【1985年11月1日】新感覚スポーティーセダン「クイントインテグラ5ドア」発売! |Today's memoriesあの日の記憶
文=津島 孝

5ドアの常識を変えた! 1985年登場のホンダ「クイントインテグラ」が先進的すぎた理由

流麗さと広い室内空間を両立。スポーティーセダン感覚を実現した革新的5ドアとは?

1980年代、スタイルと実用性の両方を求める層が増えるなか、ショートノーズの流麗なスタイルと広い室内空間を両立した新しい5ドア車が登場。MM思想とロングホイールベースにより居住性を高め、4バルブDOHCエンジンが上質な走りを支えた。

【1985年11月1日】
新感覚スポーティーセダン「クイントインテグラ5ドア」発売!

クイントインテグラ5ドアのリアビュー

ラップラウンド・リアウインドーとフラッシュサーフェス化による端正な造形が特徴。ワイドトレッドが安定感のあるスタンスを生み、5ドアながら軽快な印象を保っている。荷室アクセスも良好だった

ホンダのクイントインテグラ5ドアは、引き締まった走りの感覚と流麗な造形を両立させ、5ドアに新たな魅力を与えたモデルである。

1980年代半ば、乗用車市場ではスタイルと実用性を同時に求める層が増え、従来のセダンやハッチバックだけでは満たせない需要が生まれていた。ホンダはこの変化を捉え、1985年11月1日にクイントインテグラに5ドアを追加。3ドアをベースにしているが、単なる派生車ではなく、5ドアに新しい価値を与える存在として位置づけた。

デザインは、3ドアで採用したショートノーズ、低ボンネットを基本に、すっきりとした4ライトのサイドウインドーを組み合わせた。

ホイールベースは3ドアより70mm延長した2520mmとし、スポーティーセダンの感覚と流麗さを両立している。室内では、ホンダ独自のMM思想(マンマキシマム/メカミニマム)を徹底し、ロングホイールベースとワイドトレッド(GSiは前1415mm/後1435mm)を組み合わせて広々とした居住空間を確保。特に後席は、外観から想像する以上のゆとりを実現した。

メカニズム面では、直列4気筒4バルブDOHCの1.6L・ZC型エンジンを全車に搭載。最高出力はGSiが120PS、LS/ZS/GSが100PS(いずれもネット値)で、優れた燃料経済性も両立している。

ブレーキは前輪のベンチレーテッドディスクを全車に装備し、GSiでは後輪もディスクとした。さらに、一部のグレードには油圧反力感知方式パワーステアリングとチルト機構、ワンタッチ式パワーウインドーなどを備え、快適性を高めている。

クイントインテグラ5ドアは、単なる“使い勝手の良いハッチバック”ではなく、造形の美しさと空間効率、走りの質を同時に追求した点で、1980年代のホンダらしい合理性と挑戦心を体現したモデルである。3ドアの魅力を保ちながら、より幅広いユーザーに応える5ドアとして、当時の市場に新たな選択肢をもたらした。

【DA1型 ホンダ クイントインテグラ5ドア GSi】
●全長×全幅×全高:4350×1665×1345mm ●ホイールベース:2520mm ●車両重量: 1000 kg (4AT) ●搭載エンジン:ZC 型 (1590cc 水冷直列4気筒DOHC)

クイントインテグラ5ドアの運転席まわり

直線基調のすっきりした造形に、視認性の高いメーターと操作しやすいスイッチ類を配置。空間効率の高さが前席にも表れ、広い前方視界とゆとりある足元が快適なドライブ環境を生み出している

クイントインテグラ5ドアのリアシート

MM思想に基づくロングホイールベースとワイドトレッドにより、後席はゆとりある足元と肩まわりを確保。5ドア化による乗降性の向上と快適性の高さが感じられる室内空間だ

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