車の陰に車ありの教訓
シニア世代の思い込み運転を考える高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、薄暗い駐車場でバックした際、出てきた車を見落とした話。多くの車が止まっている駐車場では、1台出てきたからと安心してバックしてはいけない。
薄暗い駐車場で、黒い車を見落とす
雨模様の日に初めて行った2階建ての狭い駐車場。繁華街にあり満車状態に近い。通路が極端に狭く、1台が通れる幅しかない。入って少し行くと、左の通路奥から車が1台出てきた。
そのままでは出口へ向かう通路を塞ぐ形になるので、少し前に出てやり過ごした。その車の空いたスペースには通路をバックで向かうしかなく、狭いエリアで悪戦苦闘。切り返しを何度もしてバックを始めた。
この駐車場、2階建てながら床材が網目状の簡易なもので、1階であっても雨露が落ちてくる。天気のせいもあり薄暗い。車が出た安心感もあり、後方確認はバックミラーのチラ見程度だった。バックしようとアクセルを少し踏んだとき、後方から「ブォン!」と大きなホーン。「エッ!」と驚いてバックミラーを見ると、そこには黒い小型車がいた。こちらが切り返しをしている間に、別のスペースからもう1台車が出てきていたらしい。
1台が出たことで、もう1台出てくるとは思いもしなかった。老いの思い込みと言われても仕方がないが、間が悪いでは済まされない危うさではあった。やはり、バック時はどんな場合でも、何もないと思い込まず、しっかり確認することを今後の教訓とした。
- 運転をあきらめないワンポイント
駐車場では、続けて出てくる車があるので注意。
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