高齢ドライバーのヒヤリハット

無理な追い越しは、やはり禁物

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.07.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.07.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、自動車専用道路から一般道路に差し掛かる場所で追い越しをしそうになった話。自動車専用道路のスピード感のまま追い越せば、スピード違反のみならず、事故の危険もある。

車線減少の前に追い越そうと思ったが…

初めて走る自動車専用道路の終点近く。標識があり、2車線が1車線に絞られ、少しの間1車線を走るとその先に交差点があり、一般道になることが示されていた道だった。

前の2台が減速気味になり、先頭のトラックが極端にスローペースに見えた。時間に追われていたので、1車線になる前に追い越そうかと思ったが、なにか止める思いがあり、そのゆっくりペースに追従することにした。

数秒ほど走ったあとに交差点があり、警察官が立っていた。1車線に絞られるその区間でスピード違反の取り締まりをしていたのだ。制限速度は時速40㎞。追い越しをかけなくてよかったと思うと同時に、こうしたスピードの変化が生まれるような場所で事故の確率が上がるのかと考えさせられた。

つまり、2車線時のスピード感のまま1車線に入って行く危険に、自分も含めて気づきにくいということだ。現にこの場合、先頭のトラックが極端にスローペースに見えた時点で、減速が足りなかったということでもあった。スピード感への対処が衰えていることを自覚して、スピードを甘く見てはならないと自省した。

さらに、75歳以上のドライバーがスピード違反で捕まれば、運転免許更新時に運転技能検査(一定の点数を取らなければ免許が更新できない)を受けなければならないという制度も始まっている。

指をさす男性

自動車専用道路を降りる際は、スピード感に注意!

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