ヒャダイン伊根のイラスト
文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

「日本のベネチア」で名物ナマコ丼に感激! いいね! イイネ! 伊根!

天橋立、伊根の舟屋、日本の景勝地を訪ねてみた
ヒャダイン

まだ見ぬ日本の素敵なスポットを思い付きで訪ね歩くヒャダインさん。今回は「日本のベネチア」とも呼ばれる京都府北部の歴史ある街、伊根(いね)を訪れました。

目次

日本のベネチア、伊根ってどこ?

「日本の◯◯」ていう表現、あんまり好きじゃなかったんですよね。本家があってそれの模造品みたいな感じがして。「日本アルプス」も「新宿タイムズスクエア」も、うーん、という感じだったのですが、今回その感覚が覆ったお話です。関西に住む友人が「京都に日本のベネチアと呼ばれる美しい地区がある」というのでそれは行って見て判断してやろうじゃないか。車は友達の自家用車があるので私は宿担当、なんと舟屋(ふなや)付きの一軒家を借りることができウキウキで出発です。

しかしやはり適当旅の手癖は抜けず、まっすぐ伊根には向かわず近くにある天橋立(あまのはしだて)へ。小さい頃に行ったきりなので30年ぶりくらいの来訪です。リフトに乗って見晴らしの良い高台へ。こんなに開発されてるのね。なんか小奇麗な施設と楽しそうな人たちがワサワサです。あー、こんなにキレイだったんだな。大人になったほうが楽しいコンテンツってたくさんありますよね。

天橋立にて

股のぞきしました。ほとばしる運動音痴

さてメインはまだ先、足早に伊根町へと向かいます。京都の日本海側ってこんな感じなんだー、なんて思っていたらどんどん風景が変わっていく。なんか独特だぞ。グニッと曲がった伊根湾と、そこに連なる舟屋たち。ああ、なんかどこかで見たことあるぞ。そうだ! NHK連続テレビ小説『ええにょぼ』だ! 戸田菜穂だ! 何年前だよおい。そんなことを独りで噛み締めながら宿に到着です。うわ、なんだこれ。最高じゃないか。一軒家をリノベーションしていて大変におしゃれです。初夏だったんですが冷房なくても涼しい。日本家屋って素晴らしいですね。

伊根の旅館の部屋にて

居間が本当に素晴らしかった

舟屋のおしゃれ空間にテンション爆上がり

そして荷物を置いて早速舟屋へ。舟屋とは海面すれすれに建てられた、舟を海から引き上げて風雨や虫から守る施設のこと。一帯の舟屋はまだまだ現役で漁師の方々が漁に出ていたり観光船を出していたりさまざまですが、我々の舟屋は舟はなく、チルアウトスペースとして活用されていました。それがもうおしゃれでおしゃれで。

宿泊した舟屋の部屋で

おしゃれなカフェのよう

これは大変だ。このスペースは絶対お酒との相性がいい! 酒飲みの我々のなんとも残念な思考回路、観光そっちのけで酒屋さんを検索、徒歩30分にある地酒店へと早歩きです。欲望に忠実ってある意味いいもんですね。何本か地酒を購入して汗だくで帰還、寝巻き用に持ってきていた半パンで昼間っから日本酒祭りであります。

海を見ながら酒を飲むヒャダインさん

絶景は最高の肴(さかな)です

3️軒隣、漁から帰ってきたおじさんが舟屋で魚をさばいてなめろうを作る様子を眺めたり、観光船で釣りをしている人たちが何を釣っているのかをただ観測したり、隣にやってきた地元のおじいさんと会話(方言が強くて8割わからなかった)してみたり。常に変わりゆく空と海をただ眺めながらお酒を飲む、なんて贅沢なことなんでしょう。どんなリゾートにも負けない芳醇(ほうじゅん)で濃厚なゆったり時間でした。

海を背景に記念撮影

まあ写真たくさん撮りますわな

伊根グルメは珍味尽くし! ナマコ丼に感激

夕刻、ディナータイムなのですがさすがにこれは予約しました。地元の珍味が食べられる店、ということだったのですが、実際行ったら本当に珍味だらけ。逆に珍味以外を出してくれないという徹底ぶりでした。ナマコの内臓である「このわた」や「くちこ」、アワビ肝やクジラ刺し身など日本酒に合うものだらけ。お店のご主人もお酒が好きなようでガブガブ飲む我々にあれやこれやとお酒を出してくれるわけです。いやあ最高。そしてシメは名物ナマコ丼。ナマコって中華で出てくるコリコリなイメージだったのですがこのお店独自の戻し方でヤワヤワふるふる! 生まれて初めて食べる食感と旨みあふれる味付けに大満足でした。

ナマコ丼

真ん中のやつがナマコ。ナマコ革命ですよ

「日本のベネチア」は思っていたよりもずっと非日常で、しかしそこで暮らしている人たちの日常もあり、まさに海外旅行をしたときのような感動と驚きに満ち満ちていました。同じ日本でも知らないことがたくさんあるんだなあ、と改めて思うとともに、そういえばイタリアのベネチアに行ったことねえんだよな、とも思った次第であります。今度は2泊くらいしたいですね、伊根。伊根、いーね!

ヒャダイン

音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。

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