ETCカード半挿入の顛末
シニア世代の思い込み運転を考える高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回の話は、ETCカードがしっかり挿入されていなかったことによる顛末。ETCのトラブルは、バーが上がらず慌てて急停止し、後続車に追突されることもあるので、対処法などを事前に知っておくことが大切だ。
ETCカード「未挿入」でも、焦らず対応!
都市高速に乗る。ETCレーンを通過すると「未挿入」のメッセージ。思いもよらないことに焦る。後続車が車間を詰めていたこともあり、止まるのはかえって危険と判断、走り続ける。料金未払いの犯罪者気分だが、どうしたらいいのか考えながら進むと、今度は本線上にあるETCチェックゲートでも「未挿入」のアナウンス、さらに焦る。
本線脇の非常駐車帯に入り連絡をしたほうがいいのかと考えたが、それも危険が伴うのでとにかく進む。少し冷静になったとき、先の本線上に料金所があり、その直近にパーキングエリアがあることを思い出した。なんとか無事にそのパーキングエリアにたどり着いた。
グローブボックス内のETC車載器を確かめると、なぜかETCカードが少し飛び出した“半挿し状態”になっていた。整備工場からの帰りに高速に乗ったので、点検整備記録簿等を出し入れしたときに車載器のカード取り出しボタンを押してしまい、半挿しになったと思われた。
パーキングエリア内のインフォメーションブースは無人ながら、24時間対応の電話番号の案内があった。電話すると、優しい声の担当者で気分が落ち着く。入ったランプ、カードや車のナンバー、車種、色等を聞かれた。たぶん映像で確かめるのだろうと思ったが、結局「料金所の一般レーンで処理をしてもらってください」とのこと。
料金所の一般レーンに向かう。手間取ることが予想されたので、ハザードを点けてレーンへ。係の人に事情を説明すると、ここでも入ったランプの名前を聞かれ、ETCカードを渡す。カードの処理が終わり、「ここまで走ってきた処理はしましたが、あなたがどこで高速を降りるかわからないので、降りてからこの番号に電話してください」と一枚の紙を渡される。これには先ほどのインフォメーションの電話番号があった。あとは問題なく家に帰り着いた。
家でETCカードと車検証を用意して先ほどの電話番号にかける。聞かれた内容は最初の電話のときと同じで、入ったランプ、カードや車のナンバー、車種、色等を聞かれ、処理は終了となった(※)。その後、ETCカードは問題なく使えている。走り出す前のETCカード挿入の確認不足を、高齢脳の反省とした。
- ※ETCカード未挿入等のトラブル処理の手続きは状況により異なります。
- 運転をあきらめないワンポイント
料金所で慌てないため、走行前にETCカードを確認!
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