めておくのもいいでしょう。運転するのが自分ではなくても、一緒に飲酒した人がその後自転車に乗ろうとしたら、やめるよう説得してください。
「飲んだら乗るな」。自転車でも徹底しましょう。
道路交通法
(酒気帯び運転等の禁止)
第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
(以下略)
第117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(中略)
三 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(自転車以外の軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
道路交通法施行令
(アルコールの程度)
第44条の3 法第117条の2の2第1項第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
【応募は終了しました】JAF会員限定! 特別プレゼント
JAF会員の皆様を対象に、単行本『JAFこうつうあんぜんシールえほん』を抽選で3名にプレゼントします。同書は、交差点や踏切、横断歩道など、街で見かける交通場面に、交通標識や自動車のシールを貼って子どもが交通ルールを楽しみながら学べる絵本です。
・プレゼント内容:『JAFこうつうあんぜんシールえほん』
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・プレゼント内容:JAFこうつうあんぜんシールえほん
・応募方法:下記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
※応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募締切:2024年12月9日
シールは貼っても剥がすことが可能です
シールを貼れるまちは3種類
応募期間は終了しました。
PR
「JAFトレ」ことJAF交通安全トレーニングでは、交通安全教育の教材をeラーニング形式で提供します。
従業員の皆様の学習結果を蓄積・管理することで、企業・団体の安全運転管理をお手伝いいたします。
松居英二
まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。