運転中のヒヤリハット

急坂で初めて気づく、小型車での4人乗りの重さ

「危なかった!」を事故防止に生かす
2023.01.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2023.01.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介する、このコラム。今回は、小型車に4人乗った際、1人乗りのときと車の挙動が大きく違って驚いた話。車が重くなると、急な上り坂だけでなく、高速走行時のブレーキ性能にも影響するので注意が必要だ。

アクセルを踏んでも車が進まない!

普段1人で乗っているATの小型車に4人乗って住宅地を走っていたとき、慣れない重さに、ヒヤリとする出来事があった。車1台がやっと通れる急な上り坂が現れ、上り切ったところに狭そうな丁字路が見える。行くか戻るかの逡巡(しゅんじゅん)はあったが、バックで戻るほうがアブナイ気がしたので、その坂を上る。

丁字路の交差点内で一度車を止める。後輪が坂にかかった斜めの状態での切り返しとなった。一度サイドブレーキを引き、戻しながらアクセルを踏んでも車が進んでくれない。ペダルに4人分の重さを感じる。

頼みの坂道発進時に一時的に車を止めてくれる機能(ブレーキホールド装置)も効いている感じもなく、ブレーキから足を離すと後ろに下がってしまうようなゾクッとする感覚を味わう。一呼吸おいて、眼前の石垣を気にしながらさらにアクセルを強く踏み込むと、なんとか車がゆっくり進み出した。

驚いた点は、1人乗車と4人乗車での急な上り坂でのパフォーマンスの違いだ。ある程度は予想していて、平地や高速道路を走るときは車間をいつもより空け気味にし、信号などでは早めにアクセルを緩め、ブレーキをしっかり踏むことを心掛けていたので、重さは感じながらも普通の走りができていた。

だが、急な上り坂では想定外の動きだった。一気に上り切れば、何も問題はなかったのだが、一度止まるとその重さに追い詰められることになるとは。AT車ながら、久しぶりにマニュアル時代の坂道発進の“怖さ”が思い出された。

指をさす男性

人を多く乗せたら、重さを意識した運転を。

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