日没から少し経ってから、ライトが明るい商業地の一般道を通行。周囲の明るさでライト不点灯に気づかず走行したら、違反？

道路交通法第52条1項は、車両等が夜間に道路にあるとき、トンネルの中など政令で定める暗い場所にあるときには、前照灯（ヘッドライト）、車幅灯（スモールライト、ポジションライト）、尾灯(テールライト)、その他の灯火をつけなければならないとして、夜間に道路を進行する車両等に対する点灯義務を定めています。ここにいう「夜間」とは同条項で「日没時から日出時まで」のこととされていますから、たとえ周囲が明るいからといってヘッドライト（前照灯）等をつけずに走行すると違反にあたります。

従って正解は、1の「日没後にヘッドライトをつけないで運転したので違反」です。

道交法上の点灯義務は、自車の存在を周囲に知らせるとともに、走行における安全を確保するためのものであり、夜間の事故を防止するためにとても重要です。今回の設問のように、自発光式メーターの影響で、車内が明るいため、運転者が無灯火に気づかないケースもあります。

日没の前でも、天候や道路の状況によって周囲が暗くなることもあり、道交法52条が「政令で定める」点灯義務の場面には、そのような場合が示されています（道交法施行令第19条参照）。周囲が暗くなったと感じたら、日没より早くてもヘッドライトを点灯してください。オートライトを装備した車であれば、それが作動することで点灯忘れを防ぐことができるので、ライトのスイッチはAUTOにしておきましょう。

また、法的には一定の明るさのあるトンネル内で灯火の必要はありませんが、その明るさを判断することは難しいので、トンネル内を走行する際も必ずライトを点灯するようにしましょう。

道路交通法
（車両等の灯火）
第52条　車両等は、夜間（日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第63条の9第2項において同じ。）、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
(以下略)

道路交通法施行令
（道路にある場合の灯火）
第18条 車両等は、法第52条第1項前段の規定により、夜間、道路を通行するとき（高速自動車国道及び自動車専用道路においては前方二百メートル、その他の道路においては前方五十メートルまで明りように見える程度に照明が行われているトンネルを通行する場合を除く。）は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める灯火をつけなければならない。
1　自動車　車両の保安基準に関する規定により設けられる前照灯、車幅灯、尾灯（尾灯が故障している場合においては、これと同等以上の光度を有する赤色の灯火とする。以下この項において同じ。）、番号灯及び室内照明灯（法第27条の乗合自動車に限る。）
(以下略)
第19条　法第五52条第1項後段の政令で定める場合は、トンネルの中、濃霧がかかつている場所その他の場所で、視界が高速自動車国道及び自動車専用道路においては二百メートル、その他の道路においては五十メートル以下であるような暗い場所を通行する場合及び当該場所に停車し、又は駐車している場合とする。