左折可交差点のイメージ
監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

白地に青の矢印の標示がある交差点で、赤信号で左折したら違反?

あなたの行動、ひょっとしたら違反かも

白地に青色の矢印の標示がある左折レーンを走行中、正面の信号は赤なのに交差点を左折するのは違反なのでしょうか? あまり経験したことがない交通ルールがあると、違反かどうかがはっきりしないまま運転してしまうことも。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

片側3車線以上ある大きな道路で、先の交差点で左に曲がるために左折専用レーンを走行しています。前方の信号は赤で右の矢印信号が表示されており、交差点の手前には、白地に青色の左矢印が描かれた道路標示が立っています。前を走る左折レーンの車は次々と左に曲がって行きます。赤信号で進んでいいの? とも思いましたが、後続車もいたのでそのまま、先行車のように左ウインカーを出して左折しました 。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:3. 常時左折可の標示があるので、左折しても違反ではない

信号機で交通規制が行われている交差点では、自動車は信号機の標示する信号に従わなくてはなりませんが(道路交通法第7条)、信号機の標示する信号より優先する規制がなされている場合は、それに従うことになります。

問題文の交差点に立っている「白地に青色の左矢印」の標示は、対面の信号が赤であってもいつでも交差点を左折してよい(常時左折可)という規制を示すものです(交通規則基準)。
道路標識と同じく交通規制を示すものですが、厳密には道路標識ではなく、道路標示に分類されます。このような標示板には、ほかに「パーキング・チケット」などの看板があり、公安委員会などが設置しています。
 
従って、正解は3の「常時左折可の標示があるので、左折しても違反ではない」となります。

左折可の標示板は、信号機による交通整理が行われている交差点で、原則として、左折を開始する場所も左折を終了する場所も片側2車線以上あり、左折を開始する場所に横断歩道がなく、左折を終了する場所が交差する道路の直進車と交差しない車線があることが設置の対象とされているため(交通規則基準)、常時左折可にできる形状の交差点は限られ、身の回りになければ目にする機会はあまりないかもしれません。

そのため、よく見かける、一方通行を示す「青地に白い矢印」の標識とはまったく別物だということを頭に入れておきましょう。

一方通行の場合は、前方の信号が赤の場合は止まらなければいけません。しかし、左折可の場所ではうっかり止まってしまうと後ろから追突されるおそれがあります。違いを認識していないと、事故を起こす危険性が高くなるので注意が必要です。

左折可の交差点では、赤信号でも止まらない。でも止まらず左折できるとはいえ、左折動作の基本は同じです。バイクや自転車の巻き込みに注意すること、左折した後に進路変更する際など、安全確認を怠らないようにしてください。


道路交通法
(信号機の信号等に従う義務)
第7条 道路を通行する歩行者等又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第1項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。


道路交通法施行令
(灯火による信号の意味)
第5条 (略)
2 交差点において公安委員会が内閣府令で定めるところにより左折することができる旨を表示した場合におけるその交差点において行なわれる前項の表に掲げる灯火による信号(第2条第1項〈筆者注:自賠法施行令〉の表に掲げる黄色の灯火又は赤色の灯火の信号の意味と同じ意味を表示する灯火による信号に限る。)の意味は、それぞれの灯火による信号により停止位置をこえて進行してはならないこととされている車両に対し、その車両が左折することができることを含むものとする。
(以下略)

(手信号の意味)
第4条 (略)
2 交差点において公安委員会が内閣府令で定めるところにより左折することができる旨を表示した場合におけるその交差点において行なわれる前項の表に掲げる手信号(〈筆者注:自賠法施行令〉第2条第1項の表に掲げる黄色の灯火又は赤色の灯火の信号の意味と同じ意味を表示する手信号に限る。)の意味は、それぞれの手信号により停止位置をこえて進行してはならないこととされている車両に対し、その車両が左折することができることを含むものとする。

(灯火による信号の意味)
第五条 (略)
2 交差点において公安委員会が内閣府令で定めるところにより左折することができる旨を表示した場合におけるその交差点において行なわれる前項の表に掲げる灯火による信号(〈筆者注:自賠法施行令〉第2条第1項の表に掲げる黄色の灯火又は赤色の灯火の信号の意味と同じ意味を表示する灯火による信号に限る。)の意味は、それぞれの灯火による信号により停止位置をこえて進行してはならないこととされている車両に対し、その車両が左折することができることを含むものとする。

【応募は終了しました】JAF会員限定! 特別プレゼント

書籍の表紙

↑書籍の購入はこちらから(単行本・電子書籍)
【プレゼント応募フォームではありません】

JAF会員の皆様を対象に、単行本『猫好きにおくる交通まにゃ~ぶっく』を抽選で3名にプレゼントします。同書は、かわいい猫の写真と、交通安全を一緒くたに(なぜか)してしまったフォトブックです。すべての人と猫が、道を心地よく利用できるようなルールやマナーを、猫の身のこなしのように軽~く解説します。

・プレゼント内容:『猫好きにおくる交通まにゃ~ぶっく』
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募締切:2024年8月9日

書籍のページ紹介

書籍のページ紹介

書籍のページ紹介

書籍のページ紹介

応募期間は終了しました。

PR

「JAFトレ」ことJAF交通安全トレーニングでは、交通安全教育の教材をeラーニング形式で提供します。
従業員の皆様の学習結果を蓄積・管理することで、企業・団体の安全運転管理をお手伝いいたします。

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!