高齢ドライバーのヒヤリハット

ミニバンタクシーに驚かされる

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.07.30

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.07.30

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、ミニバンタイプのタクシーにヒヤッとした話。タクシーに対する古いイメージを持ち続けていると、新しいタイプのタクシーの動きに対応できないので注意が必要だ。

ミニバンの想定外の動きに急減速!

片側3車線道路の真ん中の車線を走っていた。右前方に黒色のミニバンがいた。しばらくその形で走っていると、路肩に歩行者が現れ、手を挙げた。こちらは後ろにタクシーでもいるのかと思ってまったく警戒をしていなかったが、右のミニバンが反応して、こちらの直前を横切り、車線を跨(また)ぎ、歩行者に近づいていく。当然、こちらは驚き、急減速である。

この時点でも、ミニバンが急に左に寄って行く理由がわからず、この運転手は知り合いなのかとも思った瞬間、そのミニバンがタクシーであったことに気づいた。そのタクシーにはそれとわかる装飾らしきものは何もなかったが、ナンバープレートが営業車カラーの濃い緑色だった。

むろん、ミニバンタクシーの存在は知ってはいたが、6人など大人数で乗る場合に予約して利用するものと思い込んでいた。のんびり感あふれる平日の昼下がり、こちらものんびりムードで運転をしていたせいか、流しのミニバンのタクシーに遭遇するとはまったく頭に浮かんでいなかった。

我々世代のタクシーのイメージはセダンで、最近見かけるロンドンタクシー型はしっかり脳裏に焼き付けられているが、ミニバンは想定外。もう少しタクシーとわかる装飾を付けてほしいとも思ったが、道路を利用する以上、高齢者といえども車情報のアップデートもしておかなければと反省もした。

指をさす男性

新型タクシーも覚えて、急な動きにも対応。

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