運転中のヒヤリハット

12月は危険月! 薄暮の歩行者事故が急増

「危なかった!」を事故防止に生かす
2022.12.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.12.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介する、このコラム。今回は、12月は事故が多いうえ、薄暮の歩行者事故が増えるという話。日が短くなるこの時期、ドライバーも歩行者も見落としや判断の誤りに注意が必要だ。

薄暮の歩行者事故は昼間の約3.6倍!

12月は毎年のように他の月に比べて事故が増える。師走ならではの要因も考えられるが、車対歩行者の事故で気になるのは、昼間と比べて薄暮の時間帯の事故率が約3.6倍(下記警察庁資料)にもなる点だ。そしてその多くが、歩行者が道路横断中で、横断歩道での事故が24%を占める。

交通事故総合分析センターが6年前にこの歩行者横断事故の詳細調査を行っている。一つの傾向として、直進する運転者から見て右から渡って来る歩行者の死亡事故が多いことに着目し、原因を調べた。

歩行者側の目線で見ると右から来る車は距離が近く、車との距離感を間違うことは少ないが、左からの車は道路幅のぶん遠く見え、距離を間違えやすいと考えられるというのだ。とくに75歳以上の高齢歩行者に顕著な傾向とある。

12月にはもう一つ悪い条件が重なる。夕暮れの時間が短く、薄暮から一気に暗くなることだ。目の機能として、明るい場所から暗い場所に移るときの目の修正力を“暗順応”というが、目が完全に暗さに慣れるまで、一般的には数十分かかるといわれ(反対の明順応は数分)、見えているつもりでも見えていない危険な時間帯が、歩行者にも運転者にも生まれているということだ。

道路事情の違いもあり、日本は欧米に比べて歩行者の死亡事故の割合が高い。ここ数年、歩行者の安全対策が進められているが、我々ドライバーができる対策は、道路を渡ろうとする歩行者を見かけたとき、それがどこであっても、こうした距離のカン違いや暗順応による視認性の低下があるという情報を頭に入れて、スピードを緩める、停止するといった運転行動の徹底を図りたい。

指をさす男性

薄暮時は歩行者の見落とし、危険な横断に注意!

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