前が見えない! 冬場運転の難敵、窓ガラスの曇り
「危なかった!」を事故防止に生かす交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介する、このコラム。今回は、冬期に多い窓の曇りの話。代車やレンタカーを利用する場合、ふだん乗っている車とエアコン等、曇りを取る空調の使い方が違っていることがあるので注意したい。
デフロスターを入れたのに窓が曇る!?
みぞれの降る日、家族を迎えに駅まで運転する。かなりの冷え込みで、日差しもなく、前方も見づらい。それでも行きはなんとか無事だった。問題は帰り道だった。行きはなんでもなかったフロントガラスが曇りだした。
濡(ぬ)れた衣服、傘等の持ち込み、乗り込んできた家族で、車内の濡れ感が強く蒸しっとする。デフロスター(フロントガラスの曇り止め装置)を掛けているのに、どんどん曇ってくる。なぜだ。
実はこの車、ふだん乗っている自分のものではなく、車検中の代車だった。車を止めてよく見てみると、エアコンのスイッチが入っていないのだ。そうか、マニュアルのエアコンだったのか。オートエアコンであれば、デフロスターのスイッチと連動していて、デフロスターを入れれば、エアコンが猛然と働きだし、除湿し、一瞬にして曇りを取ってくれる。
一方、マニュアルエアコンでエアコンのスイッチが入っていないと、デフロスターを入れても除湿されていない空気が出るだけなので、曇りが取れにくい。エアコンのスイッチを入れる必要がある。このとき、忘れずにデフォッガー(リアウインドーの熱線)スイッチの位置も確認し、スイッチを入れよう。リアウインドーの視界が筋状に確保されていく。
車検中の代車やレンタカーを借りるとき、車の装備等はあまり気にせずに借りてしまう。運転に自信があればあるほど、車をわかったつもりになりがちだが、細かな使い方を理解できていないゆえの危険も起こる。
最近はカーシェアを利用する人もいると思うが、短期間であろうと短い距離であろうと、運転の危険に違いはない。ふだんと違う車に乗るときは、運転前にウインカーやワイパースイッチなど、運転の基本デバイスの使い方もしっかり頭に入れておこう。
- 今回のワンポイント
慣れない車に乗るときは、スイッチ類を確認!
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