自動車交通トピックス

短時間限定駐車マスは混雑解消に有効? 東名高速の足柄サービスエリアから実証実験開始

全国11か所のサービスエリアで効果を検証

2023.10.12

文=津島 孝

2023.10.12

文=津島 孝

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

サービスエリア(SA)で大型車の長時間駐車が目立っている。そこで大型車用駐車マスに「60分の時間制限」を設ける実証実験がスタート。より多くのドライバーが確実に休憩できる環境を整える。新タイプの駐車マスは「混雑で休憩できない!」を解消する決め手となるか?

利用時間を60分以内とし大型車の長時間駐車を防止

NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)は9月27日、高速道路のSAにおいて「短時間限定駐車マス」の実証実験を開始すると発表した。対象になるのは大型車用駐車マスで、利用時間を60分以内に制限する。

都市近郊部のSAの駐車場は大型車の長時間駐車が目立ち、休憩などで立ち寄っても、駐車できずにそのまま出ていく車両がある。短時間限定駐車マスの導入は長時間駐車の大型車を減らし、より多くのドライバーが確実に休憩できる環境を整えるのが目的だ。効果が確認できればPA(パーキングエリア)にも拡大していく。実験を導入するのは全国11か所のSA。まずは東名の足柄SA(上り)で開始され、今年11月には大型車駐車マスの約1割に当たる39台分を時間限定付きへ変更する。

「短時間限定駐車マス」の実証実験箇所(全国11か所)

全国11か所の「短時間限定駐車マス」実証実験場所

実証実験の実施場所は全国11か所。東北道の蓮田SA(上り)、上河内SA(上り)、安達太良SA(下り)、国見SA(下り)、東名の足柄SA(上り)、山陽道の福山SA(下り)、吉備SA(上り)、龍野西SA(上下)、九州道の古賀SA(下り)、中国道の美東SA(下り)。(画像=NEXCO3社提供)

超過の罰則や料金徴収はないが利用時間を画像で判定

実験期間中には、休憩機会の変化や周辺休憩施設を含めた混雑状況などを検証。駐車時間を画像で判定し、長時間利用を抑止する仕組みも検討する。やむを得ず長時間駐車する車両に、比較的空いているSA・PAの利用を促す効果も見込んでいる。駐車時間を超過しても料金徴収や罰則は設けないが、NEXCO各社は「60分を超えて利用するときは通常の駐車マスを利用してほしい」と呼びかけている。

短時間限定駐車マスの位置は、休憩施設内の案内看板と路面標示で利用者に告知する。案内看板には「P60分」のマークと「大型車短時間P」の文字を標示し、路面には黄色の駐車枠線に白文字で「短時間」と書かれる予定だ。

画像処理技術の導入イメージ

駐車時間の超過を画像で判定して、超過している車両をモニターなどに出力して注意を促す(画像=NEXCO3社提供)。

短時間限定駐車マスの看板(左)と路面標示(右)

短時間限定駐車マスの位置は、休憩施設内の案内看板と路面標示で告知。駐車枠線内には「短時間」と大きく書かれる(画像=NEXCO3社提供)。

物流業界の2024年問題に向けた注目すべき取り組み

都市近郊部のSA・PAでは、8時間以上の長時間駐車の割合が高い。割引料金が適用される時間帯まで待機する車両が多いと考えられる。長時間労働や残業規制の強化で物流業界のドライバー不足が懸念される2024年を前に、大型車のドライバーが働きやすい環境を整えるという側面からも、短時間限定駐車マスの導入や2018年度から全国のSA・PAで進めている駐車マス増設は注目すべき取り組みといえる。

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