文=瀬谷薫子 / イラスト=山田将志

岡山・蒜山高原から届く手作り「玄米餅」は、自然農法が生んだ滋養の味

岡山県 写真家・中川正子のおみやげ土産バナシ1品目

毎年冬のお楽しみ、友人の農家が育てたお米でつくるお餅が今回のお土産。農業に対する真摯な姿勢に共感するからこそ、感じるおいしさもひとしお。食感も滋味深い味も唯一無二のお餅だそう。誰に贈っても喜ばれる老若男女に愛される味です。 旅の目的のひとつ、お土産。この連載では日本各地のローカルプレイヤーに、ここに来たら持ち帰るべし、というおすすめのお土産を伺います。今回のレコメンダーは、岡山に暮らす写真家の中川正子さん。12年前に東京から移住し、岡山に拠点を置きつつ全国を旅する中川さんに、なじみの味や、旅先で人に渡したいお気に入りの一品を教えていただきました。

目次

1品目
自然農法のお米で作られた、まっすぐな味の「丸餅」

蒜山耕藝「蒜山◯餅(玄米)」(6個入り・720円)

▲蒜山耕藝「蒜山◯餅(玄米)」(6個入り・720円)

「『蒜山耕藝(ひるぜんこうげい)』は友人が営む農家。蒜山という地で、農薬と肥料を使わない自然農法でお米や野菜を育てています。

あえて険しい道を選び、時間と手間をかけて真摯に農業と向き合う姿勢を、とても尊敬しています。そして、そうやって作られた作物は本当においしい。トマトは味が格段に濃いですし、とうもろこしなんて生で食べられるほど。そして、もち米でできたこの丸餅も絶品なんです。

自然栽培のもち米100%でできていて、噛み締めると真っすぐにお米の甘みがして、まさに滋養の味。食べると力が湧いてくる味です。

白餅と玄米餅があって、どちらもおいしいですが、私は特に玄米餅が好きです。プチプチッとしたもち米の粒感が残っていて、その食感も他にないなと思います」

ひとつ食べれば、おなかも心も満たされる

「グリルでこんがり焼いて、シンプルにおしょうゆをつけて食べるのも好きですし、わが家では野菜スープにこの丸餅を浮かべて食べています。寒い日の朝ごはんにすれば、栄養がとれて、体も温まり、おなかもこころも満たされます。

ちょっと小腹が空いたときのおやつにもぴったり。息子も大好きなので、6つ入りの1袋がいつもあっという間になくなってしまいます。

贈るなら、忙しく過ごしている友人家族へ。日持ちするからストックしておけるし、あるとちょっとしたときにすごく助かると思うんです。それに、おもちって嫌いな人はいないですよね。素朴で飾らないものだけど、パッケージもかわいいので、プレゼントされるとちょっと嬉しく感じます。

毎年秋の終わりに数量限定で作られるので、この時期が楽しみです。たくさん買ってストックしたくなりますが、数には限りがあるし、いろんな人に食べてもらいたいから、ぐっと我慢。手に入るときに、大切にいただいています」

蒜山耕藝

https://hiruzenkougei.com/

レコメンダーの中川正子さん

なかがわ・まさこ 写真家。自然な表情をとらえたポートレートや、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、書籍など多ジャンルで活躍。2011年3月より岡山を拠点に、国内外を旅する日々を送る。最新刊は小説家・桜木紫乃氏との共著『彼女たち』(KADOKAWA)。2024年2月に初のエッセイ集を発表予定。

蒜山耕藝の食卓「くど」を地図で見る

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!