監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

夏休みの朝の生活道路。スクールゾーンに進入したら…、これって違反?

あなたの運転、ひょっとしたら違反かも

運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にせずハンドルを握ることも多くなりがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。今回は、朝のスクールゾーンへ、児童が少ない夏休み中に進入しようとする際のクイズです。

学校が夏休み期間中、平日の午前8時に友人を迎えに行くために生活道路に入ろうとしました。この生活道路はスクールゾーンに指定されており、午前7時30分から8時30分までは歩行者専用道路に指定されていることを示す路面標示や標識があります。ただ、夏休みのため通学する児童は少ないので進入しても問題ないと思い、そのまま通行しました。
この行為は、以下の選択肢のどれに該当するでしょうか?

答え:3. 学校が休みでも進入禁止となるので違反。

スクールゾーンは、小学校を中心とした半径約500メートルの通学路を使う子どもの安全を守る目的で設定される、時間をかぎっての「歩行者専用」規制を強化する地域のことです。市区町村によっては幼稚園や保育園の通園路も対象にされています。スクールゾーンでの具体的な規制の内容は地域の道路事情を考慮して決定され、道路標識によって示されます。
上のイラストをみると、「歩行者専用」の標識の下にある補助標識に「土・日曜・休日を除く」とあります。そこには「夏休み」を除くとはありませんから、学校が夏休みかどうかは関係なく、平日の午前7:30から8:30までは歩行者専用道路となり、車(自転車と特定小型原付の電動キックボードを除く)の進入は禁止されます(道路交通法第8条)。
従って正解は3です。
学校の周辺は、夏休みであっても、プール教室などの学校行事のために、子どもが集まることの多い地域ですから、スクールゾーンを設定する意味があるのです。

自宅やマイカーのための駐車場がスクールゾーン内にあるなどの理由で、歩行者専用道路に指定されている時間でも車で通行するためには、警察へ「通行禁止道路通行許可」の申請を行い、警察署長から許可証を交付してもらうことが必要です(道路交通法第8条2項、3項)。許可証の交付を受け、それを携帯した車両に限り通行することが許されます(同条4項)。従って、スクールゾーン内の友人を迎えに行くなどの理由では、歩行者専用道路の時間帯に進入することは許されません。


道路交通法
(通行の禁止等)
第8条 歩行者等又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
2 車両は、警察署長が政令で定めるやむを得ない理由があると認めて許可をしたときは、前項の規定にかかわらず、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行することができる。
3 警察署長は、前項の許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る通行中、当該許可証を携帯していなければならない。
(以下略)

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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