写真:岡崎城は、竹千代(家康公の幼名)が生を受けた神君出生の城。竹千代誕生時は城の上空に黄金の龍が現れたと伝えられ、「日本100名城」にも選定されている。 岡崎市康生町561-1 ☎0564-22-2122 入館料300円 駐車場有料 JAF優待

「家康公」のふるさとで天下人を身近に感じる旅~愛知県・岡崎市、豊田市、新城市

愛知県・岡崎市、豊田市、新城(しんしろ)市
撮影=飯田安国

日本全国をドライブで旅する「日本の魅力、再発見」。今回は、大河ドラマで話題沸騰中の愛知県・岡崎市、豊田市、新城市を巡ります。いまも地元の方々に愛される天下人「家康公」を身近に感じられた旅でした。

目次

岡崎市

穏やかな時が旅人を迎える
天下人のふるさと

大河ドラマ人気で注目度が高まる岡崎市。

家康の幼少期と20代の本拠地だった同地にはゆかりの史跡も多いが、まずは市のシンボルになっている岡崎城へ。取材前に数台の車しかなかった駐車場がわずか数時間で一杯になるのを見て、驚きとともに岡崎での家康ブームを実感する。

臨時のお土産販売所もにぎわっているなど活気に満ちた雰囲気がありつつも、城を中心に整備された岡崎公園は敷地が広いので、人混みを感じることなく観光することができた。

市内を散策すると、街の造りも余裕を持っている印象だ。たとえば大樹寺(だいじゅじ)と岡崎城とを結ぶ直線上には、3代将軍・徳川家光の意向を汲(く)んで、今でも視界を遮るものがない。

そして街の人々は地元の英雄を称(たた)えるかのように、今も「家康公」と口にする。天下人への親しみと敬愛の念を、江戸から続く時の流れに留(とど)めたような街なのだった。

どうする家康 岡崎 大河ドラマ館

【どうする家康 岡崎 大河ドラマ館】
メイキング映像や役者陣の写真でドラマの世界観を再現するほか、史実に基づく資料も同時展示。周辺では岡崎大河ドラマ館応援隊でもある“グレート家康公「葵(あおい)」武将隊”に会えることも。
岡崎市康生町561-1 ☎0564-25-1883 入館料800円 駐車場有料 JAF優待

大樹寺山門からのビスタライン 大樹寺にある家康像

【大樹寺山門からのビスタラインと位牌堂に祀(まつ)られる家康像】
大樹寺と岡崎城を結ぶ約3kmの直線は「ビスタライン」と呼ばれ、今でも山門から城を望める。戦で敗れ自害を覚悟した家康が、住職の説得で翻意したとの逸話も。宝物殿には家康の木像がある。
岡崎市鴨田町広元5-1 ☎0564-21-3917 宝物殿拝観料500円 駐車場有料

伊賀八幡宮

【伊賀八幡宮】
松平家の守護神として創建され、家康も大きな合戦の前には必ず参詣したといわれる。家光が家康(東照大権現)を祀るため整備した境内は、写真の隨神門をはじめほとんどが国の重要文化財に指定。
岡崎市伊賀町東郷中86 ☎0564-26-2789

いちかわのみそかつと木の芽田楽 いちかわの徳川家康公パフェ

【いちかわ】
岡崎城のお膝元で1927(昭和2)年の創業から来訪者を見守り続ける食事処で、八丁味噌にこだわったさまざまな料理を堪能できる。写真は人気のみそかつ(980円)、木の芽田楽(530円)、徳川家康公パフェ(960円)。
岡崎市康生町515 岡崎公園内・隠居曲輪 ☎0564-22-2479 駐車場有料

和泉屋のくずもちバー

【和泉屋】
和菓子職人が生んだ新感覚の溶けないアイス・くず餅バー(220円)。独特のシャリシャリ感と、ジュースでは出せない生フルーツならではのフレッシュさに一口食べてびっくり。全国から問い合わせが殺到するのも頷(うなず)ける。
岡崎市康生通西2-6 ☎0564-23-3941

かしやまバーベキューの白金喜氷

【かしやまバーベキュー】
のどかな男川沿いに店を構えて半世紀、自慢のバーベキューや季節料理が堪能できる。ぬかた地区の名水を用いた「おかざきかき氷街道」の一店舗としても知られ、写真の白金喜(しらがねきなこ)氷(1,100円)はさっぱりとした甘さ。
岡崎市樫山町月秋78 ☎0564-82-3130

豊田市・新城市

奥行き深き
ゆかりの地で感じる
天下泰平の礎

家康の面影にもっと触れたくて、隣接する豊田市と新城市にも足を延ばしてみる。当初は漠然と平野をイメージしていたのだが、実際は意外なほど起伏に富んでおり、川が多い印象だ。どの川も清らかに澄んで、改めて自然豊かな土地なのだとわかる。

そんな地形を生かした「さなげアドベンチャーフィールド」ではオフロード走行の限界を体験。また「トヨタ会館」では車の製造過程や環境への取り組みなどに触れられた。

一方、徳川三百年の礎となった松平郷をはじめ、まさに深山幽谷の松平東照宮など、家康を中心に松平や徳川との関わりを感じさせる史跡もあり、奥行きが深い。

江戸時代の「織田がつき 羽柴がこねし 天下もち 座りしままに 食ふは徳川」という狂歌から生まれた天下もちを松平郷で食していると、「天下人・家康」が教科書の人物ではなく、かつてこの地で暮らした一人の人間として感じられ、距離が縮まる思いだった。

さなげアドベンチャーフィールド

【さなげアドベンチャーフィールド】
本格オフロード走行で4WDの真価を体験できる施設。持ち込み走行は1時間2,200円、レンタル走行は1周2,310円から。写真は通常マイカーでのみ走れる上級者コースにて、インストラクターの運転で撮影。
豊田市伊保町向山16-1 ☎0565-46-5551 JAF優待

豊田大橋と豊田スタジアム

【豊田大橋と豊田スタジアム】
矢作(やはぎ)川に架けられた恐竜の骨を思わせるユニークな豊田大橋と、渡った先の豊田スタジアムはともに黒川紀章の作。豊田スタジアムは名古屋グランパスのホームスタジアムで、サッカー専用としては日本で2番目の規模。
豊田市千石町7-2 ☎0565-87-5200(豊田スタジアム)

トヨタ会館

【トヨタ会館】
日本を牽引(けんいん)する企業となったトヨタの「今」を体感できる施設。物販コーナーではオリジナルのお土産や入手が難しいグッズの販売もあり、車好きは要チェック。また、無料の館内見学ツアーも実施されている。
豊田市トヨタ町1 ☎0565-29-3345

松平東照宮の「産湯の井戸」 天下茶屋の「天下もち」セット

【松平氏発祥の地 松平郷】
家康と松平氏初代・親氏(ちかうじ)を祀る松平東照宮は、竹千代誕生時に汲んだと伝わる「産湯の井戸」が残る。みたらしを信長と秀吉、あんこを家康に例えた「天下もち」セット(680円)も人気。
豊田市松平町赤原9-1 ☎0565-58-1629(松平郷ふるさとづくり委員会)

馬防柵

【長篠設楽原(ながしのしたらがはら)古戦場の馬防柵】
新東名「新城IC」からすぐ、かつて決戦があったとは思えないほど静かな山間(やまあい)の田園地帯に、長篠の戦いで有名な馬防柵が再現。6月の「決戦場まつり」では長篠・設楽原鉄砲隊(写真)の演武が行われる。
新城市竹広新津3 ☎0536-22-0673(新城市設楽原歴史資料館)

鳳来山東照宮

【鳳来山(ほうらいさん)東照宮】
鳳来寺山はもともと703年に開山した奥三河の霊山で、家康誕生にまつわる秘話が残る。その話に感銘を受けた家光により1651年、東照宮が建立された。現在は山全体が名勝・天然記念物に指定。
新城市門谷鳳来寺4 ☎0536-35-1176 駐車場有料

こんたく長篠

【こんたく長篠】
JA愛知東が経営する焼肉レストラン。希少さと美味で知られる「鳳来牛」を扱っているため、県外から通うファンも多い。いろいろな部位が楽しめる「お肉盛り合わせBセット」(4,780円)がおすすめ。
新城市長篠西野々30 ☎0536-32-0002

※JAF優待の内容や利用方法などの詳細は、記事内の各施設「JAF優待」をクリックしてください。JAFナビ からも検索可能です。
※記載のデータは2023年3月現在のもので、料金は大人1名分です。変わる場合もありますので、お出かけ前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの影響により、掲載の内容が変更・中止となる場合がございます。事前にご確認のうえ、ご利用ください。
取材協力=岡崎市、豊田市、新城市

「日本の魅力、再発見」 掲載自治体のご紹介

JAF Mate Onlineに掲載していないドライブコースやおすすめスポットなども掲載!

【終了しました】JAF会員限定プレゼント 2023年5月31日(水)締切!

【終了しました】愛知県・岡崎市、豊田市、新城市 名産品プレゼント

魅力あふれる3市の名産品を合計9名様にプレゼント!

岡崎名産品詰め合わせ

A 岡崎名産品詰め合わせ
3名
八丁味噌を使用したみそだれ、味噌煮込うどん、かりんとう、ブランド鶏・岡崎おうはんの卵を使ったたまごサブレのほか、備前屋の手風琴(てふうきん)のしらべ、岡崎茶の詰め合わせ。

鳳来牛

B 鳳来牛
3名
鳳来牛は流通量が少なく、市場にほとんど出回らない希少なブランド牛。「肉の旨み」と「脂の甘み」が口いっぱいに広がるお肉をお届け(部位や量はおまかせとなります)。

菓子処 松華堂「さなげの桃ゼリー」 9個入り

C 菓子処 松華堂 「さなげの桃ゼリー」 9個入り
3名
中に桃の果肉が入っているだけでなく、ゼリー部分にも桃ピューレが使われているため、食べた瞬間から「桃」の風味が感じられる。桃好きなら一度は食べてほしい逸品。

  • 写真はすべてイメージです。
  • ウェブ応募のみとなります。
  • 応募は1名様1回のみ可能。応募後の応募内容の変更はできません。
  • 応募方法:上記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
  • 応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
  • 当選者数:9名(当選者にのみ、2023年7月中旬までに当選通知を発送いたします)
  • 応募締切:2023年5月31日(水)
  • 2023年2月「日本の魅力、再発見」プレゼント応募総数は2,750件でした。たくさんのご応募ありがとうございました。

ドライブスタンプラリー開催!

2023年4月20日(木)~8月31日(木)、どうする家康 岡崎 大河ドラマ館など、岡崎市内の対象10か所の施設を巡り、スタンプを集めて応募すると抽選で素敵な賞品が当たる「~家族で家康の生誕地へ~イエヤスタンプラリーin岡崎」を開催!

ドラスタPR画像

飯田安国

いいだ・やすくに 「ヤスクニさん」の愛称で親しまれる写真家。 東京・新橋生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで芸術を遊ぶ。 長年にわたり連載をもつ『JAF Mate』をはじめ、『翼の王国』など雑誌を中心に活躍。 現在、スマートロードスターをスニーカー代わりにしている。

岡崎市・豊田市・新城市 ドライブガイド

岡崎市、豊田市、新城市には、四季折々で楽しめるスポットがたくさんあります。気になった場所をドライブで回り、その魅力を再発見してみませんか?

1.NEOPASA岡崎

新東名・豊田東JCT~浜松いなさJCT間にある、東海最大級の上下集約型サービスエリア。名古屋コーチンや海の幸など、愛知のグルメを中心に16店舗が揃う。 岡崎市宮石町10-4 ☎0564-64-5592

2.カクキュー八丁味噌

江戸初期から伝統製法の八丁味噌を造り続ける味噌蔵で、味噌蔵や史料館を見学できるほか、1927(昭和2)年に建築されたモダンな本社屋など、歴史ある建物も見て楽しめる。 岡崎市八丁町69 ☎0564-21-1355

3.岡崎公園

岡崎城を中心に整備された公園。家康公を模した人形が能を舞うからくり時計や、家康生誕時の竜神伝説にあやかった龍城(たつき)神社などを散策しながら楽しめる。 岡崎市康生町561-1 ☎0564-22-2122(岡崎城) 駐車場有料

4.東公園

バンテリンドーム約5個分の面積を誇る公園で、園内には無料動物園や、子供たちに人気の恐竜のモニュメント、秋にはライトアップされた見事な紅葉など、四季折々で楽しめる。 岡崎市欠町大山田1 ☎0564-24-0050

5.カフェ柚子木(ゆずき)

有機栽培の柚子を使ったメニューが中心のカフェ。かき氷街道・鮎めし街道の一店で、明治時代の幻の喫茶店メニュー「焼き氷」(1,500円)などオリジナルメニューも。 岡崎市石原町帝口38 ☎0564-83-2069

6.IPCわんわん動物園

世界のワンちゃんと触れ合えるテーマパーク。お部屋でゆったりしたり、一緒にお散歩したり、あなた好みのひとときを。ペットのワンちゃんも入園可。 岡崎市大平町川田46-1 ☎0564-26-3884 入園料1,280円

7.おかざき鮎(あゆ)めし街道

かき氷街道があるぬかた地区は鮎も有名で、鮎料理と幻のお米「ミネアサヒ」を提供する7店舗を「おかざき鮎めし街道」としてPR。写真は「一升」の「あゆめしコース」。 ☎0564-23-6206(岡崎市ぬかたブランド協議会)

8.道の駅 藤川宿

かつて東海道の宿場町として栄えた藤川町にある道の駅。岡崎土産を扱う「きらり岡崎コーナー」のほか、宿場町出入を示す「棒鼻跡」など、当時をしのばせる石碑も。 岡崎市藤川町東沖田44 ☎0564-66-6031

9.旭高原元気村

WRC(世界ラリー選手権)のコースにもなった国定公園のキャンプ場。テントサイトやバーベキュー場、天文台、ふれあい動物園などさまざまなシチュエーションで自然を満喫できる。 豊田市旭八幡町根山68-1 ☎0565-68-2755

10.猿投(さなげ)温泉 日帰り温泉岩風呂 金泉の湯

希少な100%天然のラドン温泉が楽しめる温浴施設。愛知県で初めて飲泉許可を得た「飲める温泉」でもあり、体の内外から温泉成分を楽しめる。 豊田市加納町馬道通21 ☎0565-45-5800 入浴料1,580円

11.鞍ケ池(くらがいけ)公園

園内には32のアクティビティを備えるアスレチック「フォレストアドベンチャー」や、スノーピークが運営する「パークフィールド」などがあり、大人から子供まで満足できる。 豊田市矢並町法沢713-2 ☎0565-80-5310

12.豊田市美術館

1995年の開館以来、19世紀後半以降の美術作品を中心に展示を行う美術館。谷口吉生による建物もモダニズム建築として高い評価を得ている。 豊田市小坂本町8-5-1 ☎0565-34-6610

13.おいでん市場

豊田市内の若手農家の団体「夢農人(ゆめのーと)」メンバーが育てたお肉や野菜など新鮮食材を取り揃えるほか、海産物や特産品もあり、豊田市のお土産購入にもってこいの場所。 豊田市元宮町5-57-1 ☎0565-77-7582

14.四谷の千枚田

標高883mの鞍掛山(くらかけやま)の麓に広がる高低差約200mの棚田。420枚の田んぼが並ぶ日本の原風景ともいえる光景は「日本の棚田百選」にも選ばれている。 新城市四谷 ☎0536-29-0829(新城市観光協会)

15.奥三河 湯谷(ゆや)温泉 はづ木

1300年の歴史をもつ湯谷温泉にある旅館。深山幽谷の景観に、昭和初期に建築された純木造数寄屋造りの建物、約20種類の生薬を使った薬膳懐石など、癒やしの旅を堪能できる。 新城市豊岡滝上45-1 ☎0536-32-1211

16.阿寺(あてら)の七滝

7段の階段状に水が流れることが名前の由来となった滝。周辺は神秘的な雰囲気が漂い、若き日の安倍晴明が修行したとの伝承も。「日本の滝百選」選出。 新城市下吉田沢谷下 ☎0536-29-0829(新城市観光協会)

17.長篠設楽原PA(下り)

長篠の戦いがコンセプトのパーキングエリア。織田徳川連合軍の本陣を模した外観や、レプリカの火縄銃・日本刀の販売などが特徴。一般道からもアクセス可能。 新城市富永住居田33-3 ☎0536-25-7710

18.長篠城址史跡保存館

「日本100名城」のひとつ、長篠城跡にある史跡保存館で、長篠の戦いを資料とともに時系列で紹介。周辺には関連史跡もあるので、併せて訪れたい。 新城市長篠市場22-1 ☎0536-32-0162 入館料220円

19.新城市設楽原歴史資料館

戦国時代のターニングポイントである長篠の戦いと、幕末に締結された日米修好通商条約の立役者で同地出身の岩瀬忠震(ただなり)の2つにフォーカスした資料館。 新城市竹広信玄原552 ☎0536-22-0673 入館料330円

20.ラリージャパン

2023年11月16日(木)~19日(日)の日程で、世界最高峰のラリーシリーズであるWRCの日本ラウンド・ラリージャパンが開催予定。豊田スタジアムを中心に、愛知・岐阜エリアを限界ギリギリで疾走するマシンを見届けよう!

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