疑問解決!? JMO特命調査団

ショートカット右折第2弾 ドライバー100人を調査したらまさかの結果に!?

スピードが出ることで右折の仕方に変化が生じるのか検証

2023.11.05

イラスト=北極まぐ/図版=宮原雄太

2023.11.05

イラスト=北極まぐ/図版=宮原雄太

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

前回の調査「普段からショートカット気味に右折していませんか? 100人のドライバーを調査!」では、市街地の交差点でドライバー100人の右折の仕方を観察した結果、40人のドライバーがショートカット右折を行っていた。
それに対してモータージャーナリストの菰田潔さんは「ショートカット右折が4割とは、実際よりだいぶ少ない印象ですね」との感想を述べている。
菰田さんによると、ショートカット右折をするドライバーは「とにかくスピードを落とさずに急いで右折しようとする」とのこと。ならば、より右折時のスピードが出やすい幹線道路の場合、どのような結果になるのか再調査を行った。

ショートカット右折とその危険とは? 前回のおさらい

菰田さんいわく、「ショートカット右折とは、交差点での右折時に早めにハンドルを切ってしまい、交差点の中央寄りを通ることなく、最短距離(ショートカット)で行こうとする行為のことです」。

しっかりと徐行し、交差点の中央近くまで進んでから右折することで、曲がり始める前に右折先の安全確認ができるのに対して、ショートカット右折では曲がりながら右折先の安全確認をすることになるため、危険を伴う行為といえる。

幹線道路からの右折状況を観察

今回の調査では、前回の市街地にある交差点から場所を変え、東京都内有数の幹線道路で行った。平日の日中、交通量の多い幹線道路の右折レーンから、駅前通りに平行する片側1車線の道路に右折する車100台を観察してみた。

幹線道路の交差点での右折状況の調査

幹線道路の交差点を右折する車

なお、調査方法および注意点については前回と同様、下記の通りとなる。

歩道に立っている調査団員の目線からは、車が「交差点の中心の直近の内側」を通過しているかどうかを正確に判定しにくい。また、徐行に該当する速度かどうかの計測も困難だ。

そこで、わかりやすい目安として、右折前の道路のセンターライン、および右折先のセンターライン(延長線上の横断歩道を含む)をタイヤが踏んだかどうかを確認。踏んでいた場合はショートカット右折として判定した。

幹線道路をショートカット右折する車

幹線道路をショートカット右折する車

100台中70台のドライバーがショートカット右折!

今回の調査の結果、実にショートカット右折した車は100台中70台となり、その割合はなんと70%に達した。前回の市街地でのショートカット率が40%だったことに比べると、驚くべき増加だ。

ショートカット右折をした車としなかった車の割合グラフ

今回の調査における調査団員の印象として、幹線道路側の信号が青信号で、右折先の横断歩道に歩行者や自転車がいない場合、速度をあまり落とさずに曲がってくる車が目立っていた。このケースでは前回調査における菰田さんの指摘通り、ほとんどの車がショートカット右折となった。加えて、右折先の道路の幅が狭めのため、左側への接触を意識してなのか、速度は落ちていても交差点の中央より手前で右折し始める車も見受けられた。

右折先の道路は停止線が交差点の奥に引かれているため、停止している車と接触しそうになる場面はなかったが、このことがショートカット右折をしやすい環境の一因と言えるかもしれない。だが、狭い道路のため歩行者が車道を通行していたり、自転車が停止線の先まで出ていたりするので、ショートカット右折による事故の危険性がひしひしと感じられた。

停止線を越えた位置で止まっている自転車

停止線を越えた位置で止まっている自転車(写真はイメージ)

ショートカット右折の防止には「カルガモ走行」が有効!?

一方、ショートカット右折をしなかったドライバーが3割いたことに着目すると、道路環境が原因でショートカット右折をせざるを得ない状況とは言い難い。正しく右折しようと思えばできる、ということだろう。

調査団員の印象として、歩行者や自転車で交差点が混みあっている場合や、高齢者や子供が横断歩道を渡っている際には、ドライバーも慎重になり速度が落ちるせいか、ショートカット右折はしない傾向が見られた。ほかにもトラックなどは内輪差を気にするせいか、しっかりと交差点の中央近くまで深く進んでから右折している様子だった。

交差点を右折するトラック

今回の幹線道路には右折レーンが引かれており、そこで複数の車が右折待ちをしていることもある。その際、先頭の車が誘導線に沿うようにきちんと交差点の中央付近を通って曲がると、それに倣うかのように後続車もきちんと右折する傾向が見られた。これは親の後ろに子供がついて一列になって進む「カルガモ走行」とでも言うべき現象ではなかろうか。

こうした点について、菰田さんは「前を走る車が安全運転を心がけることによって、後続車の安全運転につながるということはあると思います。たとえば高速道路のETCゲートを過ぎて、上りと下りのランプウェイが分かれる前に、私がウインカーを点けてどちらに進むか意思を示すと、後続車もきちんと進行方向にウインカーを点けるケースが多い気がします」と述べている。

もし皆さんが右折レーンの先頭に立ったときは、「交差点の中心の直近の内側」を「徐行」して右折するという、後続車のお手本となるような運転を行ってほしい。

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