モデル=土屋怜果

急ブレーキ、踏めますか!? イザというとき、命を守る急制動のテクニック

緊急時の急ブレーキについて解説
菰田 潔(モータージャーナリスト)
目次

「スムースドライビング」について、動画でお伝えする運転レッスン。今回のテーマは、急ブレーキについて。もちろん、通常の運転では車間距離をしっかりと取り先読みをする、急ブレーキの必要のない操作が大前提です。しかし、あまりにも急ブレーキをタブー視しすぎると「イザ!」というときに体がこわばってしまい、対応に遅れが出ることも……。緊急時に命を守る、「急制動」について解説します。講師は菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。

緊急時の急ブレーキについて動画で解説

撮影協力=ファインモータースクール大宮校

緊急時、あなたは
全力でブレーキを踏み込めますか?

日常の運転操作で、じわっと丁寧にブレーキ操作をしている方にとって、「急ブレーキは、自分とは縁遠いもの」と考えているかと思います。ですが、急ブレーキが必要な瞬間はいつ訪れるか誰にもわかりません。まず、「いざというときにブレーキを臆せず思い切り踏み込む」という意識を持つことが大切です。
急制動に備えるためにも、まずは正しいドライビングポジションが重要。シートにはしっかり深く腰かけましょう。尻の後ろに隙間が空いていると、ブレーキを踏み込んだ際に体が後ろにずれてしまい、しっかりと踏み込めません。また、シートは左足をフットレストに踏ん張っても膝が確実に曲がっている状態に。シート位置がペダルから遠いと、つま先でブレーキを踏むことになり、強くブレーキを踏んでしっかりと制動することができません。安全運転はドライビングポジションから、と心がけましょう!

急ブレーキを踏む菰田さん

急ブレーキのときの姿勢。膝が曲がっているので、強くブレーキペダルを踏み込める。

急制動は、0.1秒でも早く!
車が完全に止まるまで踏み続けましょう

「あっ!危ない!」と思ったときのブレーキ操作で、大切なのは0.1秒でも早く、ブレーキを強く踏み込むということ。時速50㎞で走行していた場合、0.1秒の間に車は約1.4m進みます。急ブレーキが必要となった際には、かかとを上げて、しっかりと奥まで一気に踏み込み、完全に車が停止するまで踏み続けましょう。今の車はABSが付いているため、スリップすることなく最短距離で止まることが可能です。普段から穏やかなブレーキを心がけている人ほど、イザというときに思い切り踏むことを躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。週に1度でもいいので、エンジンをかけず止まっている状態で、アクセルから踏みかえる急ブレーキの練習をしておくことも有効です。

ブレーキを踏み込む足

少しでも早く、しっかり奥まで踏み込みましょう。

なるべくなら避けたい急ブレーキ
危険回避に備えた運転を

また、制動距離は一般に「車のスピードの2乗に比例」します。車の走行スピードが倍になると、制動距離は4倍に。しかしこれは、「スピードが半分の場合は、制動距離が4分の1まで短縮する」ということ。つまり、速度が高いほど制動距離は伸び、速度が低ければ制動距離はうんと短くなります。急ブレーキが必要な状況を避けるためにも、少しでも危険を予測したら、早めにスピードを落とすことが安全につながります。今回は急ブレーキの踏み方をご紹介しましたが、急ブレーキを使用する状況にならないことが一番。繰り返しになりますが、まずはスピードコントロールや車間距離を意識し、安全な運転を心がけましょう。

  • この企画で紹介しているのは、菰田潔さんの運転メソッドです。JAFの見解とは異なる場合があります。

JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなど情報を提供しています。ぜひご覧ください。

菰田 潔

こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。

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