高速道路で毎回トラブル発生!? 村上佳菜子のスケート強化合宿の思い出〈松田聖子 / 瑠璃色の地球〉

小学生のとき、ノービスというカテゴリー（小学3〜6年生）にいるフィギュアスケート選手の強化合宿があって、毎年、地元の名古屋から長野県の野辺山までお母さんの運転で行っていました。その間は竹内まりやさんや松田聖子さん、中森明菜さんの曲をカセットテープでずっと聴いてたんです。

お母さんは運転しながら、松田聖子さんの「瑠璃色の地球」や、竹内まりやさんの「元気を出して」「駅」を何回も何回も歌うんですよ。子供ながらになかなかしんどいなと思いながら聴いてましたね（笑）。今でもその曲を聴くと合宿を思い出します。

かなりの時間をお母さんが運転するクルマの中で過ごしたので、いろいろな事件がありました。中でも忘れられないのが、野辺山での合宿から帰る途中、隣を走っていたトラックからバチバチ！ と音が聞こえ、積み荷らしきものが落っこちてきたこと。しかも、それが私たちのクルマにぶつかって、サイドミラーが割れたんです！ そのトラックはそのまま走って行っちゃったんですけど、私たちは止まれるスペースを見つけて、JAFさんのレッカーに来てもらったことがありました。

また別のときは、クルマから焦げたような臭いがして「ヤバいかも」とサービスエリアで見てもらったら、なんとエンジントラブル。整備士の方に「爆発してたかもしれない」と言われるぐらいで、ギリギリセーフ、なんてこともありました。お母さんが運転して野辺山に行くと毎回なにかあるんです。だから高速道路での長距離移動の前は整備に出してたみたいなんですけど、それでもトラブルがあるんですよね。サービスエリアにお母さんが財布を置いてきちゃったこともありました（笑）。

コーチをしていただいていた山田満知子先生も、基本的に一緒にクルマ移動でした。お母さんが運転して、助手席に先生、後部座席に私。怒ってるお母さんが2人いるみたいで大変でしたよ（笑）。でも3人で岐阜の温泉へ旅行に行ったりもしました。温泉だと先生も完全にオフモード。おばあちゃんみたいな存在になるので、こちらも孫みたいになってお菓子を一緒に食べたり、「学校のテストはどうだった？」って聞かれたり。本当に家族みたいな関係でしたね。

村上佳菜子

むらかみ・かなこ 1994年愛知県生まれ。2014年ソチオリンピックに出場、同年の四大陸選手権で優勝。2017年に競技生活から引退。現在はプロフィギュアスケーターとして活動するほか、タレントとしてテレビやイベントでも活躍中。