日本の魅力、再発見

白山のおかげさま~石川県・白山市・能美市・小松市・加賀市

石川県:白山市、能美市、小松市、加賀市

撮影=飯田安国
2022.05.12
写真:加賀市の白山眺望広場で、白山と柴山潟をバックに元気よく遊ぶ子供たちに出会った。
2022.05.12
写真:加賀市の白山眺望広場で、白山と柴山潟をバックに元気よく遊ぶ子供たちに出会った。

日本全国をドライブで旅する「日本の魅力、再発見」。今回は、石川県の南部に位置する白山(はくさん)市、能美(のみ)市、小松市、加賀市の4市をめぐる。まずは白山市から旅を始めよう。

白山市

霊峰・白山がもたらす豊かな水と景観、
ここにしかない珍味を堪能

白山市は、霊峰・白山に抱かれた南部から日本海に面する北西部まで実に多様な顔を持つ、石川県で最大の面積を誇る市だ。
県下最大の河川・手取川(てどり)が変化に富んだ地形を作り出しており、市全体が「白山手取川ジオパーク」に認定されている。扇状地には、上流域から運ばれた多数の石が転がっており、その「石の河原」が石川県の名前の由来になったそうだ。

まずは「手取峡谷」を訪れた。手取川の急流が大地を削って作り出した高さ20~30mの絶壁が約8kmにわたって続いている。少し緑がかった雪解け水が流れていた。水音からもその清らかさが伝わってくるようだ。
白山市の自然を違う角度から楽しみたいなら「手取キャニオンロード」をサイクリングするのもおすすめ。手取川沿いを自転車で走ってみると、少しひんやりした空気が心地よく、車窓から見るよりも川や山々を近くに感じることができた。

手取峡谷の流れ

不老橋から見た手取峡谷。新緑や紅葉の季節には、さらに美しい景観が楽しめる。
白山市吉野81(不老橋) ☎076-255-5310(白山市観光情報センター)

手取キャニオンロードでサイクリング

手取キャニオンロード。自転車は白山市観光連盟でレンタルできる(1日500円~)。
白山市鶴来水戸町~瀬戸 ☎076-259-5893(白山市観光連盟/白山市鶴来本町4丁目ヌ85)

白山市を語る上で欠かせないのが、白山を神体山とする「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」だ。遥かいにしえより白山信仰の中心地となっており、「しらやまさん」と呼ばれ親しまれている。
このあたりでは、昔から白山の姿が見えると手を合わせて拝む習慣があるという。白山信仰がこれだけ厚い理由を、白山比咩神社の田中天善さんが教えてくれた。
「白山の雪解け水がやがて川になり、田畑がうるおい、米・野菜作りができます。川の水が海に流れると、その栄養分が海の生物の命をつなぎます。そして、海が熱せられると水蒸気となって山に雨が降ります。このサイクル自体が、白山の恵みだという認識が昔からあります。私たち人間を含め、動植物すべてがこの自然循環の中でともに生き合っていて、生きるためには水を必要とする。そういうわけで、白山に対する感謝の気持ちが、手を合わせる、祈るという形になったのです」
白山比咩神社の御祭神「白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)」は「菊理媛尊(くくりひめのみこと)」とも呼ばれ、「ご縁をくくる神」とされることから、最近では、縁結びのご利益を求めて参拝する人も増えているという。
神様に手を合わせて、水と命あるものすべてに感謝の気持ちを伝えるとともに、この旅で素敵なご縁がありますように、と祈りを込めた。

白山比咩神社

白山比咩神社。この日もたくさんの人が参拝に訪れていた。
白山市三宮町ニ105-1 ☎076-272-0680

白山比咩神社のほど近くには標高約650m の「獅子吼(ししく)高原」があり、4月から11月の間は、ゴンドラで気軽に山頂まで上がって景色やグルメを楽しむことができる。山頂からパラグライダーでフライトすることもできるそうだ。高原から飛び立ち、風を受けながら白山市の景色を見下ろすのは、さぞ気持ちがいいことだろう。
獅子吼高原の麓(ふもと)に店を構える「白山キッシュハウス クゥーイ」でランチをいただいた。小麦粉の代わりに白山市産の米粉、生クリームの代わりに豆乳クリームが使われているこだわりのキッシュは、タルト生地がほろほろした食感で、ほんのりお米の甘さを感じた。具材にも地元産の食材が使われていて、おかず系もスイーツ系も充実しており、どれにするか選ぶのも楽しい。
選んだ中に、「ふぐの子糠(ぬか)漬け」という食材を使ったキッシュがあった。食べてみると、濃厚で複雑な味わいと塩味がいいアクセントになり、ラクレットチーズとよく合っている。ふぐの子糠漬けは、石川県内でしか製造されない珍味なのだそうだ。その実態を確かめるべく、製造地を目指して日本海方面に車を走らせた。

クゥーイのキッシュ

白山キッシュハウス クゥーイ。左から、金沢ゆずとクリームチーズのスイーツキッシュ(518円)、ふぐの子糠漬け&ズッキーニとラクレットのキッシュ(572円)、「のとっこ」しいたけとエリンギ・しめじのキノコキッシュ(518円)。
白山市八幡町ヌ26-1 ☎076-214-6939 JAF優待

獅子吼高原パラグライダースクールの練習風景

獅子吼高原パラグライダースクール。
白山市八幡町72 ☎076-273-0658 タンデム体験料10,000円
JAF優待

手取川の河口付近に位置する美川地区では、今も伝統製法でふぐの子糠漬けの製造が続けられている。「ふぐの子」とは、フグの卵巣のこと。生で食べると5~6人が死んでしまうほどの毒があるというゴマフグの卵巣を、まず1年間塩漬けにして、さらに2年間樽で糠漬けにすると、毒が抜けて食べられるようになるとのことだ。「発酵の過程で毒が消えているのだろうと思いますが、何という菌が作用しているかがわからないため、科学的にはまだ解明されていません」と、「あら与」の荒木敏明さんが教えてくれた。そう聞くと少し心配になってしまうが、この食べ物には、長い歴史に裏打ちされた信頼がある。
「美川は、江戸時代に北前船の寄港地でした。北前船が北海道で仕入れた物品を寄港地で売り買いしながら大阪まで戻るときに、フグの産地である佐渡島に寄って、そこで卵巣の塩漬けを積んで、どこにも降ろさずにここまで持って帰っていた、という1858年の記録が残っています。日本人は魚食民族で、いくらやたらこなどの魚卵も食べる習慣があるでしょう。北陸の厳しい冬場の貴重なたんぱく源として、ふぐの子も何とかして食ってやろうという貪欲(どんよく)さが、昔の人にはあったのではないでしょうか」
荒木さんの話を聞いて、先人の知恵に対する驚嘆と感謝の気持ちが湧いた。

あら与の荒木さんと貯蔵庫

あら与の代表、荒木敏明さん。ふぐの子が漬けられた樽が並ぶ工場は、電話予約をすれば見学できる。
白山市美川北町ル61 ☎076-278-3370

ふぐの子糠漬け

ふぐの子糠漬けは、ごはんのお供やお酒のつまみとしてはもちろん、イタリアンなどの料理に使用しても美味。通信販売も可能(200g:1,296円)。あら与の本店ではおにぎりやパスタなどの軽食も提供しており、ふぐの子を気軽に味わえる。

能美市

九谷焼が生まれる里で
人々がつなぐ、未来への希望

手取川を渡り、能美市にやってきた。能美市は、手取川下流の南側に位置する小さな市で、元野球選手の松井秀喜さんの出身地としても知られている。
また、能美市では石川県を代表する伝統産業である九谷焼の生産が盛んで、県内で作られる九谷焼の約70%が能美市で生産されている。九谷焼は360年以上の歴史を持つが、明治に入り盛んに海外に輸出されるようになった際に量産化に成功し、それを産業として発展させたのが能美市だそうだ。

能美市九谷焼美術館|職人工房|では、ろくろによる成形、焼成、絵付けなど、九谷焼の作業工程を近くで見学することができる。職人の方々の手元から、脈々と受け継がれてきた伝統が伝わってくるようで、しばらく見入ってしまった。

ろくろを回す佐藤さん

能美市九谷焼美術館|職人工房|。職人の佐藤剛志さんが、ろくろでお茶碗を成形している。
能美市泉台町南33(|職人工房|) ☎0761-58-6100(|五彩館|) JAF優待

九谷焼の絵付け

本焼きされた白素地に、手で色付けが施されていく様子。「丁寧に正確に、を心がけています」と職人の西田さん。

能美市内で九谷焼を製造している窯元の一つ、上出長右衛門窯(かみでちょうえもんがま)を訪れた。6代目の上出惠悟さんが「特に和食器に興味があるわけではない、音楽とかファッションとかが好きな普通の人にも九谷焼を届けたい」との思いで手掛ける、新しい発想や異文化のエッセンスを織り交ぜた商品が人気を博している。
「日本で磁器が作られ始めた400年くらい前の人は、磁器の白くて艶々(つやつや)とした見た目を目新しく感じて、珍重したと思うんです。現代は電気もあるし、TVやスマホもあるけれど、かつてはそうしたものはなかった。特に北陸は冬が長くて、彩り豊かな風景に憧れを持っていたと思うので、食事の際に色がついた磁器を使うとき、今では想像できない面白さとかワクワクする感じがあったんじゃないかと思っていて。その気持ちを今の人たちにも感じてもらいたいという思いでやっています」
上出さんの言葉どおり、上出長右衛門窯のショールームに並ぶ商品は新鮮な魅力にあふれていて、ずっと使い続けたくなるような愛嬌(あいきょう)のある商品たちばかり。眺めていると、自然と笑顔になった。

上出長右衛門窯の上出惠悟さん

上出長右衛門窯の上出惠悟さん。工場に併設のショールームにて。後ろの棚の中段に並んでいるのは、窯を代表する絵柄である「笛吹」の湯呑み(各種6,600円)。上出さんが手に持っているのは、夢に出てきた犬を形にしたという「白狗貯金箱」(14,300円)。
能美市吉光町ホ65 ☎0761-57-3344

能美市の魅力は九谷焼だけにとどまらない。能美市屈指の人気スポットであるいしかわ動物園は、日本で一度絶滅したトキに出会える全国でも珍しい場所だ。
日本のトキは1970年に本州から、2003年には佐渡島からも姿を消し、一度絶滅してしまった。石川県が本州最後の生息地だったこともあり、2010年からトキの野生復帰プロジェクトの一角を担っているいしかわ動物園では、あえて親鳥に育てさせる自然繁殖や、エサにエビやカニなどの甲殻類を混ぜて美しい朱鷺色(ときいろ)が出るようにするなどの工夫を凝らしながら繁殖に取り組み、2021年までに66羽のトキを佐渡の空に返してきた。
「トキ里山館」では、能登の里山風景が再現された環境の中でトキを観察することができる。トキを想う人々の尽力のおかげで復活した奇跡の光景に、胸が熱くなった。数十年前は全国各地で当たり前のようにあったこの景色を何気なく眺められる日が、いつかまた来てほしい。

いしかわ動物園のトキ

いしかわ動物園のトキ里山館。3羽のトキが、棚田を模した湿地中を歩き回ってエサを探しながらのびのびと過ごしていた。写真は2021年生まれの若い個体。
能美市徳山町600 ☎0761-51-8500 入園料840円

いしかわ動物園のレッサーパンダ

いしかわ動物園では、写真のレッサーパンダをはじめ、コビトカバ、イヌワシ、グレービーシマウマなど、希少動物の繁殖に力を入れている。

小松市

歌舞伎とものづくりの町は
きらめきと驚きに満ちていた

能美市からさらに南へと下り、やってきたのは小松市。かつてここには、有名な歌舞伎の演目「勧進帳(かんじんちょう)」の舞台である「安宅(あたか)の関」があった。市内の和菓子店「御朱印 本店」では、勧進帳の登場人物である義経、弁慶、富樫(とがし)をモチーフにした和菓子が販売されており、お土産にも持って来いだ。

義経・弁慶・富樫の銅像

安宅の関。関所跡に、義経・弁慶・富樫の大きな銅像が立っている。
小松市安宅町タ140-4 ☎0761-21-6734(「安宅の関」こまつ勧進帳の里)

御朱印 本店の和菓子安宅の関

御朱印 本店の左から「富樫最中」(162円)、「弁慶羊羹」(345円)、「義経の笛」(291円)。「安宅の関」としてセット販売もしている。
小松市八日市町34 ☎0761-21-8311 JAF優待

小松市で毎年5月に行われる「お旅まつり」では、1766年から「曳山(ひきやま)子供歌舞伎」が上演されてきたという。1640年に加賀前田家三代当主の前田利常公が小松城に隠居したことを機に商人・町人文化が栄え始め、富を得た町の人々の娯楽として、子供歌舞伎が誕生。さらに、利常公隠居の際に小松に移り住んだ宮大工など、職人の技術が結集し、豪華絢爛な “動く舞台”として「曳山(ひきやま)」が町ごとに作られ、曳山の上で子供歌舞伎が上演されるようになった。主に各町に住んでいる小学生の女の子が役者を務めるのだという。
曳山子供歌舞伎の世話人代表を務める、鵜川瞬也さんにお会いした。子供を集めたり、演目を決めたり、衣装を発注したりといったすべての段取りを行うのが世話人の役目だそうで、聞いただけでも大変そうだ。しかし鵜川さんは、自分のモットーについてこう話してくれた。
「お祭りに携わる人が『しんどい』とか『あー大変や』とか、マイナスなことしか言わんのがずっと気になっていました。もちろんしんどいことも大変なこともあるんですけど、でも、中の人がいちばん楽しまないと、子供たちも、見に来てくれる人も、町の人も、楽しめないんじゃないかと。なので、何より自分がいちばん楽しむ、というのを大事にしてやっています」
思いを語る鵜川さんの目はきらきらと輝き、曳山子供歌舞伎の未来を見据えていた。
「お祭りってそもそも、一年でいちばんわくわくして楽しみな日だったと思います。みんながその気持ちを思い出して楽しんで、その姿を子供たちが見ることで、次の世代につながっていけばうれしいですね」

こまつ曳山交流館みよっさの曳山

「こまつ曳山交流館みよっさ」では、8基ある曳山のうち2基が常設展示されている。近くで見るとすみずみまで細かい装飾が施されており、職人の技が光る。
小松市八日市町72-3 ☎0761-23-3413

曳山と鵜川さん

担当する八日市町の曳山の前で笑顔を見せる、曳山子供歌舞伎の世話人代表・鵜川瞬也さん。

小松には、古くから「ものづくりのまち」という一面もある。子供歌舞伎の曳山もそのひとつと言えるが、近現代において特に代表的なのは、1921年に創業の地・小松の名を冠して誕生した世界的建設機械メーカー「コマツ」だ。
コマツは、小松市に「こまつの杜」という施設をオープンし、子供から大人まで楽しめるスポットとして人気を博している。なかでも必見なのは、屋外に展示されたとてつもなく巨大な油圧ショベルとダンプトラック。写真の超大型油圧ショベル「PC4000」は、2021年にコマツ創立100周年を記念して設置された日本に1台しかないもので、本来はアメリカやオーストラリアなどの鉱山で稼働している。車両の高さはなんと約8mで、一度に40tも掘削できるという。重機好きはもちろん、そうでなくてもひきつけられる、圧倒的なパワーを放っていた。

小松市を離れる前に腹ごしらえをしようと、「小松うどん道場つるっと」に立ち寄った。このお店では、かつて松尾芭蕉も食し賞賛したという「小松うどん」をさまざまなバリエーションで食すことができる。いただいたのは「勧進帳丸いも磯辺揚うどん」。細めでツルッとした麺と透き通っただしの両方に白山の伏流水が使われていて、互いを引き立て合っている。麺の上には、小松市特産の「加賀丸いも」をすりおろした磯辺揚げや地元産野菜の天ぷらがたっぷりのっている。ツルツルとあっという間に食べ終えて、おなかも心も満たされた。

コマツの超大型油圧ショベルPC4000

こまつの杜。超大型油圧ショベル「PC4000」は、人と比べないとはっきりした大きさがつかめないほどの、想像を超える大きさ。運転席搭乗体験も行っている。
小松市こまつの杜1 ☎0761-24-2154

小松うどん道場つるっとの小松うどん

小松うどん道場つるっとの「勧進帳丸いも磯辺揚うどん」(950円)。弁慶肉うどん、義経天ぷらうどん、富樫カレーうどんも人気。
小松市土居原町13-18 ☎0761-23-2217 JAF優待

加賀市

加賀温泉郷の三つの湯をめぐり、
それぞれの文化と食を堪能

旅の最後に訪れたのは、石川県の南端、福井県との県境に位置する加賀市。市内には「山中温泉」「山代温泉」「片山津温泉」という3つの温泉があり、小松市の粟津温泉と合わせて「加賀温泉郷」と称されている。
湯めぐりの最初に訪れた山中温泉の「山中座」で、なんとも優雅な体験が待っていた。山中座は、山中温泉の総湯(温泉地の共同浴場のこと。北陸特有の呼称)である「菊の湯」に隣接する、伝統工芸「山中漆器」の粋を集めた建物で、土日祝日にはホールにて芸妓(げいぎ)さんたちが上演する「山中節 四季の舞」を鑑賞することができるのだ。日本三大民謡のひとつで、湯治をしていた北前船の船頭から伝わったとされる「正調 山中節」や、季節に合わせた長唄、全国的にも稀(まれ)という女性2人による「獅子踊り」など、格調高い舞台で次々と披露される演目は、目で見ても耳で聞いても楽しく、すっかり魅了されてしまった。
「山中座は建物自体が山中温泉の象徴ですし、山中漆器を目で見て、山中節を聞いていただいて、四季折々の演目も楽しんでいただける、山中の町を案内するような演目になっています。40分間ですけれども、いつもとは変わった空間で楽しい時間をお過ごしください」
芸妓のきよ乃さんが話すとおり、山中温泉で欠かすことのできない、素敵な時間だった。

山中座芸妓のきよ乃さん

山中座で舞踊を披露する、芸妓のきよ乃さん。この日は特別に正装の「おひきずり」を着ていただいた。「山中節 四季の舞」は土日祝日の15時30分から上演。
加賀市山中温泉薬師町ム1 ☎0761-78-5523 鑑賞料700円
JAF優待

山中温泉から車を10分少々走らせると、山代温泉に到着した。北陸特有の呼び方で「湯の曲輪(ゆのがわ)」と称される温泉街が総湯を中心に広がっており、温泉街をそぞろ歩くのも楽しい。2つある総湯のうち「山代温泉 古総湯」のほうに入浴した。明治時代の建物を復元し、九谷焼のタイルやステンドグラスなどがあしらわれた芸術的な建物の中で、100%源泉かけ流しの湯を堪能できる。43℃と少し熱めだが、クラシカルな雰囲気に浸っているうちに、気づけば長湯してしまった。

山中温泉の菊の湯外観

山中座の隣にある山中温泉の総湯「菊の湯」の女湯。菊の湯は建物が男湯と女湯に分かれている。
加賀市山中温泉湯の出町レ1 ☎0761-78-4026 入浴料460円

山代温泉 古総湯の湯舟

山代温泉 古総湯。洗い場がないため掛け湯をして湯船に浸かる、「湯あみ」という昔ながらの入浴方式。
加賀市山代温泉18-128 ☎0761-76-0144(総湯) 入浴料500円

加賀市には、ご当地グルメとして「加賀カニごはん」と「加賀パフェ」がある。どちらも地産地消をテーマに地元食材が使われていて、市内にいくつか提供店舗がありお店ごとに内容が異なっている。また、九谷焼と山中漆器に盛り付けられており、目で見ても楽しむことができるのも特徴だ。
加賀カニごはんは香箱ガニを1杯使った贅沢なお膳で、「割烹加賀」でのメインは、カニすき焼きとカニ天丼。特に、カニ味噌・外子・内子・身が入ったカニ天丼は、口いっぱいにカニの旨みが広がり絶品だった。
加賀パフェは、「加賀フルーツランド」のものをいただいた。園内でとれた新鮮ないちごを使った手作りのマシュマロやゼリーは、甘酸っぱく濃厚ないちごの味わいが楽しめ、食べ進めるのが楽しい。ほかのお店の加賀パフェも気になるところだ。

割烹加賀の加賀カニごはん

割烹加賀の加賀カニごはん(3,280円)。
加賀市山代温泉桔梗丘2-73 ☎0761-76-0469

加賀フルーツランドの加賀パフェ

加賀フルーツランドの加賀パフェ(970円)。加賀フルーツランドでは一年を通じてフルーツ狩り(JAF優待あり)が楽しめるほか、フルーツパフェなどの食事も充実している。
加賀市豊町イ59-1 ☎0761-72-1800 JAF優待

湯めぐりの最後に訪れた片山津温泉は、淡水湖の柴山潟湖畔にある温泉地で、山中温泉や山代温泉とはひと味違う広々としたロケーションが魅力的だ。
片山津温泉の総湯はガラス張りのモダンな造りで、柴山潟のレイクビューが広がる「潟の湯」、緑に囲まれた「森の湯」が日替わりで男女入れ替え制となっている。塩分を含んだお湯は保温性が高く、体がほどよく温まった。

片山津温泉総湯の浴場

片山津温泉総湯の「潟の湯」。気軽に立ち寄りやすい開かれた雰囲気が魅力。
加賀市片山津温泉乙65-2 ☎0761-74-0550 入浴料460円

そろそろ旅が終わろうとしているが、実は、今回の旅の大きなテーマのひとつだった白山の姿をまだ見ることができていなかった。残念だが、そろそろ帰らなければ……。そう思いつつ、ふと柴山潟の向こうを見やると、奇跡的に雲が晴れて真っ白な白山が姿を現してくれたのだった。その美しく高貴な姿を一目見れば、自然と手を合わせたくなる気持ちがわかる。
思えば、景色、人々、食べ物、生き物など、たくさんの出会いに恵まれた旅だった。そして何より、最後に白山との素晴らしい出会いが待っているとは。しらやまさんが結んでくれたご縁に感謝し、満たされた心で帰路に就いた。

柴山潟から望む白山

柴山潟から見た白山。白山は、御前峰(標高2,702m)・剣ヶ峰(2,677m)・大汝峰(2,684m)の白山三峰を中心とする山峰の総称。
加賀市片山津温泉(湯の元公園) ☎0761-74-1123(片山津温泉観光協会)

※JAF優待の内容や利用方法などの詳細は、記事内の各施設「JAF優待」をクリックしてください。JAFナビ からも検索可能です。
※記載のデータは2022年4月現在のもので、料金は大人1名分です。変わる場合もありますので、お出かけ前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの影響により、掲載の内容が変更・中止となる場合がございます。事前にご確認のうえ、ご利用ください。
取材協力=白山市、能美市、小松市、加賀市観光交流機構

「日本の魅力、再発見」 掲載自治体のご紹介

JAF Mate Onlineに掲載していないドライブコースやおすすめスポットなども掲載!

JAF会員限定プレゼント

加賀市、能美市、小松市、白山市 名産品プレゼント

各市の風土と伝統が育んだ個性豊かな品々を合計14名様にプレゼント!

山代温泉オリジナル純米酒やましろ他

A 山代温泉オリジナル「純米酒やましろ」と畳縁ボトルバッグ、「あいうえお」ピンバッジのセット(加賀市)
5名
「純米酒やましろ(720ml)」は米の旨み・酸味・渋みがほどよく調和した軽やかなお酒。ボトルバッグは軽くて張りのある丈夫な生地の畳縁(たたみべり)を使用し、山代温泉のキャラクター「すぱクロくん」の絵柄が可愛い。ピンバッジは「五十音図」発祥の地 山代温泉をモチーフにしたもの。サイズ(ボトルバック):縦25㎝×横10㎝×マチ8㎝

本格加賀丸いも焼酎「のみよし」

B 本格加賀丸いも焼酎「のみよし」(能美市)
3名
能美市ブランド第一弾として、特産品の「加賀丸いも」から造られた本格焼酎(720ml)。「能美は良し、飲んで善し、呑んでも好し」をキャッチコピーに、甘く包み込むような上質の香り、深くやさしく広がる最上級の味わいが特徴。

純米自然酒 蛍舞と加賀の月 満月

C 「純米自然酒 蛍舞」と「加賀ノ月 満月」の2本セット(小松市)
3名
霊峰白山の水と、豊かな土壌に育まれた小松の銘酒2本セット(各720ml)。「純米自然酒 蛍舞」は、蛍の飛び交う小松の山間部だけで収穫される特別栽培米「蛍米」を100%原料に、手取川の伏流水で仕込んだ純米酒で、お米の旨みが広がり大変飲みやすくすっきりした味わい。「加賀ノ月 満月」は、麹米が石川県産五百万石の50%精米、掛米は石川県産五百万石の58%精米で、ふっくらふんわりした優しい味わいが特徴の純米吟醸酒。

牛首紬ファスナー小銭入他

D 「牛首紬ファスナー小銭入」と「二・五丸財布」、「まめ巾着」のセット(白山市)
3名
霊峰白山の麓に位置する石川県白山市白峰で生まれ、約800年以上前から続く伝統織物「牛首紬(うしくびつむぎ)」。現在も職人方の手作業が多く、絹織物のしなやかで上品な光沢、紬織物の張りと肌になじむ着やすさの両面を持っている。牛首紬らしいシックでおしゃれな色柄で、バッグに忍ばせておくのに便利な大きさの、ファスナー小銭入と二・五丸財布、まめ巾着の3点セット。

※写真はすべてイメージです。
※Web応募のみとなります。
※応募は1名様1回のみ可能。応募後の応募内容の変更はできません。
・応募方法:上記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
※応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
・当選者数:14名(当選者にのみ、2022年8月中旬までに当選通知を発送いたします)。
・応募締切:2022年6月30日
・2022年3月「日本の魅力、再発見」プレゼント応募総数は3,738件でした。たくさんのご応募ありがとうございました。

JAF会員限定! 特別プレゼント

5月15日(日)~6月30日(木)、松井秀喜ベースボールミュージアム(JAF優待 /ドライブガイド⑪)窓口にてJAF会員証を提示し「JAF Mate Onlineを見た」とお伝えいただいた方に、オリジナルグッズ(下敷き・缶バッジのセット)を差し上げます。
※会員本人のみ、なくなり次第終了

松井秀喜下敷きと缶バッチ

昼はぶらぶら! 夜はフラフラ? 写真家ヤスクニさんの旅日記

ダンディーでチャーミングな写真家・飯田安国さんの旅の様子をお届けするコラムを連載中! 本編とあわせてぜひお楽しみください。
冊子「JAF Mate2022年春号」P5に掲載されているパスワードを入力してください。

飯田安国

いいだ・やすくに 「ヤスクニさん」の愛称で親しまれる写真家。
東京・新橋生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで芸術を遊ぶ。
長年にわたり連載をもつ『JAF Mate』をはじめ、『翼の王国』など雑誌を中心に活躍。
現在、スマートロードスターをスニーカーにしている。

白山市、能美市、小松市、加賀市 ドライブガイド

白山市、能美市、小松市、加賀市には、四季折々で楽しめるスポットがたくさんあります。気になった場所をドライブで回り、その魅力を再発見してみませんか?

「JAFナビドライブ情報」 で、ご当地ドライブコースも公開中!

1.松任(まっとう)海浜公園

広大な園内には、芝生・多目的広場や大型複合遊具、日本海を一望できる休憩所、バーベキュー場のほか、周辺には温泉やプールなどがある。北陸道徳光PAに駐車して利用可。白山市徳光町、相川町 ☎076-274-0639

2.スカイ獅子吼(ししく)

ゴンドラで登る標高650mの高原頂上からは、手取川の扇状地や加賀平野、日本海が一望。カフェや自動カート搭乗、パラグライダー体験もできる。白山市八幡町リ110
☎076-272-0600 ゴンドラ往復料710円

3.おもてや

白山比咩神社表参道の入口にある食堂・甘味処。地物の魚や白山山麓の特産などを味わえるおもてや定食をはじめ、地元の人気店がプロデュースした大判焼きは行列ができるほど。白山市白山町レ120-1
☎076-272-1003

4.手取峡谷(てどりきょうこく)

手取川の中流約8kmにわたり、高さ20~30mの絶壁が連なる峡谷。黄門橋や不老橋からの眺望をはじめ、32mの高さから流れ落ちる綿ヶ滝は迫力満点。白山市下吉谷町ホ1-4(綿ヶ滝)
☎ 076-255-5310(白山市観光情報センター)

5.白山恐竜パーク白峰(しらみね)

太古の恐竜ワールドをリアルディスプレイや骨格レプリカ、圧巻の映像で体験できるほか、化石発掘体験など楽しんで学べる。「白山手取川ジオパーク」を学ぶ拠点でもある。白山市桑島4-99-1 ☎ 076-259-2724

6.織りの資料館 白山工房

日本三大紬(つむぎ)の一つともいわれる牛首紬の布地や道具などを常時展示するほか、 製糸、撚糸、染色、製織など一連の工程見学や、はた織り体験もできる。白山市白峰ヌ17
☎076-259-2859 入館料400円(来館は要予約)

7.手取フィッシュランド

20種類を超える乗り物・アトラクションを有する遊園地をはじめ、釣り堀、ゲームセンター、レストランなども備えた北陸最大規模の総合レジャーランド。能美市粟生町ツ58
☎0761-57-2211 入場無料(施設利用料は別途必要)

8.能美ふるさとミュージアム

2020年オープン。能美古墳群や⽩⼭開山伝説、ローカル鉄道「能美電」など、能美の自然・歴史・民俗について総合的に学べる。小さな子供が遊びながら学べるエリアもある。能美市寺井町を1-1 ☎0761-58-5250 展示観覧料300円(入館は無料)

9.九谷陶芸村

日本を代表する伝統工芸の一つ、九谷焼を「見る」「知る」「作る」「買う」ことができる。敷地内には美術館のほか、10軒の九谷焼店舗が集結しており、手頃な値段で九谷焼を購入できる。能美市泉台南22
☎0761-58-6102

10.能美市九谷焼美術館

九谷焼の歴史を学ぶ|五彩館|、気軽に陶芸体験ができる|体験館|など、作家の育成から展示、美の継承、産業活動まで連携する施設群。能美市泉台町南56
☎0761-58-6100(|五彩館|) |五彩館|・|浅蔵五十吉記念館|共通入館料430円

11.松井秀喜ベースボールミュージアム

★プレゼントあり
能美市出身の元メジャーリーガー、松井秀喜氏の幼少時代から現役引退までの貴重な品が数多く展示されているミュージアム。ショップではオリジナルグッズも充実。能美市山口町タ58
☎0761-22-2447 入館料400円

12.九谷セラミック・ラボラトリー

世界的建築家の隈研吾氏が設計を手掛け、陶石からの土作りの見学や展示ギャラリー、ろくろや絵付けの体験も可能な、複合型の九谷焼文化施設。小松市若杉町ア91
☎0761-48-4235 入館料300円

13.尾小屋(おごや)鉱山資料館

日本有数の銅山として繁栄した尾小屋鉱山にまつわる資料館。昔の坑道を利用したマインロードの気温は年間を通じて約15℃で、避暑にも最適。小松市尾小屋町カ1-1
☎0761-67-1122 入館料500円

14.石川県立航空プラザ

小松空港の目の前にある日本海側唯一の航空博物館。グライダーやジェット機の展示をはじめ、国内最大級の飛行機型大型遊具も備えており、大人から子供まで楽しめる。小松市安宅新町丙92 入館無料(一部有料)
☎0761-23-4811

15.日本自動車博物館

広大なスペースに常時約500台の車両を展示する、日本最大級の自動車博物館。日本の自動車の歴史を紹介するほか、2022年度は世界のオープンカーに関する特別企画展なども実施。小松市二ツ梨町一貫山40
☎0761-43-4343 入館料1,200円

16.那谷寺(なたでら)

養老元年(717年)に白山を開いた泰澄大師が開創。四季ごとの景観が美しく「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で1つ星の認定を受けている。小松市那谷町ユ122
☎0761-65-2111 拝観料600円

17.中谷宇吉郎 雪の科学館

世界で初めて人工雪の作成に成功した中谷宇吉郎氏の記念館。ダイヤモンドダストの再現や過冷却の仕組みなど、大人も子供も楽しめる雪や氷に関する実験を毎日実演。加賀市潮津町イ106
☎0761-75-3323 入館料560円

18.北前船の里資料館

江戸時代後半から明治時代にかけて瀬戸内、日本海、北海道を舞台に活躍した北前船に関する資料館。船模型や当時の装備品などさまざまな資料を展示。加賀市橋立町イ乙1-1
☎0761-75-1250 入館料350円

19.加佐ノ岬

加賀海岸で最も日本海に突き出した岬で、白亜の灯台がそびえる先端から日本海の大パノラマ展望が広がる。富士山や白山などと連なるパワースポットとしても注目。加賀市橋立町
☎ 0761-72-7892(加賀市環境課)

20.石川県九谷焼美術館

明暦年間(1655~58年)に存在が確認された古九谷をはじめ、再興九谷など九谷焼の歴史と名品を専門的に展示。作家の器を用いた茶房やショップも充実。加賀市大聖寺地方町1-10-13 ☎0761-72-7466 入館料560円

21.鶴仙渓(かくせんけい)

山中温泉街に沿って流れる大聖寺川の渓谷。渓谷沿いには遊歩道が整備され、ユニークなS字型の橋「あやとりはし」や川床(写真)など、季節ごとの風情が感じられる。加賀市山中温泉東町1丁目~こおろぎ町 ☎0761-78-0330(山中温泉観光協会)

この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?