詰めすぎると「あおり」に⁉ 高速道路での車間距離はこう測る!
空けすぎない、詰めすぎないがポイント「スムースドライビング」について、動画でお伝えする運転レッスン。今回のテーマは「高速道路を走行する際の車間距離」です。広めに距離を取っていると、急に隣車線から割り込まれてしまったり、逆に近すぎると「あおっていると思われているかも……?」と不安になることも。今回のテーマは車間距離について。講師はモータージャーナリストの菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。
ハイスピードな高速道路は
安全な車間距離維持も難度高め?
今回は、「高速道路でのちょうどいい車間距離がわからない……」というお悩みについて。もちろん、道路が混雑していない場合は車間距離が広くても問題ありません。しかし、多くの車が走行している場合の高速道路では、適切な車間距離をつかむのが難しいと感じる方が多いようです。
11月に公開した運転レッスン「高速道路の合流は命懸け? 安心して合流できるコツを徹底解説」 でもお話ししましたが、時速50kmで走行していると1秒間に約14m進むのに対し、時速100kmでは倍の約28m進む計算に。そのため、高速道路の走行に慣れていない方は「正しい車間距離」を取ることに悩んでしまうようです。高速道路でも一般道路でも共通の、適切な車間距離の目安について学びましょう。
適切な車間距離を取る方法を動画で解説
ポイントは「ゼロ、イチ、ニ」!
大切なのは車間を秒数で測ること
適切な車間距離の取り方、測り方はいくつか方法がありますが、国際的にも主流で、私も推奨する適切な車間距離の測り方は「秒数」で判断する方法。目印は標識や道路の継ぎ目等、なんでもOK。前の車がその目印を通過した地点からゆっくり「ゼロ・イチ・ニ」と数え、「ニ」のタイミングで自分の車がそこを通過する、というやり方です。
「2秒間」の車間距離を空ける理由は、先行車がブレーキを踏んだ場合「反応するまでに1秒」かかり(空走距離)、「回避操作をするのに1秒」使う、という考え方です。これは、どんな速度域でも変わらないので、一般道でも目安とすることができます。また、運転中は先行車のみを注視するのではなく、2台先を走る車辺りまで広く視界に入れておくと、突発的なできごとでも余裕を持って対処できるでしょう。
前を走行する車との距離感に不安を覚え「広い分には問題ないでしょ?」と車間距離を必要以上に広く取ると、混んでいない場合には問題なくとも、車が増えてくると隣の車線から割り込まれてしまい、かえって自分のペースでの走行を妨げられてしまう……なんてことも。また、混んでいる道路の場合、車体の全長を無視して考えた場合、車間距離が2秒から4秒になると一定区間を通行できる車の量が半分となるため、計算上は渋滞の原因になることも考えられます。一方で、車間距離が1秒以下となると、前を走行している車が「あおられている」と感じるようです。適切な車間距離の取り方をマスターし、周囲への気遣いのある運転を心がけましょう。
- ※この企画で紹介しているのは、菰田潔さんの運転メソッドです。JAFの見解とは異なる場合があります。
JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなど情報を提供しています。ぜひご覧ください。
菰田 潔
こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。