文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

対向車側にはみ出す、右折待ちの危険

「危なかった!」を事故防止に生かす

交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介する、このコラム。今回は、交差点での右折待ちの話。対向車側にはみ出す右折待ちは、直進する対向車のドライバーのストレスになるうえ、事故も起きかねない。

右折待ちの対向車がジリジリと…

狭い片側1車線道路の交差点を前車に続いて直進していたときだ。右折待ちの対向車がこちらに向かって少し動いたように見えた。飛び出してきたわけではなく、おそらく右折待ちの対向車には動いた意識はなく、ハンドルを少し動かした程度だったのかもしれない。

つまり停止状態でハンドルを動かし、タイヤが少し向きを変えた程度だったのだが、直進側としてはこんな動きでさえ、身構え、緊張し、瞬時にその動きに備えようとする。

もう一つ気になるのは、右折車が待つ位置だ。前のめり気味に対向車線にはみ出し、直進車が危険な思いをしているのに、まったく無関心な車も見かける。右折の誘導レーンと停止線のない交差点の場合は目標がなく曖昧になりがちだが、少なくとも対向車の進路にはみ出しての右折待ちは危険なのでやめてほしい。

なかには後続の直進車を通す配慮のためか、ジリジリと対向車線ににじり出る車も見かけるが、車が右折方向に斜めになっている限り、後方へのはみ出し具合にあまり変化はなく、後続車への配慮にはならない。

それよりは、前に出るほどに対向車との危険が増すばかりであることを考えるべきだ。ある自動車学校の啓発動画でも右折待ちでのはみ出しをやめようと訴えるものが話題となっているという。声の多さほどの危険があるということだ。

指をさす男性

交差点では右折待ちでのはみ出しに注意。

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