年齢差なのか、予測不能な子供の動き
シニア世代の思い込み運転を考える高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、子供の動きが予測できずヒヤッとした話。子供との年齢差が大きい高齢者は特に、子供の感覚が理解できない可能性があるので注意したい。
止まった自転車の子供をよけようとしたら…
商店街から続く道を未就学の男の子が自転車で正面からやってきた。両親の自転車もいたが、保護者の距離ではなかった。子供は何かに惹(ひ)かれ、突然、道の真ん中で止まった。こちらは停止するよりなかったが、待つ時間を長く感じ、前に少し進もうとした。その時、子供はこちらを見ながら車の直前を横切り左端に寄ったのだ。思わぬ動きに慌てる。
正直、子供の動きは予測不能だ。あとで冷静に考えれば、子供の目線の低さを思えば、こちら(運転者)を見たわけではなく、車が近づいたのでよけただけだったということか。
こちらからは子供の目が見えても彼らは運転者の顔など見てはおらず、思いが伝わるはずもない。70近い年の差の目線と動きを理解する難しさ、路上にもあった。
子供の目線の低さといえば、この原稿を書いている3月初旬に、緊急走行中の救急車が対向車線の車列から飛び出してきた女の子をはねて、ケガを負わせたというニュースがあった(下記参照)。この事故で、かつて『JAF MATE』誌で紹介した、子供の飛び出しについてのスウェーデンの交通安全キャンペーンのポスターを思い出した。子供と大人の目の高さを比較する写真を通して、道路脇に駐車する乗用車のボンネットの高さであっても、子供には走行車線を通過する車がまったく見えていないと訴えるものだった。生活道路などで駐車車両の脇を通過するとき、咄嗟(とっさ)のブレーキ力が弱くなっている高齢ドライバーとしては、常に頭に入れておきたい“子供の目の高さ”である。
- 運転をあきらめないワンポイント
子供は目の高さも違うので、動きも想定外。
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