監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

車道から歩道をまたいでガソリンスタンドやコンビニの駐車場へ…。そのとき、あなたはどうする?

あなたの運転、ひょっとしたら違反かも

運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にせずハンドルを握ることも多くなりがち。
違反にあたる運転行為をクイズで再確認しましょう。
今回は、歩道を横切って車道から道路脇の施設へ入るときのクイズです。

●車道から、歩道を横切ってガソリンスタンドに入ろうとしています。歩道に人がいるのは見えましたが、まだ横切る場所まで距離があったため、通行を妨げることはないと判断して、速度を落として進行し、ガソリンスタンドに入りました。
これは、以下の選択肢の中のどれに該当するでしょうか?

答え:1

歩道または路側帯(以下、歩道等)と車道との区別がされている道路では、車両は車道を通行しなければなりませんが(道路交通法第17条1項本文)、道路外の施設等(ガソリンスタンドやコンビニの駐車場など)に出入りするためにやむを得ない場合は、歩道等を横断することが許されています(同項ただし書き)。

ただし、許されて歩道等を横断する車両は、歩道等に入る直前で歩行者の有無にかかわらず一時停止し、かつ歩行者の通行を妨げてはなりません(同条第2項)。従って正解は1です。

なお、車両は、歩行者を立ち止まらせたり、他の車両に急ブレーキを踏ませるなど、歩行者や他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときには、道路外の施設等へ出入りできません(道交法第25条の2第1項)。
道路外の施設等から出るときも同様に、必ず歩道等の手前で一時停止し、車道に出る前に道路交通の状態を確認してから進行しましょう。

前を走る車が左にウインカーを出した際、後続車両は「歩道を横切るため、前の車が一時停止する」ことを意識し、あらかじめ減速しておくといった対応も必要でしょう。


道路交通法 第17条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
(以下略)

第25条の2 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
(以下略)

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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