カーブが連続する道、 同乗者が酔うのは運転のせい? ハンドル操作を要チェック!
丁寧なハンドル操作のコツを動画で解説
「スムースドライビング」について、動画でお伝えする運転レッスン。今回のテーマは「カーブが連続する道で、同乗者が車酔いしてしまう」というお悩みです。山道や高速道路のランプウェイなどでカーブが連続した際に、後部座席の同乗者や子供が酔ってしまった……という経験がある方、対策について学んでいきましょう。講師はモータージャーナリストの菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。
同乗者が酔うのは体質のせいではない?
原因はアナタの「ハンドル操作」かも!
山道や高速道路のランプウェイなど、見通しが悪くカーブが連続する道で「切りすぎてしまってから切り戻す」、「ハンドルを切る量が足りず慌てて切り足す」などの荒いハンドル操作を行うと、車体が安定せず、同乗者が予期できない無駄な車の揺れ(左右のロール)が発生するため、同乗者の酔いを引き起こす原因になります。
土屋さんの不安定なハンドル操作で、手に持ったコーヒーがこぼれないようにする菰田先生。
カーブが連続する場合、大切になるのが「丁寧なハンドル操作」と「視線」です。カーブの手前で安全に曲がれるスピードまでしっかりと減速し、視野を広く持ってゆっくり切る丁寧なハンドル操作を行うと、カーブでも無駄な揺れが少ない、安定した状態で走行することが可能になります。詳しく解説していきましょう。
連続カーブでのハンドリングを動画で解説
ハンドルの「遊び」を取って「じっくり」操作。これで車体のロールが軽減!
まずはカーブに進入する前の段階で、アリさんブレーキのように、軽くじわっと踏んでしっかりと丁寧に減速することが大原則。そして、いつもハンドルを切り始めるタイミングより少し早く、「ハンドルの遊び」を取る程度にわずかにハンドルを切ってみましょう。その後、丁寧に「じっくり」と必要な分だけハンドルを切り足していくことで、車体の揺れが軽減されていることを感じられるはずです。また、この小さな「遊びを取る」予備動作を入れることで、同乗者の体がカーブに備えることができるようになり、車酔いを防ぐことにつながります。
カーブ中の視点が近いと、目先の道路状況に左右されてハンドル操作が細かくなりがち。目線はカーブの頂点へ向けましょう。視野を広くすることで、こちらもゆとりのあるハンドル操作につながります。
カーブの終わりが見えてきたら、ハンドルを戻す際も焦らずじっくり、しっかりと。常に丁寧な操作を心がけることが、安定したスムースドライビングにつながります。ぜひ実践してみてください。
- ※この企画で紹介しているのは、菰田潔さんの運転メソッドです。JAFの見解とは異なる場合があります。
JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなど情報を提供しています。ぜひご覧ください。

菰田 潔
こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。
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