学科試験予備校のキービジュアル
問題制作・監修=長 信一/イラスト=若林 夏

雪道ではスタッドレスタイヤかスパイクタイヤを使用する?

クルマの冬支度について、初心者もベテランも、学科試験問題で学び直し!
長 信一

今回の学科試験予備校の出題テーマは、「クルマの冬支度」について。雪道で使用するタイヤや、濡れた路面の制動距離、冬の高速道路の走り方など、きちんと覚えていますか? ここで出題される学科試験の〇×クイズで、安全運転に必要な知識をブラッシュアップしましょう。

目次

今回の学科試験クイズは、「クルマの冬支度」について5問を出題

この学科試験予備校で出題される試験問題は、自動車運転免許研究所の長 信一先生が実際の学科試験問題と同様の基準に従って独自に制作したものです。

参考=「交通の方法に関する教則」

問題1: 寒い冬、凍結のおそれがあったが、道路が汚れていたので水をまいて掃除した。

正解 ✕

凍り付くおそれがあるときは、道路に水をまいてはいけません。

問題2: 溶けた雪などで路面が濡れていて、かつタイヤがすり減っている場合の停止距離は、乾燥した路面でタイヤの状態がいい場合に比べて2倍程度に延びることがある。

正解 〇

設問のような場合の停止距離は、乾燥した路面でタイヤの状態がいい場合に比べて2倍程度に延びることがあります。

問題3: 雪の降り始めにワイパーを使って油膜などで前面ガラスが見にくくなったときは、ウォッシャー液などを使ってきれいにする。

正解 〇

ワイパーはゴムの状態を確認しておき、ウォッシャー液の残量も確認しておきましょう。

問題4: 雪道や凍り付いた道は大変滑りやすく危険なので、タイヤにチェーンなどの滑り止め装置を付けるか、スパイクタイヤを使用する。

正解 ✕

スパイクタイヤは、路面の損傷や粉じんの発生の原因となるので原則として使用が禁止されています。タイヤチェーンを装着するかスタッドレスタイヤを使用しましょう。

問題5: 降雪時の高速道路では、路面がとても滑りやすく視界も悪くなるので、最低速度や最高速度にとらわれず安全な速度で走行する。

正解 〇

降雪時の高速道路では、路面がとても滑りやすく視界も悪くなるので、高速での走行は避けて安全な速度で走行しましょう。

【長先生の解説コラム】雪道や凍結路では早めの備えあれば憂いなし

今年も寒い冬がやってきます。服装や寝具などは、皆さんも早い時期から準備していると思いますが、クルマも冬に向けて対策が必要になります。最も代表的なのは、スタッドレスタイヤへの交換やタイヤチェーンの準備などがあります。滑りやすい雪道や凍結路を運転するのは、夏用タイヤでは危険ですので、早めに準備を進めておくとよいでしょう。

このほか、交通の方法に関する教則では、冬期における交通ルールや注意すべきことが多く説明されています。これらをまとめて紹介しますので、冬ドライブの注意点を再確認してみましょう。

【道路でしてはいけないことなど】
・凍り付くおそれのあるときに水をまくこと。

【自動車に働く自然の力と速度の影響】
・制動距離、遠心力、衝撃力などは、いずれも速度の2乗に比例して大きくなります。速度が2倍になれば、制動距離、カーブでクルマの横滑りや転倒をさせようとする力、交通事故の大きさに関係する衝撃力は、2倍ではなく4倍になります。

【停止距離と車間距離】
・路面が濡れ、タイヤがすり減っている場合の停止距離は、乾燥した路面でタイヤの状態がいい場合に比べて2倍程度に延びることがあります。
・天候、路面やタイヤの状態、荷物の重さなどを考えに入れ、前のクルマが急に止まっても、これに追突しないような安全な車間距離をとらなければなりません。特に、大型自動車、中型自動車及び準中型自動車は、普通自動車に比べ運転席の位置が高く見下ろす形になり、前のクルマとの距離が実際よりも長く感じられるため、車間距離が短くなりやすいので注意しましょう。

【雨の日の運転】
・ワイパーは常に整備しておきましょう。雪の降り始めにワイパーを使って、油膜などで前面ガラスが見にくくなったときは、洗浄液できれいにしましょう。また、冬期はガラスの内側が曇ることが多いので、デフロスターを使ったり、側面ガラスを開けるなどして、曇りを防ぎましょう。

【雪道などの運転】
・雪道や凍り付いた道は大変滑りやすく危険です。タイヤにタイヤチェーンなどの滑り止め装置を付けるか、スノータイヤ、スタッドレスタイヤなどの雪道用タイヤを装着しましょう。ただし、標識によってタイヤチェーンを付けていないクルマの通行が禁止されている道路では、タイヤにタイヤチェーンを付けないで通行してはいけません。

タイヤチェーンを装着する様子

・速度を十分落とし、車間距離を十分とって運転しましょう。横滑りを起こすことが多いので、ハンドルやブレーキの操作は特に慎重にしましょう。急発進、急ブレーキ、急ハンドルは絶対にやめましょう。
・できるだけクルマの通った跡を選んで走るようにしましょう。
・スパイクタイヤは、指定地域内の雪道や凍り付いた道以外の道では、路面の損傷や粉じんの発生の原因となるので、使用できません。

【吹雪などのときの運転】
・吹雪や霧などの状況では、視界が極めて狭くなります。フォグランプ(淡黄色などの補助前照灯)があるときはそれを、ないときは早めに前照灯をつけましょう。センターラインやガードレール、前のクルマのテールランプを目安にし、速度を落として運転しましょう。

降雪時にフォグランプを点けて走るクルマ

【高速道路での走行速度】
・雪や雨、霧など悪天候下での高速走行は特に危険です。スリップを起こしたり、タイヤが浮いて、ハンドルやブレーキが利かなくなることがあります(ハイドロプレーニング現象)。また雪の日は路面が滑りやすく、視界も悪くなるので、高速での走行は避けましょう。

【難問】前回のオンライン試験で多くのベテランドライバーが間違えた問題をおさらい

2025年11月のオンライン試験結果は、平均点63点となりました。出題された5問中、特に正答率の低かった問題はこちら。

二輪車を運転中、エンジンの回転数が上がって下がらなくなったときは、ギアをニュートラルにして車輪にエンジンの力が伝わらないようにしながら、路肩など安全な場所に行き、停止した後にエンジンスイッチを切る。(正答率12%)

正解 ✕

二輪車の場合は、まず最初に点火スイッチを切ってエンジンの回転を止めることが大切です。 その後、路肩など安全な場所に行って停止します。

【3分チャレンジ!】出題テーマの別問題をオンライン形式で受験できます

今回の学科試験出題テーマの「クルマの冬支度」について、オンライン(Googleフォーム)で追加の問題を5問用意しました。
制限時間は3分が目安で、正解は解答後すぐに表示されます。もっと学科試験にチャレンジしたい! という方は、ぜひ下記「オンライン試験はこちら」から受験してください。

  • Googleフォームが開きます

長 信一

ちょう・しんいち 1962年生まれ。1983年、都内の自動車教習所に入社し、学科や実技の指導員に。24歳のとき、全種類の運転免許証を完全取得。教習生への親身な指導をモットーに普通免許、自動二輪免許、第二種免許など数多くの合格者を送り出した。現在は自動車運転免許研究所の所長として運転免許関連の書籍を執筆。その数、実に200冊以上。

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