スクールバスの横を通過…。その時、注意していれば少し減速するだけでいい?
あなたの運転、ひょっとしたら違反かも運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にせずハンドルを握ることも多くなりがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。今回は、駐車しているスクールバスの横を通過する際のクイズです。
朝の住宅街の道路を走行しています。道路の左側には幼稚園があり、ハザードランプを点滅させたスクールバスから、先生の誘導に従って園児が降りています。徐行まではしなかったものの、少し速度を落として周囲に注意しながらスクールバスの横を通過しました。
この行為は以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?
- 1.一時停止して安全確認しなかったので違反。
- 2.徐行して安全確認しなかったので違反。
- 3.速度を落として注意したので、違反にはならない。
-
答え:2 徐行して安全確認しなかったので違反
道路交通法第71条2号の3では、児童や幼児などが乗り降りするために、ハザードランプ(非常点滅表示灯)を点灯して停車しているスクールバス(通学通園バス。専ら小学校等に通う児童、生徒又は幼児の運送を目的とする自動車である旨を表示した自動車)の側方を通過する際は、徐行して安全確認することを義務付けています。
従って2が正解です。
道交法は、スクールバスの側方を通過する自動車に一時停止までは求めていませんが、バスの陰からの思わぬ飛び出しがあるかもしれないので、安全確認をしながら進行し、何かあったら直ちに停止できる「徐行」(道路交通法第2条1項20号)をドライバーに求めているのです。
道路交通法
(運転者の遵守事項)
第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
(中略)
二の三 児童、幼児等の乗降のため、政令で定めるところにより停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること。
道路交通法施行令
(通学通園バス)
第26条の3 法第71条第2号の3の政令で定める自動車は、車両の保安基準に関する規定で定めるところにより、専ら小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第10項に規定する小規模保育事業若しくは同条第12項に規定する事業所内保育事業を行う施設(次項において「小学校等」という。)に通う児童、生徒又は幼児の運送を目的とする自動車である旨を表示しているものをいう。
2 通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない。
停留所に止まった路線バスを追い越す際は、こんなところにも注意!
松居英二
まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。