幸せって何だろう

植草美幸 「日常」と「人」が私の幸せの根源

植草美幸
2022.06.20
2022.06.20
この記事のキーワード
この記事をシェア

「幸せって何だろう」は、小説家、エッセイスト、俳優、タレントなど、さまざまな分野の方にご自身の「幸せ」についての考え方や、日々の生活で感じる「幸せ」について綴っていただくリレーエッセーです。
今回は、婚活アドバイザーの植草美幸さんに、自身の人生や結婚相談所での経験を通して感じる「幸せ」について綴っていただきました。

「日常」と「人」が私の幸せの根源

幸せになれますか? ――婚活アドバイザーの仕事をしていると、人より「幸せ」について聞かれる機会が多いかもしれません。


素顔の私が、幸せを感じるのは本当にささいな日常です。例えば、オフィスから美しい夕日が見えたとき。あるいは、商店街のプレミアム付き商品券を使うとき、ミシン目をピリッと破る瞬間も幸せを感じます! 幼いころ、弟やご近所の友だちをお客さん役にして“バス車掌さんごっこ”をしたときに、手作りのバス回数券をちぎる幸せな記憶が呼び起こされるのです。

実は、私が仲人を生業にしたのは、両親や幼少期の育ちにルーツがあります。鉄鋼業を経営していた父は、独身従業員を数十人連れ、関東で事業を起こしました。母は従業員の結婚のお世話をし、近所にたくさんの社宅を構えたので、実家の周辺はまるで集落のようでした。父は従業員の子どもたちの入学式にはランドセルを贈り、クリスマスにはプレゼントを贈り、子どもたちや社員一同で大運動会をすることもありました。私自身も4人きょうだいの大家族で、住み込みの家政婦さんもいて、庭には毎日ご近所の子どもが集まっていましたから、物心ついたときにはたくさんの人に囲まれていたのです。“人の幸せを願う”ことに幸せを感じ、日常の中に幸せを見出す私の根源はここにあるのかもしれません。


結婚相談所で冒頭の質問をされたら、「幸せになるためにここに来たなら、すでに一歩を踏み出していますよ」とお答えしています。今の時代、結婚はしなくてはならないものではありませんし、必ずしも「結婚=幸せ」ではありません。誰かと寄り添うことで「もっと安心したい」と思ったときに、今よりも幸せになる手段として、幸せな結婚生活を目標に婚活をしてみてほしいと思っています。

人は、目標がないと幸せを感じにくいものです。朝から「今日は絶対にカレーを食べるぞ!」と思っていると、「美味しいカレーを食べられて幸せ!」と感じますよね。少なくとも、漫然と出されたカレーを食べる人よりは幸せでしょう。

ただ、結婚もビジネスも、目標はかなえて終わりではありません。その状態を継続することにも努力が必要で、継続してこその喜びがあるものです。結婚生活は、60年以上続くかもしれない“リアルな日常”で、結婚式やプロポーズが幸せの絶頂ではありません。“ロマンチックな妄想”とは真逆なのです。一緒にごはんを食べたり、お部屋をDIYしたり、迷いながら子育てをしたり……というふつうの時間を過ごして悲喜こもごもの感情を共有することで、新たな幸せを再認識できるのかもしれません。このコロナ禍に婚活を始める方が多いのは、ひとりでは感じられない幸せがあるからだと信じています。

植草美幸

うえくさ・みゆき 婚活アドバイザー。
1995年にアパレル業界に特化したコンサルティング会社を創業。2009年に事業転換し、結婚相談所マリーミーを設立。コンサル業で培った経験を生かし、多数の未婚男女を成婚に導く。自身が担当するコースでは、成婚率80%を記録。執筆、セミナーや講演の開催、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動している。
著書に『モテ理論』『婚活学講座 尊敬婚のすすめ』『なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ』など。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?