自動車交通トピックス

自動車の電化が進むと単なる移動手段から、節電に欠かせないアイテムに進化する!?

EVユーザーの40%がすでにV2Hを実践している!

2024.01.04

文=津島 孝/データ出典=エネがえる運営事務局

2024.01.04

文=津島 孝/データ出典=エネがえる運営事務局

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

電気自動車(EV)とV2H※を活用し、再生可能エネルギーの自家消費を実行するケースが増えている。再エネ自家消費のメリットとは何か? 人気のあるEVは? 電気代削減や災害用電源などを狙い、EVに蓄電池としての価値を見出している世帯を対象に実施した実態調査の結果は……?

  • V2H=Vehicle to Homeの略。本稿での「再エネ自家消費」とは、太陽光パネルや蓄電池を設置し、発電した電力を自ら消費することを指す。

EVに蓄電した電気を住宅でも活用するという発想

太陽光や蓄電池の経済効果診断「エネがえる」を提供する国際航業株式会社は、電気代削減などのために電気自動車(EV)を蓄電池として活用するケースが増えていると推測。東京、大阪、愛知、福岡、北海道(5大都市)以外の府県在住で、EV(プラグイン・ハイブリッド車を含む)とV2Hを使って再エネ自家消費を行っている、または検討している110名を対象に実態調査を行った。実際の使用状況に加え、人気の高い車種、再エネ自家消費のメリットなど、興味深い回答が得られたので報告しよう。

なお、V2Hとは「Vehicle to Home=ビークル・トゥ・ホーム(車から家へ)」の略。EVに蓄えた電気を家庭でも使えるようにするシステムを指す。EVへの給電に加え、EVのバッテリーから家庭に放電できる、直流電気を交流電気に変換できるなどの機能を備える。戸建てだけでなく、近年はマンションにも設置できるようになった。

すでにV2H実施者は40%、検討中の人も約45%!

実態調査では、まず「現在、EV・V2Hの活用により再エネ自家消費を行っているか」を質問。「行っている」が40.0%、「検討中」が44.5%で、潜在的なニーズが相当数あることが判明した。「購入を検討/所有しているEV(PHEV=フラグイン・ハイブリッド車や燃料電池車を含む)は?」との問には、1位が「プリウスPHEV」(39.1%)、2位が「MIRAI」(20.9%)、3位が「bZ4X」(20.9%)でトップ3はトヨタ勢が独占。日産のサクラやリーフ、三菱のアウトランダーPHEVも人気がある。輸入車への関心も高いが、V2Hは日本発祥の技術で未対応の場合もあり、購入時には注意が必要だ。

Q:現在、EV・V2Hの活用により再エネ自家消費を行っていますか?

再エネ自家消費を行っているか回答(円グラフ)

EV所有者はV2Hの活用に関心が高く、すでに40%の人が導入している(n=110)。

Q:購入を検討/所有しているEV(PHEV・燃料電池車含む)は?

購入を検討/所有している車の回答(棒グラフ)

1位は断トツでプリウスPHEV。2位は同率で燃料電池車のMIRAIとなっているのも興味深い(複数回答n=110)。

移動手段としてしっかり活用しながら電気代を節約!

また、V2Hを「行っている」と答えた人に「年間の走行距離」を聞くと、回答者の40.9%が年間5,000㎞以上を走っていた。ガソリン車と比べて航続距離が気になるEVだが、日常の移動手段としてもしっかり活用されていることがわかる。「再エネ自家消費をするメリットは?」という質問には、「電気代の節約になる」が最多の60%で節電が主な利点。次いで「停電時に非常電源として活用できる」だった。

さらに「その他のメリット」を聞くと、「地球環境に貢献していることをアピールできる」や「SDGs」といった環境への配慮があがる。CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)を利用でき、EV購入時に経済的な負担が減るという意見もあった。

Q:現在の車の年間の総平均走行距離は?

年間の総平均走行距離の回答(円グラフ)

年間5,000㎞以上走行する人は約41%。ドライブでの遠出をはじめ通勤・通学など生活の手段としてしっかり活用されている(n=44)。

Q:EV・V2Hを活用し再エネ自家消費をするメリットは?

再エネ自家消費のメリット回答(棒グラフ)

最大のメリットはやはり「電気代の節約」で60%。非常電源としての活用が2位で半数以上の人が期待している(複数回答n=110)。

EVだけではなくV2Hとのセット需要が増加する?

今回の調査結果を受けて、同社は「5大都市以外の地域での再エネ自家消費の取り組みは、地域脱炭素や持続可能なエネルギーの利用拡大において鍵となる」と分析。5大都市に比べて駐車場が比較的安価なことを背景に「V2Hとセットで太陽光パネルやEVを導入し、再エネ自家消費による電気代削減効果を意識したEV活用がますます増加する」と今後の普及を予測した。

国は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を掲げている。EVの普及に伴い、V2Hの需要が増える可能性は高い。

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