【第3回】 6月更新 車検と定期点検は何が違う?『定期点検整備を正しく理解しよう!』
車の使用者に義務付けられている「車検」と「定期点検」。このふたつ、似ているようで実は全くの別もの。連載3回目は、車検と定期点検の違いと、目的について解説します。
車検と定期点検の違い
「車検」と「定期点検(定期点検整備)」って何が違うの? そんな声をよく耳にします。ふたつの違いを簡潔に説明すると、クルマの機能や安全性が国の定められた基準に合っているかを検査するものが車検。クルマを定期的に点検して不具合になるおそれがある箇所を整備し、故障を未然に防ぐのが定期点検となります。
車検は、安全性や公害防止面(排ガス検査)で国が定めた保安基準に合っているかを検査し、適合していれば合格。ただし検査なので、あくまでも検査時点で問題がないということであり、次の車検までの安全性を保証するものではありません。
たとえば、ブレーキ・パッドが国で定められた基準近くまで減っている状態でも、検査時に定められた制動力を満たしていれば車検は通ります。しかし、その後いつ摩耗限界を超えてブレーキが不良になるかは、車検ではわかりません。
そこで定期点検が必要なのです。定期点検は劣化や摩耗するクルマの部品をチェックして、故障やトラブルが起こらないように事前に点検整備するもの。そうしたことから定期点検を「予防整備」とも呼んでいます。
(詳しくは以下の記事をご覧ください。)
定期点検項目は1年点検と2年点検で項目数が異なるので、どちらにどんな点検項目があるのか、点検整備を受けたときに記録される「点検整備記録簿」で点検の内容を知っておきましょう。
車検と定期点検、内容が異なることをしっかり理解しましょう
整備工場では、車検の際に同時に定期点検(2年点検)も行うので、車検と定期点検を同じものと思っている人も多いかもしれません。また、車検が通っていれば、クルマの安全性等が確保できている、と思っているユーザーも少なくないようですが、それぞれの役割は異なります。クルマを安全に運転するためには、車検はもちろんのこと、定期点検も確実に実施しましょう。