おみやげ土産バナシ

見かけたら買うべし。岡山の食通が口々に推す吉田牧場「カマンベールチーズ」

岡山県 写真家・中川正子のおみやげ土産バナシ 4品目

2023.12.29

文=瀬谷薫子 / イラスト=山田将志

2023.12.29

文=瀬谷薫子 / イラスト=山田将志

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

岡山に住む食通なら、きっと知らない人はいないという「吉田牧場」のチーズが今回のお土産。一部のお店でしか扱いがなく、いつでも買えるわけではない。だからこそ見かけたときの喜びはひとしおだそうです。

旅の目的のひとつ、お土産。この連載では日本各地のローカルプレイヤーに、ここに来たら持ち帰るべし、というおすすめのお土産を伺います。今回のレコメンダーは、岡山に暮らす写真家の中川正子さん。12年前に東京から移住し、岡山に拠点を置きつつ全国を旅する中川さんに、なじみの味や、旅先で人に渡したいお気に入りの一品を教えていただきました。

4品目
岡山で知らない人はいない? 「吉田牧場」のカマンベールチーズ

吉田牧場「カマンベール」(170g・1,358円) ※牧場での販売価格。他店舗での取り扱い価格は異なります。

▲吉田牧場「カマンベール」(170g・1,358円) ※牧場での販売価格。他店舗での取り扱い価格は異なります。

「おいしいもの好きの間では有名な『吉田牧場』のチーズ。はじめてここのチーズを食べたとき、日本でもこんなにパワフルなチーズが作られているんだ! って驚きました。以来、チーズといえばここのものがわが家の定番です。

牧場は吉備高原というエリアにあって、岡山の中心部からは車で小一時間かかる距離。牧場に行けば出来たてのチーズが購入できますが、岡山市内ではいつでも手に入るわけではありません。

市内のいくつかのお店で定期的に入荷しているので、その時が買うチャンス。私は行きつけのワイン屋さん『スロウカーヴ』で買うことが多いです。偶然入荷日に出会えたら、ラッキー。嬉しくてつい買ってしまいます」

何はなくとも、このチーズとワインがあれば

「岡山のおいしいイタリアンでも、このチーズを使っているところは多いです。みんな、わざわざ『吉田牧場のチーズ』とメニューに書いていますし、『今日は吉田牧場のチーズがありますよ』っておすすめしてくれるんですよ。

越してきたばかりの頃、いろんなところで『吉田牧場』と聞くので、一体なに !? と思いましたが、今はつい強調したくなっちゃう気持ちがわかります。私も、友人が岡山へ遊びに来たらついおすすめしたくなってしまいますから。

それくらい地元の人に愛されている存在だし、誇れるチーズなんです。

来客があるときは、このチーズを買いに行きますし、このチーズが買えたら、友人を呼んで一緒に楽しみたくなる、そんな存在。

『スロウカーヴ』で一緒にワインとドライフルーツを買って。おもてなししなきゃ、なんて気張らなくても、このチーズがあれば十分。日常のごほうびみたいな、ちょっと特別な気持ちにさせてくれるチーズです」

吉田牧場

https://www.instagram.com/yoshida_dairy_farm/

食が豊かな岡山。その魅力を、お土産でシェアしていきたい

岡山土産4点揃い

「私にとってお土産とは、誰かといいものをシェアする機会です。

あまり恐縮せず受け取ってほしいので、仰々しいものではなく、気を使わせないような気軽さも大事。食べ物って消え物なので、そんな意味でもちょうどいいお土産だなと思うんです。

あとは、どんな人にも好まれるものを選ぶことも意識しています。今回紹介した丸餅は、まさにそれですね。

そして、おいしいだけじゃなく、体に優しいものならなお良し。贈る相手へのささやかなエールや、ねぎらいの気持ちもあるのかもしれません。

岡山に越して感じたのは、食が本当に豊かなこと。新鮮な野菜や果物が身近なところで手に入り、それを作る生産者さんも会いに行ける距離に暮らしている。それってとても素敵なことだと思うんです。

そんな岡山の魅力を、これからもいち消費者として応援していきたいな、と。お土産を通じて誰かに伝えていくことも、そのひとつだと感じています」


今回中川さんにご紹介いただいたお土産4品は、どれも岡山産の食材で作られた、地産地消のものばかり。そんなところからも、岡山という地の豊かさを感じました。
牧場のチーズや、農家さんの丸餅。丹精込めて作られた、思いの詰まった食材を求めて、少し足を延ばしてドライブに出かけてもいいのではないでしょうか。

レコメンダーの中川正子さん

なかがわ・まさこ 写真家。自然な表情をとらえたポートレートや、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌・広告・書籍など多ジャンルで活躍。2011年3月より岡山を拠点に、国内外を旅する日々を送る。最新刊は小説家・桜木紫乃氏との共著『彼女たち』(KADOKAWA)。2024年2月に初のエッセイ集を発表予定。

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