石狩鍋
川津幸子さんの「これ、作ってみて!」ご存じ、北海道自慢の鍋料理。地元の人に作り方を聞くと、「味つけは、みそで」とか、「いやいや、酒粕がおいしいよ」など、いろいろなアドバイスが返ってきて、石狩鍋がいかに愛されているかがわかります。これは、函館の居酒屋のおかみさんに習ったもので、にんにくをコロン、コロンと丸ごと入れるのがポイント。にんにくが鮭特有のくせを上手に消してくれて、さらに煮上がったときはほくほくという、うれしいおまけつきです。みそは、お手持ちのものでかまいません。個人的には、白みそで作ってもおいしいと思うと言ったら、北海道の人は驚くかな?
材料(4人分)
- 塩鮭
- 4切れ
- じゃが芋
- 4個
- にんじん
- 1本
- 大根
- 300g
- ねぎ
- 2本
- えのきだけ
- 1袋
- 春菊
- 1束
- にんにく
- 2〜4片
- 昆布
- 10㎝ 2枚
- 煮汁(水8〜9カップ、みそ60〜80g、酒大さじ4、しょうゆ・みりん各大さじ1と1/2)
作り方
- 1.塩鮭は2〜3つに切り、さっと熱湯に通す。
- 2.じゃが芋は乱切り、にんじん、大根は5㎜厚さの半月切りにする。ねぎは2㎝長さのぶつ切りにする。えのきだけは根元を切ってほぐす。春菊は葉を摘み、茎も柔らかければ、4cm長さに切る。
- 3.土鍋に煮汁の水と昆布を入れて火にかけ、じゃが芋、にんじん、大根、にんにくを加えたら、アクを取りながら煮る。野菜が柔らかくなったら、(1)の鮭とねぎ、えのきだけ、春菊を入れて煮、味をみて、みそ、酒、しょうゆ、みりんを加えて調味する。
塩鮭は、食べやすい大きさに切り、湯通しします。これは生臭さを取るためで、表面の色が変われば十分です。
にんにくを丸ごと入れるのがポイント。切ったり、すりおろしたりするのに比べると、にんにくが入っているとは気がつかないほどの淡い香りですが、鮭のくせを和らげるいい仕事をします。量はお好みでどうぞ。
川津幸子
かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。