高齢ドライバーのヒヤリハット

停留所の路線バス

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.05.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.05.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、停留所に止まったバスを追い越す際に注意したい話。見通しが利くSUVに乗っているドライバーには、とくに知っておいてほしい点だ。

SUVのメリットが危険になることも

道幅が狭い、片側1車線の道路で、路線バスの後ろになってしまった。バスが停留所に止まる。停止前にうっかりして、車間距離を空けるのを忘れ、対向車線の様子がわからず、追い越すか待つかで逡巡(しゅんじゅん)していた。

すると、後続の大型SUVが急にスピードを上げ、こちらとバスをいっしょに追い越して行く。チラ見ながらSUVのドライバーは同年輩。あちらはバスとの距離、運転席の高さもあり、対向車線の前方の様子も見渡せたのだろう。かつてSUVに乗っていた身には、見通しのよさは体験済み。

だが、次の瞬間、ブレーキ音とホーンが響いた。バスが発車して進むと、すぐ右側の路地に青ざめて佇(たたず)む電動ママチャリの母子がいた。追い越して行ったSUVと、危なく事故になるところだったらしい。

自分も何度か経験したことがあるが、セダンタイプに比べるとSUVの高い運転席からは前方の視界が広がり、よく見渡せて安全ではあるが、遠くを見過ぎるあまり手前側の注意が疎(おろそ)かになりがちなのだ。とくに咄嗟(とっさ)の目線移動が苦手になっている高齢者は、その点をしっかり頭に入れてSUVなどの運転席に座りたい。

やはり、どんな車を運転していても、道幅が狭く対向車線にはみ出すような追い越しが必要な停留所では、高齢者としてはのんびりとバスの後ろで待つと決めよう。

指をさす男性

狭い道では、止まったバスは無理に追い越さない!

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