高齢ドライバーのヒヤリハット

ETCカード半挿入の顛末

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.05.16

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.05.16

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回の話は、ETCカードがしっかり挿入されていなかったことによる顛末。ETCのトラブルは、バーが上がらず慌てて急停止し、後続車に追突されることもあるので、対処法などを事前に知っておくことが大切だ。

ETCカード「未挿入」でも、焦らず対応!

都市高速に乗る。ETCレーンを通過すると「未挿入」のメッセージ。思いもよらないことに焦る。後続車が車間を詰めていたこともあり、止まるのはかえって危険と判断、走り続ける。料金未払いの犯罪者気分だが、どうしたらいいのか考えながら進むと、今度は本線上にあるETCチェックゲートでも「未挿入」のアナウンス、さらに焦る。

本線脇の非常駐車帯に入り連絡をしたほうがいいのかと考えたが、それも危険が伴うのでとにかく進む。少し冷静になったとき、先の本線上に料金所があり、その直近にパーキングエリアがあることを思い出した。なんとか無事にそのパーキングエリアにたどり着いた。

グローブボックス内のETC車載器を確かめると、なぜかETCカードが少し飛び出した“半挿し状態”になっていた。整備工場からの帰りに高速に乗ったので、点検整備記録簿等を出し入れしたときに車載器のカード取り出しボタンを押してしまい、半挿しになったと思われた。

パーキングエリア内のインフォメーションブースは無人ながら、24時間対応の電話番号の案内があった。電話すると、優しい声の担当者で気分が落ち着く。入ったランプ、カードや車のナンバー、車種、色等を聞かれた。たぶん映像で確かめるのだろうと思ったが、結局「料金所の一般レーンで処理をしてもらってください」とのこと。

料金所の一般レーンに向かう。手間取ることが予想されたので、ハザードを点けてレーンへ。係の人に事情を説明すると、ここでも入ったランプの名前を聞かれ、ETCカードを渡す。カードの処理が終わり、「ここまで走ってきた処理はしましたが、あなたがどこで高速を降りるかわからないので、降りてからこの番号に電話してください」と一枚の紙を渡される。これには先ほどのインフォメーションの電話番号があった。あとは問題なく家に帰り着いた。

家でETCカードと車検証を用意して先ほどの電話番号にかける。聞かれた内容は最初の電話のときと同じで、入ったランプ、カードや車のナンバー、車種、色等を聞かれ、処理は終了となった(※)。その後、ETCカードは問題なく使えている。走り出す前のETCカード挿入の確認不足を、高齢脳の反省とした。

  • ETCカード未挿入等のトラブル処理の手続きは状況により異なります。

指をさす男性

料金所で慌てないため、走行前にETCカードを確認!

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