懐かしの「昭和カルチャー探検隊」

このアイスが大好きだった! あの頃食べた“昭和アイス”大集合

アイス編 【後編】

2022.09.08

協力(50音順)=赤城乳業、井村屋、江崎グリコ、協同乳業、クラシエフーズ、フタバ食品、明治、森永製菓、森永乳業、雪印メグミルク、ロッテ/文=忍 章子

2022.09.08

協力(50音順)=赤城乳業、井村屋、江崎グリコ、協同乳業、クラシエフーズ、フタバ食品、明治、森永製菓、森永乳業、雪印メグミルク、ロッテ/文=忍 章子

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

バニラアイスにかき氷やフロート、棒アイスにコーンアイスまで……。これらのアイスが生まれた日から市民権を得るまでの変遷をたどってきた、今回の「昭和カルチャー探検隊」。

後編も引き続きアイスをこよなく愛し年間1,000種類以上のアイスを食べるというアイスマン福留さんをナビゲーターに、懐かしの“昭和アイス”を一挙大公開! アイスさえあれば幸せだったあの頃にタイムトリップ。ぜひアイス片手にお楽しみください。
※社名は現在の社名です。掲載商品は一部を除き現在は販売していません。

あいすまん・ふくとめ 1973年生まれ。アイス評論家。東京都出身。年間に1,000種類以上のアイスクリームを食し、2010年からコンビニアイス評論家として活動をスタート。2014年、アイスクリームすべてのジャンルを盛り上げていくことを目的に一般社団法人 日本アイスマニア協会を設立し、情報サイト『コンビニアイスマニア』の運営、商品監修、業界専門紙でのコラム執筆など、アイスクリームを軸に幅広く活動。著書に『日本懐かしアイス大全』『日本アイスクロニクル』『日本ご当地アイス大全』(辰巳出版)などがある。

アイス評論家のアイスマン福留

個性が光る“カップ系アイス”

アイスの個性化・ブランド化が確立した1970年代。バニラが主流だったカップアイスにもさまざまな味のアイスが登場した。あの伝説のアイスも……!

宝石箱やメロンボールなど昭和生まれのカップアイスの集合

1.ハイブローシャーベット(オレンジ/パイン)[不明/協同乳業]

「メイトーのアイスブランド“ハイブローシリーズ”のシャーベット。カップアイスの他、モナカやコーンアイスも展開。100円という価格で少し贅沢(ぜいたく)感がありました。この頃からブランド化を意識した商品が増えてきました」
※写真は1977年当時

2.明治シュプール[1973年/明治(旧・明治乳業)]

「水玉模様のかわいいパッケージが目を引くカップアイス。バニラアイスのようななめらかタイプではなく、シャーベットに近いようなサクっとした食感で、ほんのり甘酸っぱく爽やかな味わいです」

3.アイスメロン[1972年/井村屋]

「メロン型のフタ付きボックスにメロン味のシャーベット。当時メロンは高級品で手に入りにくく、子供たちがメロンを食べた気分を楽しめるように開発されたそうです。食べたあとは小物入れに使ったりしました」

4.バッキーサーフィン[1970年/森永乳業]

「チョコレートでアイスを包み、上にモナカをかぶせた新感覚のアイスです。真ん中に割れ目が入っていて、バキっと割って食べる。サーフボードのような形のオシャレなパッケージで人気を博しました」

5.宝石箱[1978年/雪印メグミルク]

「黒い箱にキラキラ輝く宝石。高級感あふれるパッケージにときめきましたよね。アイスのなかにメロン、ストロベリー、オレンジの微細氷入り。CMにピンク・レディーを起用した、今も語り継がれる伝説のアイスです」

6.オレンジシャーベット、メロンシャーベット[1976年/クラシエフーズ]

「誰もが一度は食べたことのある王道のカップアイスではないでしょうか? フルーツのイラストが目を引く、かわいいパッケージのメロン味、オレンジ味のシャーベット。僕はメロン派でした」

7.ロマーナ[1973年/森永乳業]

「前編で登場した『イタリアーノ』や『メロリー』と同じ、50円のラクトアイス*。バニラ味とバニラ&チョコ味の2種類で登場してヒットし、のちにシリーズ化。ロングセラーとなりました」

  • *ラクトアイス……厚生労働省が定める規格。「ラクトアイス」は乳固形分3.0%以上入っているもの。ほか、「アイスクリーム」は乳固形分15%以上(うち乳脂肪8%以上)、「アイスミルク」は乳固形分10%以上 (うち乳脂肪が3.0%以上) 、「氷菓」は乳固形分がラクトアイス未満または入っていないもの。

パナップやロマンティーなど昭和生まれのカップアイスの集合

1.パナップ[1978年/江崎グリコ]

「これまでにない、パフェのような細長いロングカップの容器でオシャレなデザインが女子にヒット! “パフェ+カップ=パナップ”が名前の由来。アイスの中央にフルーツソースが入っていました」

2.きらめく星座[1980年/フタバ食品]

「『宝石箱』を彷彿(ほうふつ)とさせるデザインのカップアイス。気になる中身は、バニラアイスに赤、緑、橙(だいだい)、黄色の粒氷がちりばめられていました。素人目にも製造がたいへんそうだと思うような仕様です」

3.ケリー[1980年/フタバ食品]

「バニラといちご、バニラとコーヒーの2つの味をマーブル模様に合わせたカップアイス。フタを取ると、フタにもマーブル模様にアイスがくっついてきて、それをこっそりペロペロとなめてませんでしたか?」

4.ロマンティー[1980年/クラシエフーズ]

「カネボウアイスクリームの“デザートシリーズ”から登場したサンデータイプのカップアイス。いちごヨーグルト、チョコレート、パインチーズの3種をラインアップ。本格的デザートアイスです」

5.ミカ[1979年/森永乳業]

「アイスクリームのリッチな風味と、かき氷のさわやかさの一体感を味わえるカップアイス。粒氷感を楽しみながら、最後までさっぱりと食べられるアイスです。パッケージがオシャレですよね」

6.コーヒーフロート[1980年/フタバ食品]

「コーヒーカップのような容器にコーヒー風味のアイスが入っていました。食べ終わったあと、カップがもったいなくて捨てられなかった思い出があります」

7.ロミオ&ジュリエット[1979年/森永乳業]

「アイスの上にデコレーションが施され、パフェ感覚で楽しめるアイス。チョコレートアイスとストロベリーアイスの2種類があり、いずれも上にホイップ風のクリームをのせ、ナッツなどがちりばめられ、名前にふさわしく上品な感じのアイスです」

アイス×○○○な“ハイブリッド系アイス”

製造技術が向上し、おもしろいアイスが続々と登場!
遊び心が満載のアイス、一粒で何度もおいしいアイスにワクワクが止まらなかった。

ガムンボやアイスバーガーなど昭和生まれのアイスの集合

1.ガムンボ[1981年/ロッテ]

「このアイス、ハマっていた方も多いのでは? 棒の部分がチューインガムになっていて、1つ買えば2度楽しめるお得感が子供にウケて大ヒット! アイスを食べ終わったら、棒部分のフィルムをミシン目に沿ってペリペリ剥がしてガムを食べました」
※写真は発売初期

2.雪見弁当[1982年/ロッテ]

「弁当箱風の容器に、ごはんに見立てたバニラアイス、梅干し代わりにストロベリーソース、おかず部分にはマスカットゼリーとチョコボールアイスにアメ! 同社の『トーストアイス』『アイススパゲッティ』とともに“ランチトリオ”として販売」

3.アイスバーガー[1979年/森永製菓]

「70年代のハンバーガーブームにのって登場。ハンバーガーショップで出されるときのような容器を開けると、スポンジケーキでアイスをサンドしてチョココーティングしたアイスのハンバーガーが登場。姉妹品で『フルーツバーガー』も登場しました」

4.プルモア ビスケット[1977年/クラシエフーズ]

「同社で人気の『ビッグベン』が小分けタイプになって登場しました。3個入り、5個入り、7個入りの3タイプで、シーンによって選べるうれしい展開。オシャレなデザインのパッケージがひときわ目を引きました」

5.ビッグベン[1977年/クラシエフーズ]

「ユニオンジャックをプリントしたオシャレなバッケージ、ワンハンドタイプのビスケットサンドアイスで若者の心をわしづかみ! アイスのファッション化に大きな影響をもたらしたアイスです」

6.ビスケットサンド[1980年/森永製菓]

「ほんのり甘く、しっとりとしたビスケットに、バニラビーンズ入りの風味豊かな濃厚バニラアイスをサンド。製菓メーカーの誇る製造技術を生かしたビスケットが秀逸です」

アイスの実や板チョコモナカなど昭和生まれのアイスの集合

1.キャンデーボール・アイスの実[1986年/江崎グリコ]

「同社のハート型グリコキャラメルやチョコボールの製法からヒントを得て開発された、かわいい球体のアイス。製菓メーカーならではの発想で大ヒット!」

2.クレープアイス[1985年/ロッテ]

「卵をたっぷり使用したクレープ生地でアイスを包んだクレープアイス。“たまごシートアイス”と銘打って登場。ふわっふわのクレープ生地が魅力的でした」
※写真は1992年当時

3.板チョコモナカ[1986年/森永乳業]

「モナカでアイスと板チョコをサンドしたモナカアイス。発売当初はそれほど話題にならなかった記憶がありますが、3年目くらいから急激に人気が出ました」

4.クレープフランセ[1983年/赤城乳業]

「東京・原宿から起こったクレープブームにのって登場。クレープ生地でバニラアイスを包み、ソースをかけて仕上げたクレープアイス。チョコとブルーベリーソースの2種類が販売されていました」

5.ラーメンアイス[1985年/赤城乳業]

「バニラアイスの麺、めんま型のゼリー、なるととグリーンピースはなんと本物! オレンジソースがけの赤ラベルと、チョコソースがけの黒ラベル2種が登場」

6.アメリカンサンドアイス[1983年/ロッテ]

「バニラアイスをオートミールクッキーでサンドしてチョコでコーティング。しっかりと食べ応えがあって、よく食べた記憶があります」

7.プルモアチョコボール[不明/クラシエフーズ]

「同社の“プルモアシリーズ”から登場したチョコボールタイプのアイス。フレーバーはバニラとストロベリーの2種」

8.クッキーサンド[不明/クラシエフーズ]

「しっとりとしたクッキーでバニラアイスをサンド。同社の『プルモアビスケットアイス』と比べて50円とリーズナブル。ブッセタイプのアイスも同時期に販売」
※写真は1977年当時

冷凍庫の重鎮“ホームタイプ系アイス”

70年代には、一般家庭に冷凍庫つき2ドアタイプの冷蔵庫が普及。
家族で楽しめるホームタイプ系アイスが続々と登場した。

レディーボーデンやリーベンデールなど昭和生まれのアイスの集合

1.リーベンデール[1982年/雪印メグミルク]

「北海道産の新鮮な牛乳から作った濃縮乳、生クリームを主原料にした高級アイスクリームです。当初、バニラ、ストロベリー、チョコレート、コーヒー、ラムレーズンの5種類が登場。憧れのアイスでした」

2.ヨーロピアンシュガーコーン[1986年/クラシエフーズ]
3.D&Dチョココーン[1981年/クラシエフーズ]

「コーンアイスのホームタイプで人気を博したアイスです。1981年に登場した『D&Dチョココーン』が“ワンランク上のヨーロピアンタイプ”に衣替えして販売されました」

4.ビエネッタ[1983年/森永乳業]

「厚さ4mmの濃厚なバニラアイスと、0.5mmのミルクチョコレートを交互に重ね、パリパリ食感が楽しめるケーキ型のアイス。包丁で切って食べるのが当時、斬新でした」

5.レディーボーデン(バニラ)[1971年/明治(旧・明治乳業)]

「日本における高級アイス市場・ホームタイプ系アイス市場の立役者。当初は明治(旧・明治乳業)とボーデン社が提携して発売し、1994年にロッテから発売。高級感あふれる贅沢なデザインで、子供たちの憧れのアイスではなかったでしょうか?」
※写真・左:初代[1971年/明治(旧・明治乳業)]/写真・右:[1994年/ロッテ]

6.パティーナ[1983年/江崎グリコ]

「スリムで、ちょこっと食べたい派にピッタリなサイズ感が話題を集めました。ソーダやチョコバナナなどの二層アイスが17本入っていて、いろいろな味を楽しめました。4本入りの紙箱タイプも販売していました」

7.アンリ・ヴュータン[1987年/森永乳業]

「憧れの超高級アイスクリームです。添加物不使用で、欧州の手作りアイスの製法を可能な限り取り入れ作ったそうです。カップタイプも販売していました」

8.バリアンティ[1973年/森永乳業]

「『レディーボーデン』『リーベンデール』とともに高級アイス市場を盛り上げたアイスです。バニラ以外にもさまざまなフレーバーが登場して、高級路線で販売されていました」

今もなお愛され続けるロングセラーアイス

昭和に誕生して、今もなお根強い人気を誇るロングセラーアイス。
時代のニーズをキャッチしながらリニューアルを重ね、その進化は止まらない。

雪見だいふくやスイカバーやスーパーカップやガリガリ君など昭和生まれのアイスの集合

1.雪見だいふく[1981年/ロッテ]

「冬でも売れるアイスを作ろう、という発想から生まれたアイス。バニラアイスをやわらかいモチで包み、大ヒット。製菓メーカーならではの斬新なアイデア。“冬アイス”の立役者といってもいいアイスです」

2.ガリガリ君[1981年/赤城乳業]

「同社の看板商品『赤城しぐれ』が、子どもが遊びながら片手でも食べやすい棒タイプで登場! 当たりくじ付きにして大ヒット。2層構造でアイスキャンディーとガリガリの粒氷が楽しめるのが魅力です」

3.サクレレモン[1985年/フタバ食品]

「スライスレモンがのったカップかき氷。当時流行していた喫茶店のレモンスカッシュからヒントを得て開発したそうです。爽やかな味わいで大ヒットしました」

4.明治エッセルスーパーカップ[1994年/明治]

「大満足のボリューム感と味わいで、他のバニラアイスの追随を許さないバニラアイスに君臨しました」

5.スイカバー[1986年/ロッテ]

「スイカ風味のアイス、スイカをカットしたような形、チョコパフの種。これほどスイカ感を表現しきったアイスは後にも先にもコレだけ! 当初より大きくなった現在のBIGサイズは、『スイカバー』好きにはうれしい限りです」

チョコモナカやあずきバーやパピコなど昭和生まれのアイスの集合

1.ピノ[1976年/森永乳業]

「アイスをチョコでくるんだひとくちサイズが新しかった『ピノ』。当時は、冬場に楽しめるアイスとして販売されたそうですが、季節に関係なく大ヒットし、通年で楽しめるアイスに」

2.チョコモナカ[1972年]/チョコモナカジャンボ[森永製菓]

「『チョコモナカ』は、モナカの内側にチョコをコーティングし、中にバニラアイスを詰めたシンプルなアイス。現在の『チョコモナカジャンボ』では、モナカのパリパリ食感とセンターの板チョコのパリッとした食感を訴求し、モナカアイスの絶対王者の地位を確固たるものとしました」

3.グリココーン[1963年]/ジャイアントコーン [江崎グリコ]

「ワンハンドタイプのアイスが続々と登場していた時代に旋風を巻き起こした同商品。形状が現在の『ジャイアントコーン』とほぼ同じ。それだけ完成されていたアイスだったのです。コーンアイスの代名詞ですね」

4.パピコ(ホワイトサワー)[1974年/江崎グリコ]

「当時業界の通説だった“白色の氷は売れない”というジンクスを、子供が大好きな乳酸菌飲料味にして大ヒット! パキッと割った先っぽまでチュウチュウ吸って食べました。現在はさまざまなフレーバーで楽しませてくれています」

5.あずきバー[1973年/井村屋]

「和風アイスの代表格。砂糖、小豆、水あめ、コーンスターチ、食塩の5つの原料だけで作られており、あの硬さは原材料にこだわったゆえの硬さなのです。子供の頃、冷凍庫に常備されていたという家庭も多いのではないでしょうか?」


懐かしの“昭和アイス”の世界、いかがでしたでしょうか?
最後に、アイスマン福留さんにとってのいちばんの思い出のアイスを聞いてみました。

「前編のエポックメイキングアイスとしても紹介した『スーパーマンロケット』です。お小遣いをにぎりしめて、放課後に通っていた近所の駄菓子屋さんで、飽きもせず毎日のように食べていました。アイスのフタを開けるのに難儀しても、大好きでした。『スーパーマンロケット』を食べることはもうできませんが、味はもちろん、色も形もはっきりと胸に焼き付いています」

子供の頃、友だちとワクワクしながら食べたアイス。
お母さんの買い物のおともをして、兄弟に内緒で買ってもらったご褒美アイス。
みなさんの記憶の中にもきっと、思い出のアイスがあることでしょう。
なんだか、アイスがたまらなく食べたくなってしまいました。

昭和生まれのあのアイスを、お店に探しに行ってきます!

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