大仕事のあと、佐久間宣行をニュートラルに戻す曲〈くるり / ロックンロール〉と、AD時代のクルマ移動
ロケバス、タクシー、帰り道。佐久間宣行の車内音楽
テレビ東京時代から数々の番組を手がけ、現在はフリーのプロデューサーとしてテレビ、ラジオ、配信、イベント、講演まで活動の場を広げる佐久間宣行さん。多忙な日々のなかで、クルマでの移動時間は気持ちを切り替え、次の仕事へ向かうための余白でもあります。
2曲目は、くるりの「ロックンロール」。大きな仕事を終えたあと、昂ぶった気持ちを一度ニュートラルに戻してくれる曲だといいます。若手AD時代に自らクルマを運転していた記憶、睡眠不足のなかで身に付けた“移動中に休む技術”とともに、佐久間さんの仕事と移動の関係をたどります。
2. くるり / ロックンロール
AD時代の運転と、移動中に眠る技術
この曲は聴きすぎて聴かなくなった時期があるくらいなんですけど、年齢を経てまた大事な一曲になってきました。大きな仕事が一段落して、でもまだがんばらないといけない。そういうタイミングで移動するときに、一度自分の気持ちをニュートラルにするために聴いてます。多幸感がある曲だから、テンションを上げすぎず、ちょうどいい状態を保てるんですよね。高ぶりすぎず、でも止まらずに次へ行ける。そのバランスが、今の自分にはすごく合っている気がします。
くるりは、僕が就職活動をしてテレビ東京に内定した頃にメジャーデビューしたバンドなんですよね。なんか、社会人同期のイメージです。90年代の終わりから2000年代前半にかけて、アルバムを出すたびに驚かされたし、ライブに行くと、その時々で編成が違うんですよ。この編成がいいのになと思っていたら、次にはまた変わっている。完成したように見えるのに、そこにとどまらない。そのもがいている感じも含めて、当時の自分の感覚にすごく合っていました。
その当時、入社1年目のAD時代は、けっこう自分でクルマを運転してました。タレントさんを乗せるような移動ではなくて、深夜ドラマのADとして荷物を運ぶとか、本当にちょっとした感じでしたけど。
その頃は、駅から遠い場所に住んでいたこともあって、原付で会社に通ってました。都心に住んでいると、原付は本当に便利でしたね。運転すること自体は嫌いじゃなくて、むしろ好きでした。ただ、20代後半で結婚して子供もできて、番組も複数抱えて、ずっと睡眠不足だったんですよ。これは危ないなと思って、原付もやめました。
その忙しさの中で身に付いたのが、移動中に寝る技術かもしれません。ロケ現場に早めに行って、車内や路上で寝ておくようなこともありました。とにかく少しでも時間があれば寝る。今でもタクシーで10分寝たりすることがありますけど、これは体質というより、AD時代のスケジュールの中で、そうならざるを得なかったんです。今だったら確実に問題になる労働環境だった(笑)。でも、あの時よりひどいことはないと思えるから、その後の大変なことが少し楽に感じられた部分はあるんですよね。
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佐久間宣行
さくま・のぶゆき 1975年生まれ。福島県いわき市出身。テレビ東京のプロデューサーとして『ゴッドタン』、『あちこちオードリー』、『ピラメキーノ』、『ウレロ☆』シリーズ、『キングちゃん』などを制作。2019年4月からラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』を担当。2021年3月末にテレビ東京を退社し、フリーのテレビプロデューサーに。Netflix『トークサバイバー!1・2・3』、『罵倒村』、『LIGHTHOUSE』、DMM TV『インシデンツ1・2』、YouTube『NOBUROCKTV』、『BSノブロック』は総登録者380万人。著作に『佐久間宣行のずるい仕事術』、『ごきげんになる技術』、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』など。レギュラー番組に『勝手にテレ東批評』。
佐久間宣行事務所オフィシャルサイト
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