写真:神子畑鋳鉄橋(みこばたちゅうてつきょう) 神子畑鉱山で採れた鉱石の運搬用に建設され、明治18年に完成。現存する全鋳鉄製の橋としては国内最古で、国の重要文化財に指定されている。朝来市佐嚢水田1637-7 ☎079-666-8002(鉱石の道神子畑交流館「神選」)

過去との架け橋~兵庫県・朝来市、養父市、宍粟市、佐用町

兵庫県・朝来(あさご)市、養父(やぶ)市、宍粟(しそう)市、佐用(さよう)町
撮影=飯田安国

日本全国をドライブで旅する「日本の魅力、再発見」。今回は、兵庫県北中部に位置する朝来(あさご)市、養父(やぶ)市、宍粟(しそう)市、佐用(さよう)町のドライブスポット32か所を巡ります。天空の城と称される竹田城跡や生野銀山などの史跡紹介や、但馬(たじま)牛の牛巻や発酵食、佐用町名物のホルモン焼うどんなどのグルメも目白押しです。

目次

朝来(あさご)市、養父(やぶ)市

城跡と鉱山を巡り歴史ロマンに思いを馳せる

但馬地方に属する朝来市と養父市。"天空の城"と称される竹田城跡のほか、かつて日本が資源大国として栄えた歴史を物語る史跡も残されている。
鉱石を馬車で運搬するために耐久性のある鋳物で造られた、神子畑鋳鉄橋。フランス人が設計し、イギリスから部品を取り寄せたそうだ。山の中にこんな明治ロマンがあるとは。明治の人々が豊かで強い日本を切望し、この地域の鉱山に注力していたことが想像できる。
生野銀山は807年に発見され、長らく手掘りで採掘が行われていた。坑道の総延長は350㎞以上、地下880mに及ぶ。残されたノミの跡から、先人の努力や苦労がしのばれる。
明延鉱山は1987年まで操業していた鉱山で、機械を使って近代的な採掘が行われた。「坑道も機械も当時のそのままの状態なので、生野銀山とは違った魅力がありますよ。ぜひ足を延ばして」と、ガイドの吉田さん。両方見ることで、歴史への理解が深まった。

生野(いくの)銀山
坑道を約40分で回れる。あちこちにいる坑夫らを模した人形たちは"超スーパー地下アイドル"「GINZAN BOYZ」として活動しているという設定も。写真は栄作くん。推しメンを見つけてみよう。朝来市生野町小野33-5 ☎079-679-2010 入場料1,000円

竹田城跡
15世紀に築かれたとされる山城跡。野面(のづら)積みの石垣が見所。「山城の郷」駐車場から城跡の入り口まで徒歩40分(バスかタクシーで短縮可能)。1月4日〜2月は閉山。朝来市和田山町竹田363 ☎079-674-2120(情報館天空の城) 入場料500円

名草(なぐさ)神社
妙見山中腹の山中にある神社。高さ23.9mの三重塔はもともと出雲大社にあったもので、江戸時代に出雲大社に杉を提供したお礼として贈られた。冬期は積雪のためアクセス不可。養父市八鹿町石原1755-6 ☎079-663-1515(やぶ市観光協会)

道の駅 但馬(たじま)のまほろば
優れた道の駅として、重点「道の駅」に選定。大人気の「但馬牛 牛巻」(5切れ入り590円)は甘めの牛肉と米が相性抜群。売り切れる場合もあるのでお早めに。朝来市山東町大月92-6 ☎079-676-5121 JAF優待

道の駅 ようか但馬蔵
名物の「朝倉山椒」を使ったソフトクリーム(480円)は大人がやみつきになる味。「八鹿豚」を100%使用した八鹿豚まん(320円)はジューシーな肉のうまみを堪能できる。養父市八鹿町高柳241-1 ☎079-662-3200

明延(あけのべ)鉱山
ガイドの案内でのみ見学可能。4~11月第1週まで日曜見学会を開催。それ以外の日は3日前までに要予約(入場料1,200円)。昭和時代に運賃1円で明延~神子畑間を結んだ「一円電車」(右写真)の体験乗車会は4~11月の第1日曜に開催。養父市大屋町明延1184 ☎079-668-0258 JAF優待

宍粟(しそう)市、佐用(さよう)町

日本酒発祥の地とひまわりの咲く町で自然と食を味わう

宍粟市は面積の9割を森林が占めており、豊かな自然と清流が自慢。その恩恵を受け、日本酒が盛んに造られてきた。『播磨国(はりまのくに)風土記』の記述によれば、宍粟市は"日本酒発祥の地"なのだという。
老松酒造で酒蔵ならではの発酵食ランチをいただいた。「食事は健康のために必要だけれど、体を疲れさせてもいるんです。発酵食はその負担が軽減するんですよ」と、お店を切り盛りする前野久美子さん。その言葉どおりおだやかな満腹感で、体が温まるような感覚にもなった。
佐用町は、夏に合計数十万本が咲き誇る関西最大級のひまわり畑と、約70年の歴史を持つB級グルメ、ホルモン焼きうどんが名物。ひまわり油をお土産に買い、あつあつのホルモン焼きうどんをほおばり、大満足。最後に飛龍の滝へも足を延ばし、光る水しぶきと心地よい水音が、旅の美しい思い出となった。

赤西(あかさい)渓谷
赤西川の清流と森林が美しい渓谷。秋は紅葉が見事。渓谷内は車両通行禁止のため、徒歩で楽しむか、電動アシスト付きマウンテンバイクを「道の駅はが」でレンタルするのがおすすめ(30分500円~)。宍粟市波賀町原 ☎0790-63-3127(宍粟市商工観光課)

老松(おいまつ)ダイニング
1768年創業の老松酒造による、もろみや麹などを使用した発酵食を提供するレストラン。特に年配の女性に人気だそうだが、写真の発酵 繋(つながり)ランチ(2,310円)は男性でも大満足のボリュームだった。宍粟市山崎町山崎12 ☎0790-62-2345

宿場町 平福(ひらふく)
江戸時代に因幡街道随一の宿場町としてにぎわった場所で、なまこ壁や、うだつが残る屋敷や土蔵が見られる。散策にぴったり。佐用町平福 ☎0790-82-0670(佐用町商工観光課)

南光ひまわり館
佐用町のひまわりの種を圧搾したひまわり油などを製造・販売。ひまわり油はオレイン酸やビタミンEが豊富で、料理にかけるとコクがプラスされる。佐用町船越232-1 ☎0790-77-0766

飛龍の滝
落差16mの大きな滝。ここでNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のタイトルバックが撮影されたそう。駐車場から徒歩1分ほどで滝に行ける気軽さも魅力。佐用町櫛田 ☎0790-82-0670(佐用町商工観光課)

ホルモン焼きうどんお多福
ホルモンは好きな部位を選べ、鉄板で焼いてもらえる(写真手前はホルモン、アバラ、ブタ入り。約2人前2,100円)。醤油ベースのつけだれにつけて食べるのが佐用スタイル。佐用町佐用3506 ☎0790-82-4000

※JAF優待の内容や利用方法などの詳細は、記事内の各施設「JAF優待」をクリックしてください。JAFナビ からも検索可能です。
※記載のデータは2023年9月現在のもので、料金は大人1名分(税込)です。変わる場合もありますので、お出かけ前にご確認ください。
取材協力=朝来市、養父市、宍粟市、佐用町

「日本の魅力、再発見」 掲載自治体のご紹介

JAF Mate Onlineに掲載していないドライブコースやおすすめスポットなども掲載!

【終了しました】JAF会員限定プレゼント

【終了しました】朝来市、養父市、宍粟市、佐用町 名産品プレゼント

魅力あふれる4自治体の名産品を合計12名様にプレゼント!

朝来市お土産セット(朝来市)
3名

天空の翔けしょうゆ、醤油蔵のごまふりかけ、金山寺みそわさび風味、竹田城ジグソーパズルなど、竹田城跡にゆかりのお土産をセットでお届け。

やぶ市からふるさとの便り(養父市)
3名

風光明媚な養父にある但馬醸造所が手掛ける醸造酢のセット。赤酢、ゆずぽん酢、塩ぽん酢、飲料酢の養父ジンジャーのほか、ゆず山椒とバラエティ豊か。

「三笑」セット(宍粟市)
3名

宍粟市に現存する二つの酒蔵が、かつて同地で生産されていた銘酒を再現。銘柄が赤で書かれたのが山陽盃酒造、銀で書かれたのが老松酒造の品。

さよう里の美食セット(佐用町)
3名

旨み、甘み、香りが特徴のさよひめ米、豆本来の味が楽しめる甘納豆、300年以上の伝統を誇る三年醤油など、佐用の美食の詰め合わせ。

  • 写真はすべてイメージです。
  • Web応募のみとなります。
  • 応募は1名様1回のみ可能。応募後の応募内容の変更はできません。
  • 応募方法:上記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
  • 応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
  • 当選者数:12名(当選者にのみ、2024年1月中旬までに賞品を発送いたします)
  • 応募締切:2023年11月30日(木)

ドライブスタンプラリー開催!

2023年11月1日(水)~2024年1月31日(水)、「清らかな水と山城のさと西播磨をめぐるスマホDEドライブスタンプラリー」第2弾「秋・冬版」を開催。西播磨の歴史と夏とは違った自然を感じる「山城」満喫3コースをめぐってステキな賞品を当てよう!

飯田安国

いいだ・やすくに 「ヤスクニさん」の愛称で親しまれる写真家。 東京・新橋生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで芸術を遊ぶ。 長年にわたり連載をもつ『JAF Mate』をはじめ、『翼の王国』など雑誌を中心に活躍。 現在、スマートロードスターをスニーカー代わりにしている。

朝来市・養父市・宍粟市・佐用町 ドライブガイド

朝来市、養父市、宍粟市、佐用町には、四季折々で楽しめるスポットがたくさんあります。気になった場所をドライブで回り、その魅力を再発見してみませんか?

1.竹田城 城下町ホテル EN(えん)

築100年超の酒蔵を改修し、2013年にオープン。ホテルにレストランやショップなどが併設され、レストランでは地元の旬の食材を使ったコース料理を提供している。朝来市和田山町竹田上町西側363 ☎0120-210-289

2.立雲峡

秋の早朝にのみ現れる雲海と、その上に浮かぶ竹田城跡を展望できる。写真は展望台から竹田城跡に向かって伸びる「光の道天望所」。朝来市和田山町竹田 ☎079-674-2120(情報館天空の城) 入場料300円

3.道の駅あさご

1993年、道の駅制度が始まった際に登録された施設。朝来市の中心に位置し、主要観光地へのアクセスも良い。冬は"幻のねぎ"といわれる岩津ねぎを販売。朝来市多々良木213-1 ☎079-678-0808

4.黒川温泉美人の湯

緑豊かな渓谷にある温泉施設。炭酸水素イオンを多く含むアルカリ性単純温泉は美肌効果が期待できる。ご当地グルメを提供する食事処やお土産処も。朝来市生野町黒川457-1 ☎079-679-2067 入浴料700円

5.あさご芸術の森美術館

6,000㎡の広さを誇る彫刻庭園と屋内美術館で構成される芸術空間。朝来市出身の彫刻家・淀井敏夫らの作品を屋内外に常設展示し企画展も随時開催。朝来市多々良木739-3 ☎079-670-4111 入場料500円

6.フォレストアドベンチャー・朝来

全国に40以上あるフォレストアドベンチャーの中でも高難易度でスリル満点のアクティビティが揃う。初心者でも、ハーネスを装着して安全に楽しめる。朝来市佐嚢66 ☎090-6739-2195 利用料4,000円

7.神子畑選鉱場跡(みこばたせんこうじょうあと)

明延鉱山で採掘した鉱石から錫や銅などを選り分けるための施設で、かつては東洋一の規模を誇った。現在は写真映えする廃墟として人気に。朝来市佐嚢1842-1 ☎079-666-8002(鉱石の道神子畑交流館「神選」)

8.養父神社

2,000年以上の歴史を持つとされ、但馬五社のひとつに数えられる古社。農業の神様が祀られ、「養父の明神さん」として地元の人々の信仰を集めてきた。紅葉の名所としても有名。養父市養父市場 ☎079-665-0252

9.道の駅 但馬楽座

牛炙り丼(写真)や但馬牛100%のハンバーグが人気のレストランをはじめ、天然温泉、ホテル、コンビニなどが揃う、充実した道の駅。旅行やスキーの立ち寄りに最適。養父市上野299 ☎079-664-1000

10.お箸紫(はし)

蛇紋岩米、経産但馬牛、八鹿豚、但馬野菜など、養父市や但馬地方の食材をふんだんに使用したメニューが並ぶ食事処。座敷やお子様メニューもあり、家族で過ごしやすい。養父市八鹿町高柳250-2 ☎079-660-1991

11.山田風太郎記念館

伝奇小説『魔界転生』を著した養父市出身の作家・山田風太郎の直筆原稿、写真、愛用品などを展示。執筆に使われた机や椅子を運び込み書斎を再現した一角も。養父市関宮605-1 ☎079-663-5522 入場料300円

12.道の駅 ちくさ

愛犬と一緒にバーベキューや川遊びができる。リードを外して遊べるドッグラン、鹿肉を使ったドッグフードの提供・販売など、犬向けのサービスが充実。宍粟市千種町下河野745-5 ☎0790-76-3636

13.伊沢の里

日本庭園を眺めながら入浴できる露天風呂や、昼御膳(写真)など里山の恵みを堪能できる食事処を兼ね備えた宿泊施設。宍粟市山崎町生谷214-1 ☎0790-63-1380 入浴料650円(日帰り)

14.山陽盃(さんようはい)酒造

日本酒「播州一献」やりんご酒「CIDRE RonRon」を醸造する1837年創業の酒蔵。蔵に併設されたストアでは、酒はもちろんオリジナルグッズや宍粟市の名産品も販売。宍粟市山崎町山崎28 ☎0790-62-1010

15.兵庫県立国見の森公園

楽しく自然と触れ合い、自然の大切さを学べる公園。山や森の中をすいすい走れる、電動アシスト付きマウンテンバイクのレンタルも行っている。宍粟市山崎町上比地374 ☎0790-64-0923

16.利神(りかん)城跡

標高373.3mの利神山頂にある、別名「雲突城」。ガイドの案内でのみ天守丸まで入山可能。ガイドツアーはウェブサイトから要予約。佐用町平福 ☎0790-82-0670(佐用町商工観光課) 料金3,000円(ガイドツアー)

17.道の駅 宿場町ひらふく

宿場町・平福の土蔵群のすぐそばに位置しており、散策の拠点にぴったり。食事処やお土産処はもちろん、利神城跡を遠望できる展望台もある。佐用町平福988-1 ☎0790-83-2373

18.佐用の湯

ゴルフ場やコンドミニアムを擁する佐用スターリゾート内にある、自然に囲まれた天然温泉施設。泉質はやわらかく、肌の弱い人でも安心して楽しめる。佐用町横坂669 ☎0790-82-3426 入浴料800円

19.上月(こうづき)城跡

戦国時代には織田と毛利の勢力の境界に位置し、「上月城の戦い」の戦場となった山城の跡。山頂や麓には戦死者の供養塔が立ち、要衝であったことがうかがえる。佐用町寄延 ☎0790-82-0670(佐用町商工観光課)

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