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白バイ隊員が教える! うっかりやりがち交通違反クイズ【前編】

Part.1 その運転、実は違反かも!? 3択クイズ

2022.07.01

監修=埼玉県警察本部交通部交通総務課安全対策係/文=八百山ゆーすけ/イラスト=田中 斉

2022.07.01

監修=埼玉県警察本部交通部交通総務課安全対策係/文=八百山ゆーすけ/イラスト=田中 斉

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あなたのその運転、実は交通違反ではありませんか? Part.1では、埼玉県警の元白バイ隊員に聞いたあるある違反を3択クイズでご紹介します。

ドライバーが守らなければならない交通ルールは、車両の準備から運転中の注意事項まで、全132条にものぼる道路交通法で定められています。しかし、その詳細をきっちり読みこなし、理解している人はほぼいないのではないでしょうか。交通違反といえば、スピード違反や駐車違反といったわかりやすい違反が思い浮かびますが、実はドライバーが見落としがちで検挙が多い違反というものがあるんです。埼玉県警の元白バイ隊員のみなさんに聞いた“うっかりやりがち”な交通違反クイズに答えて、しっかりおさらいしましょう!

Part.1 3択クイズ! あなたの運転、違反かも…!?

クイズ問題を読んで、以下の3つの答えの中から該当する違反名を選びましょう。

【Q1】
横断歩道の手前に歩行者がいましたが、渡ろうとしているのかわからなかったので、そのまま通り過ぎました。

横断歩道で手を挙げて渡ろうとしている歩行者と車

【Q1】
答2:横断歩行者等妨害等

横断歩道を横断する、もしくは横断しようとしている人がいる場合は一時停止し、通行を妨げないようにしなければなりません。さらに、横断歩道の手前にクルマが停まっていて、その側方を通過して前に出るときには、人の有無にかかわらず一時停止しなければなりません(※1)。一時停止せずに通過すると、クルマの陰に隠れた歩行者を見落としてしまうこともあり、大変危険です。横断歩行者等妨害等違反は頻繁に発生しているため、埼玉県警は横断歩行者の事故撲滅を目指して取り締まりを強化しています。

※1 横断歩行者等妨害等(第38条第1項、第2項)

【Q2】
道路の端にクルマを停めてスマートフォンを手に持って通話中、後ろからトラックが来たので、電話を切らずに慌てて自車をさらに左へ寄せました。

携帯で通話したまま車を発進する人

【Q2】
答3:携帯電話使用等(保持)

運転中にスマートフォンや携帯電話を手に持って通話したり、カーナビやテレビの画面を注視することが禁止されている(※2)のはご存じの通り。2019年12月からは罰則もさらに厳しくなっています。それでも運転中に通話したり画面を見ながらアプリを操作したりするといった行為は、ついついやってしまいがち。また、ちゃんとクルマが止まっている状態で電話や操作をしていても、会話や操作の終了間際に、うっかり発進しながら通話や操作を続けてしまうことも多いようです。

※2 携帯電話使用等(保持)(第71条第5号の5)

【Q3】
片側3車線の高速道路で郊外へ。一番右の車線は空いていて快適なのでそのまま走り続けました。

右側の追い越し車線を走り続ける車

【Q3】
答2:通行帯違反

高速道路など車両通行帯のもうけられた道路の右側車線は「追い越し車線」と呼ばれ、追い越しをするために通行することが認められた通行帯です。そのため、追い越し車線をそのまま走り続けるのは通行帯違反(※3)となります。休日の高速道路では右寄りの車線のほうが速く走れるイメージから、追い越し車線を走り続けるクルマが多く見られますが、これは通行帯違反。3車線以上の場合、速度に応じて一番右側以外の車線を走ることができるとされているので、左から遅い順に走りましょう。

※3 通行帯違反(第20条)

【Q4】
バス停に停まっている路線バスが右ウインカーを点滅させて発進しようとしていましたが、そのままバスを追い越しました。

バスの発進を妨げて行こうとする車

【Q4】
答3:乗合自動車発進妨害

停留所で乗客が乗り降りするために停車していた乗合自動車(路線バス)が、発進するためにウインカーを点滅させているときには、その発進を妨げてはいけません(※4)。「バスが前に入ると流れが遅くなるから」と、ついついバスより前に出たくなるものですが、バスは公共交通機関という位置づけがあり、定時運行のためにも優先して発進させることが求められています。

※4 乗合自動車発進妨害(第31条の2)

【Q5】
交差点で対向車が左折しようとしていましたが、自分は片側2車線の右側へ進むのでそのまま右折しました。

交差点右折時に優先無視してぶつかりそうな車

【Q5】
答1:交差点優先車妨害

交差点で右折する場合には、直進または左折しようとする対向車の進路を妨げてはいけません(※5)。たとえ右折した先が2車線あっても、必ずしも左折しようとする対向車が左側の車線に入るとは限りません。また、言うまでもありませんが交差点では対向の直進車のほうが優先です。特にバイクが直進してくる場合に、まだ遠くにいると思って右折したところ、バイクのスピードが思いのほか速く、衝突してしまう事故が多いので注意しましょう。

※5 交差点優先車妨害(第37条)

【Q6】
住宅街の狭い道路を走っていると、左側に歩行者がいましたが、対向車が来たためすれ違おうと速度を落とさずに、歩行者の横ギリギリを通り過ぎました。

歩行者のそばすれすれを走行する車

【Q6】
答2:歩行者側方安全間隔不保持等

歩道と車道が区別されていない道路で、歩行者の横を通過するときには、安全な間隔を保つか、または徐行しなければなりません(※6)。歩行者にとって、ギリギリの間隔を勢いよく通り過ぎるクルマはとても怖いものです。また、ドライバーの立場からも歩行者はどういう動きをするか予測ができないだけに、安全な距離をとることは大事なことです。

※6 歩行者側方安全間隔不保持等(第18条第2項)

【Q7】
道路の右側にようやくコンビニを見つけました。対向車がいないことを確認し、右折してコンビニの駐車場に入りました。

車両横断禁止標識を見落としコンビニに入ろうとする車

【Q7】
答1:指定横断等禁止違反

この標識は「車両横断禁止」で、この標識が示す区間では、道路外の施設または場所に入るために道路を横断することは禁止されています(※7)。
交通量の多い幹線道路などに多く設置されているので、反対車線を横断してコンビニ等に入るのはとても危険。また、この標識が示す区間の道路では、駐車場からまっすぐ道路の反対側の駐車場に横断することや、駐車場やわき道から道路を横断する形で右折して道路に入ることも禁じられています。

※7 指定横断等禁止違反(第25条の2)

【Q8】
高速道路で後ろにいたクルマが右側から追い越しをしようとしていたため、自車の速度が遅いと思い加速しました。

高速道路で追い越しを妨げる車

【Q8】
答3:追い付かれた車両の義務違反

自車より速度が速い後続車に追い越される場合には、その後続車の追い越しが終わるまで速度を増してはならない、というルール(※8)があります。自車がスピードを上げると、追い抜こうとしているクルマがいつまでも自車の前に入ることができず、追い越しが終わらないからです。

※8 追い付かれた車両の義務違反(第27条)

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うっかりやりがち交通違反クイズ【後編】のPart.2、Part.3はこちら

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