文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

何でもない日常運転にもリスクは潜む

シニア世代の思い込み運転を考える

高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、自動車専用道路の左車線を走っていたところ、車線が塞がったうえ、右にも車線変更できず出口で降りてしまった話。前に大型車が続いていると、前方の様子がつかめないので注意が必要だ。

車線が塞がれ、出口で降ろされる!

自動車専用道路の流入路に入る。前にはコンクリートミキサー車が3台連なって走っていた。後続車も車間が詰まり気味なので、なんとも窮屈だ。この流入路、そのまま本線の左車線となるので走り続けられるが、見通しが悪いので、本線と合流して車線が増えたところで追い越すと決めていた。

すると本線との合流部では間が悪く、トラックが3、4台連なるコンボイ状態で走っていて、右に出られず、息苦しい走りが続く。ミキサー車とトラックが車速を合わせるようなスピードで走っていたため、ずーっと右に出られない状態を強いられる。しばらくすると出口への分岐点があり、前のミキサー車が左にウインカーを出した。そちらへ向かうようだ。

よし、見通しが良くなると思ったら、分岐点の先ではこちらが走っている車線が塞がれ、赤い発炎筒が置かれ、緊急の赤い点滅ライトも見える。「エッ! そんなー」である。右は相変わらずトラックに塞がれ、時速80kmほど。どんどん決断の時が迫る。強引に右に割り込むかと、一瞬、頭をよぎったが、リスクが大きすぎるほど、右車線のトラックは強固なコンボイを続けていた。

結局、諦めてミキサー車に続いて出口に向かい、緊張感から解放された。こちらが危険な運転をしたわけでもない日常の運転ながら、突然、緊張感あふれる場面に追い込まれていく怖さ、運転するという行為の重さを今さらながら思い知らされた。

指をさす男性

見通しを悪くする大型車とは、できるだけ離れて走る。

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