これって違反なの!? 道路交通法クイズ

青信号に変わっても前の車が動かない。そんな時、クラクションを鳴らして発進を促してもいい?

あなたの行動、ひょっとしたら違反かも

2023.10.10

監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

2023.10.10

監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

この記事のキーワード
この記事をシェア

運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にしないまま運転してしまいがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。今回は、青信号に変わっても動かない前方の車に、発進を促すために鳴らすクラクションが違反かどうかのクイズです。

周囲の見通しが利く赤信号の交差点で、前の車に続いて停止しています。信号が青に変わったので発進しようと思ったものの、前の車のドライバーがスマホに気を取られているのか、なかなか発進しようとしません。「警笛鳴らせ」の標識はありませんでしたが、このままでは信号が赤に変わってしまうと思い、前の車に対してクラクション(警音器)を短く鳴らし、発進するよう促しました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:1. 危険を回避する目的以外に警音器を使ったので違反

自動車には保安基準に適合した警音器を設置していなくてはなりませんが、運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならない場合を除き警音器を鳴らすことが禁じられています(道路交通法第54条)。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、鳴らすことができます(同項ただし書き)。

「危険を防止するためやむを得ないとき」とは、現実的、具体的に危険が認められるような状況にあり、危険を防止するためにほかに方法がないときだとされており、たとえば、前方の車を追い越そうとした際に、その車が自車に気づかず進路を変更しようとしたため接触の危険があるとき等がこれにあたります。

設問の、信号が青に変わっても前の車が動き始めない状況は、通常は「危険を防止するためやむを得ないとき」には該当しませんから、警音器を鳴らすことが許される場面にあたりません。
したがって、正解は1の「危険を回避する目的以外に警音器を使ったので違反」となります。

なお、道路交通法では、次の場所に道路標識(警笛鳴らせ)が設置されているときは、「警音器を鳴らさなければならない」(警音器を鳴らす義務がある)と定めています(道路交通法第54条第1項)。

  • 左右の見とおしのきかない交差点
  • 見とおしのきかない道路のまがりかど
  • 見とおしのきかない上り坂の頂上

運転者としては、外部への意思表明の道具として警音器を鳴らしたくなることがありますが、道路交通法違反の可能性があり、時には警音器を鳴らされた側とのトラブルの原因になることもありますから、注意が必要です。


道路交通法
(警音器の使用等)
第54条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles