わたしのドライブミュージック

LAのハイウェイでマーティ・フリードマンが風を感じた〈いきものがかり / 風が吹いている〉

ギタリスト、作曲家のマーティ・フリードマンさんが愛聴するドライブソング4曲を紹介!

マーティ・フリードマン
2023.12.05

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=神保勇揮(FINDERS編集部)/ イラスト=若林 萌

2023.12.05

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=神保勇揮(FINDERS編集部)/ イラスト=若林 萌

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

今回選曲を担当するのはJ-POPをこよなく愛し、有名アーティストへの楽曲提供やライブ出演などを多数行うギタリスト、作曲家、プロデューサーのマーティ・フリードマンさんです。1曲目はマーティさんのカバーアルバムに収録されている「いきものがかり」の有名曲。ドライブで「風」を感じる瞬間について語ります。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを紹介します。

1曲目
マーティ・フリードマン / 風が吹いている『TOKYO JUKEBOX3』

自分で自分を褒めた、ドライブ感増し増しのカバー

音楽とドライブを、僕はすごく大事にしています。曲をレコーディングしているときも、完成する前のラフバージョンを運転しながら聴くんです。スタジオにこもっているときと、音楽の聴こえ方が全然違うんですよ。ドライブ中が一番楽しい音楽タイムだと思う。ライブは別だけど、音源を聴くなら車の中が最高ですね。運転の楽しさもあるし、スピードも感じるから相乗効果があります。
スタジオで自分の曲を聴いていると、すごく細かい部分に集中しすぎちゃうんですよ。車に乗っているときは、自分以外のアーティストの音楽も聴くから、ある程度客観的に聴ける。別の目線っていうか。その感覚を昔から大事にしています。今、ほとんどの人は移動中に音楽を聴いているしね。昔はコンポの前に座ってCDを聴いていましたし、それが一番おいしい聴き方だけど、現代人は忙しいから。

「風が吹いている」のカバーが入っている僕のアルバム『TOKYO JUKEBOX 3』は、アメリカでレコーディングしたんです。僕は日本の免許を持っていないので、運転するのは海外だけなんですね。ロサンゼルスの高速道路をハイスピードで飛ばしながら、この曲のラフバージョンを大音量で聴きました。窓を開けて風を感じながら! すごく気持ち良かった。

いきものがかりさんのオリジナルはもちろん豪華で素敵ですけど、このカバーはそれにドライブ感、スピード感、ハードさをプラスできたと思います。僕は自分の曲に対して厳しすぎるタイプなんだけど、自分で自分を褒めたいと思ったくらい。

免許を取ったのは15歳で、その頃乗っていたAMC・ホーネットにはカーラジオしか付いてなかった。ブラック・サバス、スコーピオンズ、UFOみたいなハードな音楽が聴きたかったけど、全然かからない。たまーーーーにレッド・ツェッペリンとかエアロスミスとか聴けたけど、僕にとっては中途半端だったんだよね。CDプレイヤーが載っている車を手に入れたときは嬉しかった! 自分の好きなように音楽を聴けますからね。

マーティ・フリードマン1曲目 LAのハイウェイでマーティ・フリードマンが風を感じた〈いきものがかり / 風が吹いている〉
マーティ・フリードマン2曲目 マーティのイチ押しのドライブ曲! ハードでストレートなJ-POP〈ももいろクローバーZ / MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰〉
マーティ・フリードマン3曲目 マーティ・フリードマンが選ぶ、不滅のドライブ曲〈アンドリューW.K. / Party Hard〉
マーティ・フリードマン4曲目 マーティ・フリードマンが 砂漠のドライブデートで聴いた曲〈イーグルス / Take It Easy〉

マーティ・フリードマン

マーティ・フリードマン CACOPHONY等のバンド活動を経て、1990年MEGADETHに加入し全盛期を支える。ライブツアーで来日を重ねるうち日本通となり、2004年に活動拠点をアメリカLAから東京新宿へ移す。2005年に伝説のロックバラエティー番組「ヘビメタさん」、続編「ROCK FUJIYAMA」は現在でもYouTubeを通して世界各国で反響を呼んでいる。
スーパーギタリスト&日本好きの唯一無二の存在として才能を発揮しつつ、現在はギタリスト、作曲家、音楽プロデューサーだけにとどまらず、国境・業界の枠を越え、イベント、テレビ、ラジオ、CM、映画に出演。2017年文化庁から日本遺産大使に任命され、日本文化を世界に向けて紹介するなどマルチ・アーティストとして活動中。

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