文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

ライトとライトが重なる偶然

シニア世代の思い込み運転を考える

高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、右折してきた二輪車のライトに目を奪われ、自転車を見落としそうになった話。夜間の自転車はとくに見えづらいので、一点注視でなく、より広い視野での運転が重要だ。

前を横切るライトに目を奪われる!

夜間の運転で、右折してくる二輪車と横断歩道を渡ってくる自転車のヘッドライトが重なる偶然の危険を体験した。信号のある交差点で左折時、対向車線の二輪車が強引に割り込むように右折してきた。一瞬、目の前を右から左に横切るヘッドライトの光に、目を奪われる。

次の瞬間、その流れるライトの軌跡に重なるようにライトを点けた自転車が出現。横断歩道をこちらに向かって走って来る。二輪車のライトを目で追いかけ過ぎ、「ハッ!」としてブレーキを踏む。優先すべき横断歩道への注意が散漫になっていた。

高齢になると、個人差はあるが視界が狭まり、動体視力、夜間視力も衰えるといわれる。そうした基本的な視機能だけでなく、今回のように動くライトなど、何かにいったん目を奪われると、それを見続けてしまうことが多くなっているように思う。目を奪われる光の動きにも惑わされず、全体視野の意識をしっかり持ち続けていたい。

指をさす男性

ライトの動きに惑わされず、広い視野を!

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