童心にかえろう。～高知県・香南市、南国市、香美市
高知県・香南（こうなん）市、南国（なんこく）市、香美（かみ）市
撮影＝飯田安国
撮影＝飯田安国
高知県東部に位置する香南市と南国市・香美市の、ドライブで訪れたい観光施設35か所を紹介。動物の生息地を再現した高知県立のいち動物公園や絵本の原画を見ることができる香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムなど、ここでしか見られない、体験できないことがあふれているエリアでした。
香南市
動物も、アート橋までも躍動！ 子供心くすぐるまち
高知県中部を流れる物部川（ものべがわ）の流域は、大人も子供も楽しめるスポットにあふれている。空港も近く、夏の旅行にふさわしいエリアだ。
まずは香南市の高知県立のいち動物公園へ。のびのびと過ごす動物たちの姿に、こちらまで気持ちが緩んでいく。
絵金蔵（えきんぐら）で絵師金蔵（きんぞう）の芝居絵屏風に見入るのも夏らしくていい。鮮血が飛び散る絵は少し怖いが、人物のいきいきした表情は親しみ深くもある。珍しい自動車が並ぶ四国自動車博物館は、クルマ好きでなくてもテンションが上がること間違いなしだ。
香南市ならではの見た目も楽しいグルメを満喫したのち、海沿いを走っていると、不思議な光景が目に飛び込んできた。道路が天空に突き刺さっている⁉ その正体は、手結港（ていこう）可動橋。どうしても動く瞬間が見たい！ と、しばらくその場にとどまった。気づけばすっかり子供心を取り戻してしまったようだ。
絵金蔵（えきんぐら）
赤岡に定住した江戸時代の絵師金蔵が描いた芝居絵屏風23点を収蔵。祭りの夜に芝居絵屏風が軒先に広げられる様を再現し、薄暗い空間でレプリカを展示している。保存のため収蔵されている実物を穴からのぞき見する仕掛けもありドキドキ感満載。
香南市赤岡町538 ☎0887-57-7117 観覧料520円
高知県立のいち動物公園
サバンナやジャングルなど、動物たちの本来の生息地が再現されており、緑豊かな環境でいきいきと過ごす動物たちを観察できる。「動かない鳥」として有名なハシビロコウにも会えた。たしかに動かない！
香南市野市町大谷738 ☎0887-56-3500 入園料470円 JAF優待
手結港（ていこう）可動橋
手結港の入り口にかけられた長さ32m、桁（けた）下2mの橋。日中に6回、計7時間だけ橋を渡れる時間があり、それ以外の時間は船が出入りできるようにはね上がっている。開閉には約6分かかる。
香南市夜須町手結 ☎088-863-2177（高知県土木部中央東土木事務所河港管理課）
四国自動車博物館
四国唯一の自動車博物館。イタリア製のレースカーやクラシックカーを中心に貴重な車やバイクが数十台ずらりと並び、入り口が開いた瞬間に思わず「うわっ！」と声が出るほど壮観。
香南市野市町大谷896 ☎0887-56-5557 入館料800円 JAF優待
とさを商店
赤岡町のかつてのソウルフード「中日そば」を復活させ提供（680円）。うどんのだしに中華そばが入っており、初めて食べるのにどこか懐かしい味わいだった。店を営む野村さんのアットホームな雰囲気も魅力。
香南市赤岡町476-4 ☎0887-54-3235
漁師料理 海女（あま）
海を眺めつつ、海鮮を炭火焼きでいただける。香南市特産のカラフルな長太郎貝は、口の中が海になったかと思うほど濃厚な磯の香り。写真は海賊焼きコース（1人前4,180円。写真は3人前。タコ飯、アサリ汁付き）。
香南市夜須町千切536 ☎0887-55-4999
カフェ＆レストラン mana*mana
海を望む抜群のロケーション。アイスバー（テイクアウト各410円）が大人気で、香南市特産の柑橘を使った「ヤ・シィ フルーツ」（中央）は夏に食べたい爽やかな味だった。
香南市夜須町千切537-90（道の駅やす内） ☎0887-52-8489 JAF優待
南国市、香美市
ものづくり体験とヒーローとの再会に心ときめく
ものづくりが盛んに行われてきた歴史を持つ南国市。「海洋堂SpaceFactoryなんこく」では、フィギュアの製作風景見学や製作体験などを通じてその歴史を感じることができる。フィギュアの色塗りにチャレンジし、ものづくりのわくわく感を久しぶりに味わった。
珍地名として有名な〝後免（ごめん）〞の名物、「ごめんケンカシャモ」で腹ごしらえ。坂本龍馬も食べたというシャモ肉は歯ごたえと濃厚な旨みが抜群だった。
香美市は、アンパンマンの生みの親であるやなせたかし氏の出身地。ミュージアムには子供はもちろん、大人の笑顔もあふれていた。子供たちのヒーローは、大人になっても永遠に心の中に生きているのだ。
旅の締めくくりに訪れた「湖畔遊（こはんゆう）」は、一転大人な雰囲気。自然に包まれ最高にリラックスできた。ただ、せっかく取り戻した童心は、まだ忘れずにいたい。
海洋堂SpaceFactoryなんこく
ものづくりを通じて南国市を盛り上げるべく誕生した施設。フィギュアの色塗り体験（1,100円）やジオラマづくり体験（1,650円～）は、大人も子供も没頭する面白さ。
南国市大そね甲1623-3 ☎088-864-6777 JAF優待
後免（ごめん）駅
土佐くろしお鉄道とJR四国の共同使用駅。後免町で少年時代を過ごしたやなせたかし氏がデザインした「ごめんえきお君」がお出迎えしてくれる。オープンデッキ型観光列車の「しんたろう号」もかわいい。
南国市駅前町2丁目 ☎088-863-2674
ごめんシャモ研究会/レストラン・グドラック
ごめんケンカシャモのすき焼き（1,500円）や親子丼（1,380円）が味わえるレストラン。「ほぼ地元でしか食べられない貴重な味。ぜひ食べに来て」と、ごめんシャモ研究会の立花智幸さん。
南国市明見933 ☎088-863-2161
西島園芸団地
花々が咲き乱れる楽園のような園内で一年中フルーツが味わえる。ソフトクリームがのった「メロンのしっぽ」（1,380円）はインパクト大！ マンゴーパフェ（1,080円）の果肉の甘さにも驚いた。
南国市廿枝600 ☎088-863-3167 JAF優待
香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム
貴重な絵本原画などが見られるギャラリー、過去のアニメを上映するシアター、ミュージアムショップ、アンパンマンの町を再現したジオラマなどがあり、誰もがアンパンマンの世界に夢中になれる空間。
香美市香北町美良布1224-2 ☎0887-59-2300 入館料800円
土佐刃物流通センター
3,000点以上のあらゆる土佐打刃物を販売。くじらナイフ（手前、各2,200円）は特にお土産に人気とのこと。
香美市土佐山田町上改田109 ☎0887-52-0467
轟（とどろ）の滝
3段に分かれた落差82ｍの大きな滝。展望所からの眺めもいいが、体力があればぜひ階段を下りて滝壺から大迫力の瀑布（ばくふ）を見上げてみて。滝までは狭い山道が続くので運転注意。
香美市香北町猪野々柚ノ木 ☎0887-52-9286（香美市役所香北支所地域振興班）
湖畔遊（こはんゆう）
物部川のダム湖のほとりにたたずむ、カフェ、温泉、ホテルを兼ね備えた大人のリゾート。県産食材にこだわった松花堂弁当（2,860円。カフェのランチで提供）をテラス席で鳥のさえずりを聞きつつ味わう時間は贅沢（ぜいたく）そのもの。
香美市香北町有瀬100 ☎0887-59-4777
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取材協力＝香南市、南国市、香美市
「日本の魅力、再発見」 掲載自治体のご紹介
JAF Mate Onlineに掲載していないドライブコースやおすすめスポットなども掲載！
JAF会員限定プレゼント 2023年8月31日（木）締切！
高知県・香南市、南国市、香美市 名産品プレゼント
魅力あふれる3市の名産品を合計9名様にプレゼント！
A WAGURI BAKE（香南市）
3名
地元の素材を生かした菓子作りを行う「菓子工房コンセルト」の人気商品。食べる前に少し温めると、国産和栗の香りが漂い、極上のティータイムに。12個入り。
B ガラス風鈴「海つ音（わたつね）」（南国市）
3名
「小さなガラス工房 透千」で制作。ほんのり緑がかったリサイクルガラスを使用し、鳴り子には花と鳥の透かし彫りが施されている。風が吹くと心地よい音色が響く。
C 土佐打刃物 ZAKURI 舟行（ふなゆき）包丁（香美市）
3名
香美市は国の伝統的工芸品に指定されている「土佐打刃物」の中心地。土佐打刃物の職人集団「ZAKURI」が手掛けたよく切れる包丁。刃渡り16.5㎝。
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2023年7月12日（水）～ 9月30日（土）、龍河洞（ドライブガイド掲載）に入洞する際、受付時にJAF会員証を提示のうえ「JAF Mate夏号を見た」とお伝えいただいた方に、オリジナルポストカード1枚を差し上げます。
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飯田安国
いいだ・やすくに 「ヤスクニさん」の愛称で親しまれる写真家。
東京・新橋生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで芸術を遊ぶ。
長年にわたり連載をもつ『JAF Mate』をはじめ、『翼の王国』など雑誌を中心に活躍。
現在、スマートロードスターをスニーカー代わりにしている。
香南市・南国市・香美市ドライブガイド
香南市、南国市、香美市には、四季折々で楽しめるスポットがたくさんあります。気になった場所をドライブで回り、その魅力を再発見してみませんか？
『JAFナビドライブ情報』 で、ご当地ドライブコースも公開中！
1.井上ワイナリー のいち醸造所＆SHOP
太平洋が見下ろせる高台にあるワイナリー。高知県産のぶどうから造られたワインの試飲や購入ができるほか、併設のカフェではスイーツも楽しめる。
香南市野市町大谷 1424-31 ☎0887-50-6694
2.黒潮温泉 龍馬の湯
美肌効果があるとされるアルカリ性の温泉を、露天風呂や貸切家族風呂（有料、事前予約制）で堪能。檜ひのき張りの広々としたサウナも完備。
香南市野市町東野1630 ☎0887-56-5900 入浴料800円
3.澤餅茶屋
1837年創業の老舗。ニッキが香る自家製あんこ入りの「お茶屋餅」は、多くの県民に愛されている。夕方には売り切れることもあるので午前中に行くのがおすすめ。
香南市夜須町手結1468 ☎0887-55-2948
4.高知県立月見山こどもの森
約20haの敷地が花木の森、史跡の森、わんぱくの森など5つのゾーンに分かれており、自然の中でのびのびと遊べる。木製アスレチックやキャンプ場も備えている。
香南市香我美町岸本1269-7 ☎0887-55-1682
5.創造広場「アクトランド」
すべて人力のオリジナル遊具が無料で遊べるわんぱく広場をはじめ、坂本龍馬や絵金についての展示館など、大人も子供も楽しめるコンテンツが集結。
香南市野市町大谷928-1 ☎0887-56-1501
6.天然色市場
高知のお土産はもちろん、新鮮な野菜や魚も手に入るおしゃれな直売所。ドリンクやサンドイッチなどの軽食も提供しており、ドライブ途中の立ち寄りに最適。
香南市吉川町吉原1841-2 ☎0887-53-9799
7.前浜掩体（えんたい）群
田園風景の中に、第二次世界大戦中に使用された飛行機格納庫「掩体」が7基点在し、保存されている。前浜公民館に駐車場があり、徒歩1時間程度で回れる。
南国市前浜 ☎088-802-6062（南国市生涯学習課）
8.天然の湯 ながおか温泉
刺激が少なくやさしい肌触りのナトリウム-塩化物温泉を、露天風呂はもちろん寝湯やうたせ湯でも満喫できる。水着着用で入れる温泉水プールも完備。
南国市下末松106 ☎088-864-6300 入浴料900円
9.小さなガラス工房 透千（とーち）
蛍光灯リサイクルガラスを溶解して吹きガラスに再利用し、ガラス作品を制作。グラスや一輪挿しなどを作る吹きガラス体験も可能で、初心者でも丁寧にサポートしてくれる。
南国市十市3062 ☎070-5680-9307
10.noi
お肉料理やパスタなどの洋食やおつまみを取り揃えるカフェダイニング。落ち着いた雰囲気の店内には個室利用できる座敷もあり、子供連れでも過ごしやすい。
南国市元町1-1-20 ☎088-874-3707
11.高知県立歴史民俗資料館
県内唯一の歴史系総合博物館。長宗我部（ちょうそかべ）氏に関する資料も展示。「れきみん！サマーミュージアム」を7月27日、8月13日、26日に開催。
南国市岡豊町八幡1099-1 ☎088-862-2211 観覧料520円（企画展開催時）
12.土佐国分寺
行基によって741年に創建された歴史をもつ古刹（こさつ）。四国八十八か所巡りの第二十九番霊場で、お遍路さんが多く訪れる。庭園を眺めながらお抹茶がいただけるお寺カフェを併設。
南国市国分546 ☎088-862-0055
13.紀貫之（きのつらゆき）邸跡
『土佐日記』の作者で『古今和歌集』の撰者でもある紀貫之が国司として赴任した際の居住地と推測される場所。邸跡の隣には、「古今集の庭」も整備されている。
南国市比江 ☎088-802-6062（南国市生涯学習課）
14.道の駅南国 風良里（ふらり）
地元のお土産が並ぶ物産館や、カツオのたたきやはちきん地鶏など土佐ならではの料理が味わえる食事処、新鮮な野菜が手に入る直売所が揃い、ドライブ中の休憩にぴったり。
南国市左右山102-1 ☎088-880-8112
15.龍河洞（りゅうがどう）
★プレゼントあり
日本三大鍾乳洞（しょうにゅうどう）のひとつ。大きさも形もさまざまな鍾乳石や洞内を流れる滝など見所満載。観光コースのほか、事前予約制の冒険コースも。
香美市土佐山田町逆川1424 ☎0887-53-2144 料金1,200円
16.香北（かほく）の自然公園
地元出身のキャスター・福留功男氏の寄付により開園。約300種の草花が四季折々に咲き誇る。ガイドツアーあり（3日前までに要予約）。
香美市香北町美良布2441 ☎0887-52-9286（香美市役所香北支所地域振興班）
17.ザ・シックスダイアリー かほくホテルアンドリゾート
やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムに隣接。客室にはやなせたかし氏の複製画が飾られ、キッズアメニティも充実。お子様連れの旅行に最適。
香美市香北町美良布1224-2 ☎0887-59-2380
18.韮生（にろう）の里 美良布（びらふ）直販店
道の駅美良布内にあり、地元産の野菜、果物、加工品等を販売する直売所。隣接する「キッチン韮生の里」では、日替わり定食やケーキセットを提供している。
香美市香北町美良布1211 ☎0887-59-3156
19.香美市立吉井勇記念館
「ゴンドラの唄」の作詞で知られる吉井勇が3年間隠棲した山里で、自筆の作品などを展示。彼が過ごした「渓鬼荘（けいきそう）」（写真）は当時の面影をしのばせる。
香美市香北町猪野々514 ☎0887-58-2220 入館料420円
20.べふ峡温泉
物部川源流域の渓谷「べふ峡」にある温泉旅館。物部川の清流と山々を眺められる開放感あふれる大浴場は、日帰りでの入浴も可能。
香美市物部町別府452-8 ☎0887-58-4181 入浴800円
