運転中のヒヤリハット

冬場に多い、大型トラックの車輪脱落事故

「危なかった!」を事故防止に生かす
2023.02.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2023.02.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介する、このコラム。今回は、大型トラックのタイヤが外れる事例。冬期に多く、死傷事故にもつながっているという。トラック側の注意以外に、こちらができる対策や注意点を紹介する。

トラックから外れたタイヤで死傷事故も!

信号待ちをしていたら、隣に大型トラックがやってきた。こちらの目線の高さと同じくらいの大きなタイヤが迫る。このタイヤ、ホイール込みで一本約80~100㎏の重さだという。実は、これが外れる事故が冬場に多いのである。

国土交通省の調べでは、ホイール・ボルトの折損やナットの脱落等により、車輪(ホイール付き)が脱落してしまう事故は2002年4月~2021年3月末までの19年間で925件発生している。いずれの年も冬が多く、2021年度では、11月から2月の4か月で約64%を占めている。怖いのは年々増加傾向で、2019年度に112件と初めて100件を超え、2020年度に131件と最多を記録。2021年度も123件と高止まりになっている。

2022年1月の群馬県渋川市の事故では、大型トラックから外れた2本のタイヤのうち1本が対向車線を500mも転がり、歩道の男性を直撃して大けがを負わせている。冬ではないが死傷事故も起きている。2008年には、東名高速道路でホイール・ボルト折損により脱落したタイヤが対向車線のバスに衝突し、バスの運転手が死亡、乗客7名が負傷する事故もあった。

原因の多くは冬タイヤへの交換時の作業不備と交換後の保守点検、約50~100㎞走行後の増し締め等の不備が指摘されている。乗用車側としては、対策の立てようもなく、とにかく保守点検をきっちりと頼みたいが、国交省から出された、大型車の車輪脱落事故防止「令和4年度緊急対策」の中に、乗用車側として知っておきたい項目もある。

「著しくさびたホイール・ボルトやホイール・ナット、ディスク・ホイールでは、適正な締付力が得られない」とある。運転中、隣に止まる大型トラックのタイヤを今一度注意深く見てみよう。錆(さび)が見えるナットやホイールを使っている大型トラックであれば、近づかない。さらに、外れるタイヤの90%近くが“左の後輪”であるという。走行する際には、「トラックの左側は要注意!」と頭に入れておきたい。

指をさす男性

トラックとの並走時。まさかのタイヤ脱落に注意!

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