【第12回】3月更新 トラブルを未然に防ぐ、大切な早め早めの点検。『定期点検を正しく理解しよう!』
クルマの定期的な点検は、私たちの健康診断のようなもので、クルマの健康を守り、安全に乗るために行うものです。点検にはプロの整備士にお願いする一年及び二年点検だけでなく、普段から自分自身で行える日常点検があることをご存知ですか? 連載最後となる今回は、日常点検の重要性について解説します。
日ごろから「日常点検」
日常点検はクルマを日々使用するなかで、手軽に行える点検です。日頃から点検を行うことで、方法や知識を簡単に身につけることができます。
普段、クルマに乗っている時から、エンジン音やブレーキの踏みごたえ、警告灯など、五感を使って快調なときの状態をしっかり記憶しておきましょう。そうすることで「今のあの音、何?」「何か臭わない?」というように、経験したことのない音や臭いに"なんか変だな"とすぐに気づくことができます。
五感によるチェックは、整備士もよく実践しています。見た目では異常がないように見えても、少し走らせてみると異音や異臭が発生する場合があるからです。例えば、走行中にキーキーと連続して音がしたらブレーキパッドが摩耗限界に達している恐れがありますし、物が焼けるような臭いがしたらエンジンオイルや冷却水に問題があるかもしれません。五感によるチェックは大変重要なのです。
日常点検では、以下の項目をチェックしましょう!
- 1.ウィンドウォッシャー液の量
- 2.ブレーキ液の量
- 3.バッテリー液の量
- 4.冷却水の量
- 5.エンジンオイルの量
- 6.タイヤの空気圧(スペアタイヤを含む)
- 7.タイヤの亀裂、損傷および異常な摩耗
- 8.タイヤの溝の深さ
- 9.ランプ類の点灯・点滅、レンズの汚れ・損傷
- 10.ブレーキペダルの踏みしろとブレーキの効き具合
- 11.パーキングブレーキレバーの引きしろ
- 12.ウィンドウォッシャーの噴射状態
- 13.ワイパーの拭き取りの状態
- 14.エンジンのかかり具合および異音
- 15.エンジンの低速と加速の状態
1~5はエンジンルームを覗いて点検しましょう。6~9は車の周囲を回って点検しましょう。10~15は運転席に座って点検してください。
チェックシートを使って、日常点検を実施しよう!
日常点検チェックシートは日整連の『
My Car Hand Book
』
14
~
15
ページに掲載。
定期点検の実施はユーザーの義務です
一年及び二年点検や日常点検などで定期点検整備(予防整備)を実施することは、クルマのトラブル防止や性能の維持、安全の確保だけでなく、クルマの燃費・環境性能の維持等によって環境保護にも貢献するメリットがあります。
最近のクルマは構造・装置が複雑になってきており、その性能を維持するために、国が定める定期点検整備が重要となります。大切な愛車に長く乗り続けられるよう、整備工場での定期点検整備の実施を心掛けましょう。