文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

券売機の前で行先を決める新幹線ガチャで導かれ、新潟県長岡へ!!

地元の海産物を堪能し、夕日に照らされ癒やされた一日
ヒャダイン

ども。新連載始まりました。テーマは適当旅。私ヒャダイン、旅行が趣味なのですがバッチリ旅程を決めることが少なく、目的地すらその場で変更するほどの適当旅が好きなんです。この連載ではそんな適当旅の魅力をご紹介させていただきます。

新幹線ガチャ長岡編 包丁と昼寝と

まずは新幹線ガチャのお話から。一日いきなり休みになったんです。これは旅行行くしかないと思い立ったものの特段行きたいところがない。そういうときはとりあえず東京駅! 行けばわかるさ何事も。新幹線の券売機の前に立ってパッと目についた駅を無思考で押す! そして買う。これぞ新幹線ガチャ。今回は長岡に決定! なんか桃鉄の目的地発表みたいです。ももたろ社長、新幹線カードで長岡へ行ってらっしゃい。

午前10時に着いた長岡駅。知らない街にわくわくしながら駅ナカのパン屋カフェで遅めの朝食を取ったらレンタカー店に直行です。一番安い車を借りていざ出発、なんですが長岡に帰ってくるのもシャクなんで新潟駅で乗り捨てることに。そこらへんの計画性はあるのです。さてどこに行こう。レンタカー店で店員さんに聞くと寺泊(てらどまり)という漁港に「魚のアメ横」がある、と。魚介に目がない私が行かないわけないじゃないか。10月の新潟。少し風が冷たい中、車は日本海へと向かいます。カーステレオで必ずかけるのはパット・メセニー・グループの“Last Train Home”、『ジョジョの奇妙な冒険』のED曲にもなった同曲は旅情を感じさせてくれます。ヒャダインすっかり花京院きぶん。

約40分で着きました「魚のアメ横」。なるほど、道にズラーッと浜焼き店やお土産屋が並んでいます。店員の掛け声もアメ横顔負けの声量です。まあいい匂いがするわけですよ。牡蠣(かき)や焼きイカ、そして汁物の匂いが食欲を刺激していろいろ買いますよね、ええ。

焼きたての牡蠣

ムチムチの焼きイカ

蟹の旨みがたっぷり出ている番屋汁

番屋汁という寺泊名物のお汁がおいしいんですよ! 魚介の味がしっかり出ていて一人でニマニマしてしまいます。これが一杯200円だなんてニッポンサイコー。

しっかり食べて休憩してお土産でも買おうと散策していると越後刃物屋という店を発見。そうか、燕(つばめ)三条が近いから刃物も有名なんだな、と入店したらご年配の女性が接客してくれました。ちょうど今使っているドンキで買った包丁の切れが悪くなっていたので、ここは少しいいものでも買おうかと相談したら、「これが一番売れ筋ですよ。先が鋼になっていて、研がなくても切れ味保てるんです」と1万円強の包丁をおすすめされホイホイと購入。え、俺、旅行に来て包丁買ってる。そんなつもりサラサラなかったのに。これぞ適当旅の醍醐味(だいごみ)。思ってもないことが起きるのが楽しいんですよね。そしてこの時買った包丁が大当たりでして、いまだに愛用しております。トマトもスルリと切れるし錆(さ)びたりなまったりしない良品でした。

その後とりあえず新潟に向かって車を走らせます。新潟へ向かう日本海沿いの道は夕焼けの時間は特に気持ちいい、と友人から聞いていたので時間調整のためいろいろ寄り道したいなあ、なんて考えていたら、むむ。でっかいタワー発見! なんじゃこりゃ。タワーに車両がついていて上に昇るやつだ。こりゃ行くっきゃないねと乗り込むとそこは昭和レトロ! 100億点あげたい内装です。「クライミングカー」に乗って山上に行くと広がる町並み。秋風が気持ちいいです。まあ、クライミングカーに乗ることがもはやメインイベントだったのでさっさと退散。

再び車を走らせます。まだ夕焼けの時刻まで時間があるのでどうしようかなあなんて思っていたら、展望台公園を発見。こりゃいいやと車を停(と)めてベンチへと。気持ちいいなあ、なんて思っていたら急に眠気が。誰もいないしいいかな、とゴロン。日本海の風に吹かれながらお昼寝です。治安国家日本。溶けるように眠りにつく気持ちよさは筆舌に尽くし難い。ハッと目覚めると1時間ほど寝ていたようです。そろそろ夕暮れ時。お待ちかねの日本海の夕焼けを感じながらドライブを続けるとビーチ発見。地平線に沈む夕日を体育座りでずっと眺めていました。天気にも恵まれていたこともあり、後にも先にもこんな美しい夕焼けを見たのはここだけだと感じています。

その後、真っ暗になった道をそそくさと車走らせて新潟駅に到着。車をお返ししたら地元の郷土料理店に入りました。納豆が入った栃尾揚げやのっぺ、そして米どころならではの日本酒に舌鼓を打ち新幹線に乗って23時頃東京の自宅に戻りました。なんと幸せな一日だったことでしょうか。

いかがでしたでしょうか、適当旅。適当の割にはいろんな場所に出会えるものです。あと好きなときに昼寝できちゃうのも適当旅ならでは。そして今日もあの時出会った包丁で料理をし、楽しく食事をしています。ほぼほぼ誰とも喋(しゃべ)らなかったけどとても楽しい旅でございました。次回は友人と行った宮古島の適当旅を執筆する予定です。お楽しみに。

ヒャダイン

音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。

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